ケアプラン予防版「認知機能低下予防」の文例集
「もの忘れが目立ってきた方の介護予防の欄に、本人の力を活かす支援としてどう書けばいいのか」——そんなときに使える、介護予防サービス計画書(予防プラン)の「認知機能低下予防」を支援する場面の文例を集めました。気になる行をコピーして、ご本人の状態に合わせて整えてお使いください。
予防プランは、要支援1・2の方や、地域支援事業(総合事業)の対象になる方を対象に作るケアプランです。介護保険のケアプラン(第1〜3表)とは様式が異なり、「アセスメント領域と現在の状況」「本人・家族の意欲・意向」「領域における課題(背景・原因)」「総合的課題」「課題に対する目標と具体策の提案」「具体策についての意向(本人・家族)」「目標」「目標についての支援のポイント」「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス」「介護保険サービスまたは地域支援事業」「サービス種別」「事業所」「期間」といった欄が並びます。
※介護予防支援の標準様式では「目標」は原則一本化されています。保険者によっては運用上「長期目標/短期目標」を併記する場合があるため、本記事では便宜的に長期目標・短期目標の文例を分けて掲載しますが、お住まいの保険者の様式・運用に合わせて書き分けてください。
このページでは、認知機能低下予防を支援するときに、それぞれの欄に書ける文例を場面別に整理しました。
書くときの前提を、先に3つだけ。
- 認知機能低下予防は「もの忘れを治す」取り組みではなく、「今ある力を保つ」「生活の中で頭と体と人との関わりを使い続ける」取り組み。進行を遅らせる可能性に向けた支援であり、断定的な改善目標は避ける。
- 目標は本人を主語にして、「これまでの生活を自分のペースで続けられる」「人と会う機会を保てる」など、本人の暮らしに引きつけて書く。
- 認知機能低下予防は介護予防通所型サービスだけでなく、地域支援事業の通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動・趣味のサークル等、多様な資源と組み合わせる。医療連携(主治医・もの忘れ外来等)の視点も意識して書く。
独居で、もの忘れの進行と生活上の困りごとが目立ってきた場合
独居の方で、もの忘れの進行と生活上の困りごとが目立ってきた場面の文例です。安全と社会参加の両面から書くと整理しやすい場面です。
総合的課題の文例
- 独居生活が続くなかでもの忘れが目立ってきており、服薬や日付の管理に支障が出始めているため、本人の力を活かしながら生活を支える仕組みを整えることが課題となっている。
- もの忘れの進行に伴い、買い物や調理等の日常生活動作に手間がかかるようになってきており、本人ができる範囲を保ちつつ、必要な支援を組み合わせることが必要となっている。
- 独居で日常的に関わる人が少なく、認知機能の変化に気づきにくい状況にあるため、医療・地域・家族と連携した見守り体制を整えることが課題となっている。
- もの忘れと外出機会の減少が重なり、生活範囲と人との関わりがともに縮小しつつあるため、本人が安心して暮らせる地域とのつながりを整えることが必要となっている。
長期目標の文例
- 住み慣れた自宅で、自分のペースで生活を続けることができる。
- 日々の生活で必要な支援を受けながら、これまでの暮らしを保つことができる。
- 地域や家族とのつながりを保ち、安心して暮らし続けることができる。
- 自分でできることを生活の中に残し、自宅での生活を続けることができる。
短期目標の文例
- 服薬や予定の管理に、家族や支援者の支援を受けながら取り組むことができる。
- 週1回以上、通いの場や通所サービスに参加し、人と関わる時間を持つことができる。
- 体調や生活の変化を、家族・ケアマネに相談しながら過ごすことができる。
- 自分でできる家事(簡単な調理・洗濯等)を、無理のない範囲で続けることができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:カレンダーや服薬カレンダーを活用し、予定や服薬の管理を自分でも確認する。
- 本人:通いの場や通所サービスへの参加を、生活の予定に組み込む。
- 本人:困りごとがあった時に相談する相手(家族・地域包括・ケアマネ等)を、連絡先と一緒に整理しておく。
- 家族(同居・別居問わず):定期的に連絡や訪問を行い、生活と体調の様子を継続的に把握する。
- 家族:服薬・通院・金銭管理等で必要な部分を整理し、本人ができる範囲は尊重しながら支える。
- 地域:民生委員・自治会・近隣等と連携し、日常的な声かけと見守りの仕組みを整える。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:定期的な通所を通じて活動量と人との関わりを保ち、認知機能と生活機能の変化を継続的に把握する。
- 介護予防訪問型サービス:自宅での生活の様子(服薬・食事・整理整頓等)を継続的に把握し、本人ができる範囲を保ちながら必要な支援を整える。
- 地域包括支援センター:民生委員・自治会・近隣等と連携し、本人を中心とした見守り体制を整える。必要に応じて主治医・もの忘れ外来等の医療職と情報を共有する。
- 地域支援事業(通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動):本人が安心して参加できる場の情報を共有し、見学の同行や継続参加を支援する。
MCI(軽度認知障害)と診断された場合
主治医からMCI(軽度認知障害)の指摘を受け、ご本人やご家族が「これから何をしたらよいか」と相談に来られた場面の文例です。生活機能・活動量・社会参加の3本柱で書くと整理しやすい場面です。
総合的課題の文例
- 主治医からMCI(軽度認知障害)の指摘を受け、本人・家族ともに今後の生活への不安を感じているため、活動量と社会参加・医療連携を整えながら、これまでの生活を続けられるよう支援することが課題となっている。
- もの忘れに本人が気づき始めており、生活全体への影響は限定的であるが、今ある力を保つ取り組みを生活の中に位置づけ直すことが必要となっている。
- MCIの指摘を受けたあとも本人の生活力は保たれているため、運動・人との関わり・楽しみのある活動を生活の中に保つ取り組みが課題となっている。
- 本人と家族が認知機能の変化への向き合い方を整えていく時期にあり、医療職と連携しながら継続的に状態を把握し、本人の意思を尊重した支援を整えることが必要となっている。
長期目標の文例
- これまでの生活を、自分のペースで続けることができる。
- 運動・人との関わり・楽しみのある活動を、生活の中に持ち続けることができる。
- 主治医と定期的に相談しながら、自分の状態に合わせた生活を続けることができる。
- 家族と話し合いながら、これからの生活の準備を自分のペースで整えることができる。
短期目標の文例
- 週1回以上、運動を取り入れた活動や通いの場に参加することができる。
- 週1回以上、人と顔を合わせて話す機会を持つことができる。
- 自分の体調や気分の変化を、家族や主治医に相談しながら過ごすことができる。
- 自宅でできる頭と体を使う活動(家事・趣味・運動等)を生活の中に持つことができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:自宅でできる運動(散歩・体操等)を、自分のペースで続ける。
- 本人:趣味や関心のある活動(読書・園芸・手芸・音楽等)を生活の中に持つ。
- 本人:定期的に主治医を受診し、自分の状態を把握しながら生活する。
- 家族:本人の力を尊重し、できることを代わりにやり過ぎない関わりを意識する。
- 家族:本人と一緒に今後の生活の希望(医療・財産管理・住まい等)を、本人のペースで話し合う。
- 地域:通いの場・認知症カフェ等の情報を共有し、本人と家族が安心して参加できる場とつなぐ。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:通所での運動・活動・人との関わりを通じて、活動量と社会参加を保ち、状態の変化を継続的に把握する。
- 地域支援事業(通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動):本人と家族が安心して参加できる場の情報を共有し、継続参加を支援する。
- 地域包括支援センター・ケアマネジャー:主治医・もの忘れ外来等の医療職と情報を共有し、状態の変化に応じた支援を継続的に整える。
- 介護予防訪問型サービス:必要に応じて自宅での生活の様子を継続的に把握し、本人ができることを保つ関わりを続ける。
認知機能低下にうつ傾向が重なっている場合
もの忘れと気分の落ち込みが重なり、外出と人との関わりが減ってきた方の文例です。医療連携と社会参加の両面で書くのがポイントです。
総合的課題の文例
- 認知機能の変化と気分の落ち込みが重なり、外出と人との関わりが減ってきているため、医療職と連携しながら本人のペースで活動と社会参加を取り戻す支援が必要となっている。
- もの忘れへの不安と意欲の低下が重なり、自宅で過ごす時間が長くなっているため、本人の意向を尊重しながら無理のない関わりの機会を整えることが課題となっている。
- 気分の落ち込みが続いており、活動量と社会的なつながりがともに低下しつつあるため、主治医との連携と生活リズムの立て直しを並行して進めることが必要となっている。
- 認知機能の変化と気分の不調により生活全体への意欲が低下しているため、本人ができる範囲の活動と、医療・地域・家族の支援を組み合わせて支えることが課題となっている。
長期目標の文例
- 自分のペースで、人と関わる時間を生活の中に持ち続けることができる。
- 主治医と相談しながら、自分の体調と気分に合わせた生活を続けることができる。
- 自宅と地域の両方で、無理のない範囲で活動を続けることができる。
短期目標の文例
- 週1回は、人と顔を合わせて話す機会を持つことができる。
- 自宅での生活リズム(起床・食事・休息等)を、家族や支援者の支援を受けながら整えることができる。
- 気分や体調の変化について、家族・ケアマネ・主治医に相談しながら過ごすことができる。
- 通所サービスや通いの場に、本人のペースで参加することができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:朝・昼・夜の生活リズムを意識し、活動と休息の両方を持つ。
- 本人:定期的に主治医を受診し、体調や気分の変化を伝える。
- 本人:以前から続けていた趣味や関心のある活動を、今の体調に合わせて取り戻す。
- 家族:本人の話に耳を傾け、活動や外出を急かさず、本人のペースを尊重する。
- 家族:気分や体調の変化に気づいた時は、ケアマネ・主治医に早めに相談する。
- 地域:民生委員・通いの場・近隣等と連携し、本人の状況に合わせた声かけの機会をつくる。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:定期的な通所を通じて、無理のないペースで人と関わる時間と活動量を確保し、本人の状態の変化を継続的に把握する。
- 介護予防訪問型サービス:自宅での生活リズム・活動・体調の様子を継続的に把握し、本人ができることを保ちながら支える。
- 地域包括支援センター・ケアマネジャー:気分・意欲・生活リズムの変化を継続的に把握し、主治医・もの忘れ外来等と情報を共有する。気分の落ち込みが続く場合は受診や相談につなげる(医療的な判断が必要な場合は主治医に相談する)。
- 地域支援事業(通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動):本人が安心して参加できる場の情報を共有し、必要に応じて参加までの同行を行う。
家族と同居・本人の認知機能が低下しつつある場合
家族と同居しているものの、認知機能の変化が進みつつあり、家族の関わりと本人の自立支援のバランスが課題になる場面の文例です。
総合的課題の文例
- 家族と同居しているが認知機能の低下が進みつつあり、家族の負担と本人の自立支援のバランスを整えながら、本人ができる範囲を保つ支援が課題となっている。
- 本人の生活力が少しずつ低下してきているため、家族と一緒にできること・できにくくなってきたことを整理し、必要な支援を生活の中に組み合わせることが必要となっている。
- 家族の支援に頼る場面が増えてきているなかで、本人の役割と意欲を保てるよう、本人主体の関わりを意識した支援が課題となっている。
- 認知機能の変化に対する家族の不安が強くなってきているため、医療・介護・地域の連携を整え、本人と家族の両方を支える仕組みを作ることが必要となっている。
長期目標の文例
- 本人ができることを生活の中に保ち、家族と一緒に住み慣れた自宅で暮らし続けることができる。
- 本人の役割や楽しみを生活の中に持ち、自分のペースで過ごすことができる。
- 家族と支援者の関わりを受けながら、安心して暮らし続けることができる。
短期目標の文例
- 自分でできる家事(簡単な調理・洗濯・身の回りの整理等)を、無理のない範囲で続けることができる。
- 通所サービスや通いの場に、週1回以上参加することができる。
- 服薬や予定の管理に、家族や支援者の支援を受けながら取り組むことができる。
- 体調や気分の変化を、家族や支援者と一緒に確認しながら過ごすことができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:自分でできる家事や活動を、生活の中に意識して残す。
- 本人:通いの場や通所サービスに参加し、人と関わる時間を保つ。
- 本人:以前から続けていた趣味や関心のある活動を、自分のペースで続ける。
- 家族:本人ができることを尊重し、代わりにやり過ぎない関わりを意識する。
- 家族:本人の状態の変化に気づいた時は、ケアマネ・主治医に早めに相談する。
- 家族:家族自身も無理を抱え込まず、家族向け相談(地域包括・認知症カフェ・家族会等)を活用する。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:定期的な通所を通じて活動量と人との関わりを保ち、家族の介護負担の軽減(レスパイト)にもつなげる。
- 介護予防訪問型サービス:自宅での生活の様子を継続的に把握し、本人ができる範囲を保ちながら必要な支援を整える。
- 地域包括支援センター・ケアマネジャー:本人と家族の状態を継続的に把握し、主治医・もの忘れ外来等と情報を共有する。家族向け相談・認知症カフェ・家族会等の情報も共有する。
- 地域支援事業(通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動):本人と家族が安心して参加できる場の情報を共有し、地域とのつながりを保つ支援を行う。
認知症初期で介護拒否がある場合
認知症の初期で、介護サービスの利用やケアマネの関わりに抵抗を感じている方の文例です。本人の意思尊重と関係づくりを軸に書くのがポイントです。
総合的課題の文例
- 認知機能の変化が見られ始めているが、本人がサービス利用に抵抗を感じているため、本人の意思を尊重しながら、信頼関係を築き支援を受け入れやすい形で整えることが課題となっている。
- 本人が「自分でできる」という思いを大切にしている時期にあるため、本人の力を活かす関わりを優先し、必要な支援を本人と一緒に少しずつ整えていくことが必要となっている。
- サービス利用への抵抗が強い一方で、生活上の困りごとが少しずつ増えてきているため、本人と家族の意向を聞きながら、無理のない形で支援を組み立てることが課題となっている。
- 本人の生活歴・価値観・関心を踏まえた関わりを通じて、本人が安心して支援を受け入れられる関係を作ることが必要となっている。
長期目標の文例
- 自分の意思を尊重されながら、住み慣れた自宅で生活を続けることができる。
- 本人のペースで、必要な支援を生活の中に少しずつ取り入れることができる。
- 信頼できる支援者と関わりながら、自分らしく暮らし続けることができる。
短期目標の文例
- ケアマネや支援者と顔を合わせ、自分の希望や困りごとを話す機会を持つことができる。
- 本人が興味を持てる活動(趣味・通いの場・地域行事等)に、自分のペースで参加することができる。
- 体調や生活の変化を、家族やケアマネに相談しながら過ごすことができる。
- 自分でできることを生活の中に保ちながら、必要な支援を少しずつ受け入れることができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:自分の希望や困りごとを、家族やケアマネに自分の言葉で伝える。
- 本人:興味のある活動や場に、見学からでも参加してみる。
- 本人:体調や生活で気になることがあった時は、家族や支援者に相談する。
- 家族:本人の意思を尊重し、サービス利用を急かさず、本人のペースを大切にする。
- 家族:本人の生活歴・価値観・関心を支援者に伝え、本人に合った関わりを一緒に整える。
- 地域:民生委員・近隣・認知症サポーター等と連携し、本人が安心できる関係づくりを支える。
サービスでの援助内容の文例
- 地域包括支援センター・ケアマネジャー:本人の生活歴・価値観・関心を踏まえ、信頼関係づくりを優先した関わりを継続する。本人が受け入れやすい形でサービス利用の選択肢を一緒に整える。
- 介護予防通所型サービス:見学・体験利用から始め、本人が安心して通える形を一緒に整える。本人の関心に合う活動を取り入れ、人との関わりを保つ。
- 地域支援事業(通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動):本人が抵抗なく参加できる場の情報を共有し、見学からの参加を支援する。
- 必要に応じて、主治医と連携し、本人の状態と意向を踏まえた支援の方向を検討する(医療的な判断が必要な場合は主治医に相談する)。
要支援2・地域活動から遠ざかっている場合
要支援2の方で、以前は地域活動に参加していたが、近年は遠ざかっている方の文例です。本人の関心と地域資源を再びつなぐ視点で書きます。
総合的課題の文例
- 以前は地域活動に参加していたが、近年は遠ざかっており、人との関わりと活動量が低下してきているため、本人の関心に合う場とつなぎ直し、認知機能と生活機能の維持を図ることが課題となっている。
- 地域とのつながりが希薄になりつつあり、もの忘れの自覚も少しずつ出てきているため、本人が安心して参加できる場と医療連携を組み合わせて整えることが必要となっている。
- 運動・人との関わり・楽しみのある活動が生活の中で減ってきており、認知機能低下の進行を緩やかにする取り組みを生活に位置づけ直すことが課題となっている。
- 本人の関心や経験を活かせる場とつなぎ、地域の中での役割と楽しみを取り戻すことが必要となっている。
長期目標の文例
- 自分の関心に合う場に、自分のペースで参加し続けることができる。
- 運動・人との関わり・楽しみのある活動を、生活の中に持ち続けることができる。
- 地域の中に顔見知りや行きつけの場所を持ち、安心して暮らし続けることができる。
短期目標の文例
- 通いの場や地域活動に、月2回以上参加することができる。
- 自宅でできる運動や趣味を、自分のペースで続けることができる。
- 主治医や支援者と相談しながら、自分の体調と認知機能の変化を把握しながら過ごすことができる。
- 初回の見学や参加に、家族や支援者と一緒に出かけることができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:関心のある通いの場や地域活動に、見学から参加してみる。
- 本人:自宅でできる運動・趣味・家事等を、自分のペースで続ける。
- 本人:定期的に主治医を受診し、自分の体調と認知機能の変化を把握する。
- 家族:見学や初回参加に同行し、本人が安心して参加できるよう支える。
- 家族:本人の関心や経験を踏まえ、続けやすい場や活動の情報を一緒に探す。
- 地域:自治会・通いの場の運営者・民生委員・認知症サポーター等と連携し、本人が参加しやすい配慮を共有する。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:通所での運動・活動を通じて活動量と人との関わりを保ち、自宅でも続けられる活動を本人と一緒に考える。
- 地域支援事業(通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動):本人の関心と地域資源をつなぎ、参加までの見学・同行・継続参加を支援する。
- 地域包括支援センター:地域の通いの場・認知症カフェ・趣味のサークル等の情報を継続的に把握し、本人に合う場の選択肢を一緒に整える。
- 介護予防訪問型サービス:自宅での生活の様子を継続的に把握し、本人ができることを保ちながら、地域参加への準備を一緒に整える。
ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)
すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。
コツ1:「もの忘れの改善」ではなく「今ある力を保つ」を目標に書く
❌ 認知機能訓練により、もの忘れの改善を図る。
⭕ 運動・人との関わり・楽しみのある活動を、生活の中に持ち続けることができる。
📝 認知機能低下予防は「治す」ことを目的にした取り組みではありません。「治る」「改善する」と書いてしまうと、本人・家族の期待と実際のサービス内容にずれが生じ、評価もしにくくなります。研究上も「進行を遅らせる可能性」までは言及できますが、断定的な改善は避けるのが現場感覚に合います。本人の暮らしの中で「続けられる」を主語にすると、自立支援の趣旨に沿った文になります。
コツ2:認知機能低下予防は「運動」「人との関わり」「楽しみのある活動」の3本柱で書く
📝 「認知機能訓練」とひとくくりに書くと、生活との接点が見えなくなります。厚生労働省『介護予防マニュアル 第4版』でも、認知機能低下予防は単独のプログラムではなく、運動・社会参加・栄養・口腔等と組み合わせた複合的な取り組みが推奨されています。プランの中では「運動を続ける」「人と関わる時間を持つ」「楽しみのある活動を生活に位置づける」の3本柱で具体策を書き分けると、評価しやすく本人主体のプランになります。
コツ3:医療連携の視点を援助内容に必ず一行入れる
📝 認知機能の変化は、医療的な評価(もの忘れ外来・主治医・神経内科等)と組み合わせて把握することが大切です。予防プランの援助内容に「主治医・もの忘れ外来等と情報を共有する」「気分・体調の変化を継続的に把握し、必要に応じて医療職と連携する」という一文を入れておくと、医療連携の入り口として機能します。MCIや初期の段階こそ、医療連携の動線を整えておくことが本人・家族の安心につながります。
コツ4:介護拒否がある場合は「サービス導入」より「関係づくり」を先に書く
❌ 介護予防通所型サービスの利用により、認知機能の維持を図る。
⭕ 本人の生活歴・価値観・関心を踏まえ、信頼関係づくりを優先した関わりを継続する。
📝 認知症初期で介護拒否がある場面では、サービス利用を急いで書き込むと、本人の意思と支援内容にずれが生じます。「見学・体験から始める」「本人の関心に合う場をまず探す」「ケアマネが顔を合わせる機会を継続する」など、関係づくりを優先した文を入れると、本人主体の支援になります。
コツ5:家族同居の場合は「家族の負担軽減」も一行入れておく
📝 認知機能の変化が進みつつある方を同居家族が支えている場合、本人への支援だけを書くと、家族の疲弊が見えなくなります。介護予防通所型サービスの援助内容に「家族の介護負担の軽減(レスパイト)にもつなげる」、地域包括支援センターの援助内容に「家族向け相談・認知症カフェ・家族会等の情報を共有する」という一文を入れておくと、家族支援の入り口として機能します。家族が倒れると本人の生活も崩れます。家族支援は本人支援の一部です。
運営指導で見られやすいポイント
- 目標が本人を主語にして書かれ、「もの忘れの改善」など断定的な表現になっていないか。
- 認知機能低下予防が、運動・社会参加・楽しみのある活動等と組み合わせた複合的な取り組みとして書かれているか。
- サービス名称が保険者の運用に合っているか(旧称「介護予防通所介護」は使わず、現行の「介護予防通所型サービス」で記載されているか)。
- 介護保険サービスだけで完結させず、地域支援事業の通いの場・認知症カフェ・住民主体の活動・インフォーマル資源との組み合わせが書かれているか。
- 主治医・もの忘れ外来等の医療連携の視点が、援助内容に反映されているか。
- 介護拒否や同居家族の負担等、本人と家族の状況に応じた支援の組み立てが書き分けられているか。
現場のひとこと
認知機能低下予防の話は、ご本人にとって「これまでの自分の暮らしを続けたい」という願いとほぼ重なっています。「認知症を予防しましょう」と直接お伝えしても、なかなか心には届きません。「これまで楽しみにされてきたことは何ですか」「最近、人と会う機会はありますか」「ご自宅で続けたい家事はありますか」と暮らしの話から入ると、ご本人の関心とこれからの支援の方向が自然と見えてきます。文例を選ぶときも、目の前のご本人が「何を続けたいのか」「誰と関わっていたいのか」を一行書き出してから当てはめると、本人主体のプランに整っていきます。認知機能の欄は、ご本人の「これまで」と「これから」をつなぐ場所だと感じています。
※介護予防サービス計画書の様式や、認知機能低下予防を支援する各サービスの名称・適用可否・運用方法、加算の算定要件等は、ご本人の状態や保険者(市町村)の判断、地域支援事業の実施状況によって異なる場合があります。文例はあくまで参考とし、ご本人の状態と保険者の運用に合わせて整えてお使いください。
(参考:厚生労働省『介護予防マニュアル 第4版』(令和4年3月)、厚生労働省『認知症施策推進大綱』(令和元年6月18日 認知症施策推進関係閣僚会議決定))
※本記事は一般的な情報提供であり、個別事例の判断は地域包括支援センター・保険者にご確認ください。
※期間や保険適用の可否は、ご本人の状態や保険者(市町村)の判断によって異なります。
この記事を書いた人
現役のケアマネジャー。社会福祉士として福祉の現場に20年携わり、ご本人とご家族の支援を続けてきました。所長として行政の運営指導(旧・実地指導)に対応する立場から、現場で本当に使える文例を整理しています。実在の利用者情報は使わず、すべて一般化した架空の文例として掲載しています。


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