ケアプラン第1表「利用者及び家族の生活に対する意向」の文例集|本人・家族の言い回し

第1表文例

「意向欄に何をどう書けばいいか、毎回言葉に迷う」——そんなときに使える、第1表「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」欄の文例を集めました。気になる行をコピーして、ご本人やご家族の言葉に合わせて整えてお使いください。

第1表の意向欄は、本人の意向と家族の意向を分けて書くのが基本です。この記事でも「本人:〜したい」「家族:〜してほしい」の形で、両方の言い回しを場面別に並べています。

意向欄を書くときの前提を、先に3つだけ。

  • できるだけ本人・家族が話した言葉に近い表現で書く(支援者の言葉に置き換えすぎない)。
  • 本人の意向と家族の意向は分けて書き、食い違いがあるときは両方を残す。
  • 「〜したい」「〜してほしい」という意向の語尾で書き、サービスの内容は書かない。

在宅生活を続けたい本人の意向

住み慣れた家で暮らし続けたい、という思いを軸にした文例です。

  • 本人:体が思うように動かなくなってきても、住み慣れたこの家で暮らし続けたい。
  • 本人:施設には入りたくない。できる限り自分の家で生活を続けたい。
  • 本人:人の手を借りながらでも、慣れた環境で自分のペースで暮らしたい。
  • 本人:庭や近所など、長年なじんだ場所のそばで毎日を過ごしたい。
  • 本人:迷惑をかけたくない気持ちはあるが、それでも家で過ごせる間は家にいたい。
  • 本人:夫(妻)と一緒に、これまでどおりこの家で暮らし続けたい。

家族側の言い回し

  • 家族:本人の「家にいたい」という気持ちを大切にして、できる限り在宅を続けさせてあげたい。
  • 家族:支援を受けながらでも、本人が安心して家で暮らせるようにしてほしい。
  • 家族:仕事をしながらの介護なので、在宅を続けるための支えを整えてほしい。

施設入所も視野に入れる場合の意向

在宅と施設のあいだで揺れている、検討段階の意向の文例です。

  • 本人:今は家で頑張りたいが、これ以上動けなくなったら施設も考えたい。
  • 本人:家族に負担をかけるくらいなら、いずれは施設に入ることも考えている。
  • 本人:今後の体調次第で、住まいのことは家族とよく相談して決めたい。

家族側の言い回し

  • 家族:在宅が難しくなったときに備え、施設の情報も少しずつ知っておきたい。
  • 家族:今は在宅を続けたいが、介護が限界になる前に入所も検討したい。
  • 家族:本人の気持ちを尊重しつつ、無理が出たら住まいの見直しも一緒に考えたい。
  • 家族:遠方に住んでおり、何かあったときに安心できる住まいを早めに準備したい。

家族の介護負担・レスパイトに関する意向

介護を続ける家族の負担軽減や、休息(レスパイト)を求める意向の文例です。

  • 家族:介護で疲れがたまってきたので、ときどき休める時間がほしい。
  • 家族:自分の体調も心配なので、介護を一人で抱え込まないようにしたい。
  • 家族:仕事と介護の両立が難しくなってきたので、日中を見てもらえると助かる。
  • 家族:泊まりの預かりも利用しながら、介護を長く続けられるようにしたい。
  • 家族:本人を見ていて気が休まらないので、安心して任せられる時間がほしい。
  • 家族:自分の通院や用事のときに、本人を安心して預けられる先がほしい。

本人側の言い回し

  • 本人:家族に負担をかけたくないので、サービスを使って助けてもらいたい。
  • 本人:家族が休めるなら、デイサービスやショートステイを利用してもよい。

医療・健康管理に関する意向

持病の管理や服薬、通院など、健康面の安心を求める意向の文例です。

  • 本人:持病をこれ以上悪くしたくないので、きちんと管理して暮らしたい。
  • 本人:薬を飲み忘れることが増えてきたので、確実に飲めるようにしたい。
  • 本人:通院を続けて、今の体調をできるだけ保っていきたい。
  • 本人:体調が悪くなったときに、早めに気づいて対応してもらえると安心したい。
  • 本人:入退院をくり返したくないので、家で体調を整えながら暮らしたい。

家族側の言い回し

  • 家族:服薬や通院がきちんと続くよう、専門職に見守ってほしい。
  • 家族:急に具合が悪くなったときに、すぐ相談できる体制を整えてほしい。
  • 家族:本人の体調の変化に、家族だけでなく専門職にも気づいてもらえると安心したい。

リハビリ・自立への意向

機能の維持・回復や、自分でできることを増やしたいという意向の文例です。

  • 本人:自分のことはできるだけ自分でやれるようになりたい。
  • 本人:リハビリを続けて、今より少しでも歩けるようになりたい。
  • 本人:トイレや着替えなど、身の回りのことを自分で続けたい。
  • 本人:また自分で買い物や外出ができるようになりたい。
  • 本人:体の動かしやすさを保って、寝たきりにならないようにしたい。
  • 本人:手すりや道具を使ってでも、自分の足で移動を続けたい。

家族側の言い回し

  • 家族:本人ができることは続けてもらい、自立した生活を保ってほしい。
  • 家族:リハビリを通じて、今の動ける状態をできるだけ維持してほしい。
  • 家族:何でも手伝うのではなく、本人の力を引き出す支援をしてほしい。

役割・生きがい・交流に関する意向

楽しみや人とのつながり、自分の役割を持ち続けたいという意向の文例です。

  • 本人:家に閉じこもりがちなので、外に出て人と関わる機会を持ちたい。
  • 本人:好きな趣味や活動を、これからも続けていきたい。
  • 本人:できる家事や役割を持って、張りのある毎日を過ごしたい。
  • 本人:なじみの人たちとのつながりを大切にしながら暮らしたい。
  • 本人:人の役に立てることをしながら、自分らしく過ごしたい。
  • 本人:気の合う仲間と話したり笑ったりする時間を持ちたい。

家族側の言い回し

  • 家族:本人が楽しみや生きがいを持って、明るく過ごせるようにしてほしい。
  • 家族:家にこもりきりにならないよう、外出や交流の機会をつくってほしい。

看取り・終末期に関する意向

人生の最終段階をどう過ごしたいかという、繊細な意向の文例です。本人・家族の言葉を丁寧に確認したうえで使ってください。なお、治療方針や急変時の対応は、必ず主治医・本人・ご家族で話し合って確認してください。

  • 本人:最期まで住み慣れた家で、穏やかに過ごしたい。
  • 本人:つらい治療よりも、痛みや苦しみを和らげながら過ごしたい。
  • 本人:残された時間を、家族とできるだけ一緒に過ごしたい。
  • 本人:自分らしい時間を大切にしながら、安心して過ごしたい。

家族側の言い回し

  • 家族:本人の「家で過ごしたい」という思いを、できる限りかなえてあげたい。
  • 家族:本人が穏やかに過ごせるよう、医療や介護と連携して支えてほしい。
  • 家族:いざというときの対応を、本人・家族・専門職で前もって話し合っておきたい。
  • 家族:後悔のないよう、本人の気持ちを尊重した過ごし方を支えてほしい。

独居の不安に関する意向

一人暮らしならではの不安や、見守りを求める意向の文例です。

  • 本人:一人暮らしなので、体調を崩したときに早く気づいてもらえると安心したい。
  • 本人:何かあったときにすぐ連絡できるようにして、安心して暮らしたい。
  • 本人:家事が一人では大変になってきたが、住み慣れた家で暮らし続けたい。
  • 本人:人と話す機会が減ってきたので、誰かとつながりながら暮らしたい。
  • 本人:支払いや手続きが一人では難しくなってきたので、整理して安心したい。

家族側の言い回し

  • 家族:離れて暮らしているので、日々の見守りの体制を整えてほしい。
  • 家族:何かあったときにすぐ連絡が来る仕組みをつくってほしい。
  • 家族:できる範囲で支えたいが、目の届かない部分を専門職に補ってほしい。

認知症のご本人・ご家族の意向

もの忘れや不安があっても、本人の思いを大切にした文例です。本人が言葉にした思いを、できる限りそのまま残します。

  • 本人:もの忘れが増えても、慣れた家で安心して暮らしたい。
  • 本人:できることは自分でやりながら、これまでどおり過ごしたい。
  • 本人:不安なときにそばで支えてくれる人がいると安心したい。
  • 本人:なじみの場所や人とのつながりを大切にして過ごしたい。

家族側の言い回し

  • 家族:本人が混乱せず、できるだけ穏やかに過ごせるようにしてほしい。
  • 家族:もの忘れがあっても、本人の気持ちや尊厳を大切にしてほしい。
  • 家族:介護をする家族も支えてもらいながら、在宅を続けられるようにしたい。
  • 家族:行方が分からなくなるなどの心配があるので、見守りの体制を整えてほしい。

ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)

すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。

コツ1:本人の意向と家族の意向は必ず分けて書く

❌ 家で穏やかに暮らしたい。

⭕ 本人:住み慣れた家で暮らし続けたい。/家族:本人の思いを大切にしつつ、介護負担が重くならないよう支えてほしい。

📝 第1表は「利用者及び家族」の意向欄です。誰の言葉なのかをはっきりさせると、支援の方向性がぶれません。本人と家族で思いが違うときこそ、両方を残すことに意味があります。

コツ2:本人が話した言葉に近い表現で書く

❌ ADLの維持を希望している。

⭕ トイレや着替えなど、身の回りのことを自分で続けたい。

📝 専門用語に置き換えすぎると、本人の思いが伝わりにくくなります。本人が実際に口にした言葉に近い表現で書くと、課題分析の結果として説得力が出ます。

コツ3:意向と「課題分析の結果」をつなげる

📝 この欄の正式名称は「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」です。意向だけを書いて終わりにせず、その意向を実現するために何が課題なのかが、第2表のニーズへ自然につながるように意識すると、計画全体に一貫性が生まれます。

コツ4:意向欄にサービス名を書かない

❌ 訪問介護とデイサービスを利用したい。

⭕ 家事の負担を減らし、人と関わる機会を持ちながら暮らしたい。

📝 意向欄は「どう暮らしたいか」を書く場所です。具体的なサービスは第2表で位置づけるため、ここでは本人・家族の願いそのものを書くと整理されます。ただし、本人が「デイに行きたい」などサービス名を自分の言葉で口にした場合は、その発言を尊重してそのまま残しても構いません(支援者がサービス名で意向を要約してしまうのを避ける、という趣旨です)。

運営指導で見られやすいポイント

  • 本人の意向と家族の意向が、それぞれ分けて記載されているか。
  • 本人が話した内容に基づく、その人らしい意向になっているか。
  • 意向と課題分析の結果が、第2表のニーズへつながっているか。
  • 本人と家族の意向に違いがある場合に、両方が記載されているか。

現場のひとこと

意向欄は、計画書のなかで一番「その人らしさ」がにじむ場所だと思っています。きれいにまとめようとするほど顔が見えなくなるので、本人の言葉をできるだけそのまま残すようにしています。

※意向欄の書き方や様式の細かな扱いは、ご本人の状況や保険者(市町村)の確認・判断によって異なる場合があります。文例はあくまで参考とし、ご本人・ご家族の言葉に合わせて整えてお使いください。

(参考:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」、課題分析標準項目・居宅サービス計画書の標準様式に関する通知)

この記事を書いた人

現役のケアマネジャー。社会福祉士として福祉の現場に20年携わり、ご本人とご家族の支援を続けてきました。管理者として運営指導も受ける立場から、現場で本当に使える文例を整理しています。実在の利用者情報は使わず、すべて一般化した架空の文例として掲載しています。

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