「介護予防サービス計画書の社会参加の欄、外出の機会が減ってきた方にどう書けば自立支援になるのか」——そんなときに使える、介護予防サービス計画書(予防プラン)の「閉じこもり予防・社会参加促進」を支援する場面の文例を集めました。気になる行をコピーして、ご本人の状態に合わせて整えてお使いください。
予防プランは、要支援1・2の方や、地域支援事業(総合事業)の対象になる方を対象に作るケアプランです。介護保険のケアプラン(第1〜3表)とは様式が異なり、「アセスメント領域と現在の状況」「本人・家族の意欲・意向」「領域における課題(背景・原因)」「総合的課題」「課題に対する目標と具体策の提案」「具体策についての意向(本人・家族)」「目標」「目標についての支援のポイント」「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス」「介護保険サービスまたは地域支援事業」「サービス種別」「事業所」「期間」といった欄が並びます。
※介護予防支援の標準様式では「目標」は原則一本化されています。保険者によっては運用上「長期目標/短期目標」を併記する場合があるため、本記事では便宜的に長期目標・短期目標の文例を分けて掲載しますが、お住まいの保険者の様式・運用に合わせて書き分けてください。
このページでは、閉じこもり予防・社会参加を支援するときに、それぞれの欄に書ける文例を場面別に整理しました。
書くときの前提を、先に3つだけ。
- 閉じこもり予防は「外に出る回数」だけを増やす取り組みではなく、「人と関わる機会」「役割を持つ機会」「楽しみのある外出先」を生活の中に取り戻す取り組み。
- 目標は本人を主語にして、「行きつけの場所に通い続けられる」「気の合う人と話を続けられる」など、本人の暮らしに引きつけて書く。
- 社会参加は介護予防通所型サービスだけでなく、地域支援事業の通いの場・住民主体の活動・趣味のサークル・自治会・ボランティア等の多様な資源が選択肢になる。誰と・どこに・どう関わるかを意識して具体策を書く。
外出機会の減少がみられる場合
加齢や体力低下に伴い、週単位での外出回数が減ってきた方の文例です。要支援1・2で「閉じこもり予防」を位置づける場面で、もっとも基本となる場面です。
総合的課題の文例
- ここ半年で外出の機会が減り、週に1回程度の通院以外は自宅で過ごす日が続いているため、活動量と社会的なつながりを保つことが課題となっている。
- 体力低下と外出への不安が重なり、自宅にこもりがちな日が増えているため、無理のない範囲で外出機会を取り戻す取り組みが必要となっている。
- 近所での立ち話や買い物等の日常的な外出が減ってきており、生活範囲が縮小しつつあるため、楽しみのある外出先を生活の中に位置づけ直すことが課題となっている。
- 外出回数の減少と活動量の低下が重なり、フレイル進行や生活機能のさらなる低下が懸念されるため、社会参加と活動量の両面から支援することが必要となっている。
長期目標の文例
- 週に2回以上、自分の楽しみのある場所に出かけることができる。
- 身近な地域での外出を続け、生活範囲を保って暮らすことができる。
- 気の合う人と顔を合わせる機会を、生活の中に持ち続けることができる。
- 外出への不安を減らし、自分のペースで地域に出かけることができる。
短期目標の文例
- 週に1回は、通いの場やサロン等に参加することができる。
- 近所への買い物や散歩を、週2回以上続けることができる。
- 通所サービス利用日に欠席せず、人と関わる時間を持つことができる。
- 外出時の不安について、家族やケアマネに相談しながら準備を整えることができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:週1回の通いの場や地域のサロンへの参加を、生活の予定に組み込む。
- 本人:近所への散歩や買い物等、短時間の外出を週2回以上続ける。
- 本人:体調や天候に合わせて、無理のない範囲で外出先と時間を選ぶ。
- 家族:外出の予定を一緒に確認し、必要に応じて送迎や付き添いを行う。
- 家族:本人が出かけやすい服装・履物・持ち物の準備を一緒に整える。
- 地域:近隣・自治会・民生委員等と連携し、通いの場や地域行事の情報を共有する。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:定期的な通所を通じて活動量と社会的なつながりを確保し、自宅でも続けられる外出習慣の整え方を本人と一緒に考える。
- 地域支援事業(通いの場・住民主体の活動):本人の関心に合う通いの場の情報を共有し、参加までの同行や見学を支援する。
- 介護予防訪問型サービス:外出に向けた準備(持ち物の確認・身支度等)を一緒に行い、外出への不安を和らげる関わりを継続する。
- 地域包括支援センター:自治会・民生委員・近隣等のインフォーマルな資源と連携し、本人が無理なく地域とつながれる仕組みを整える。
配偶者との死別後・喪失体験後に閉じこもり傾向がある場合
配偶者や近しい方との死別後、外出と人との関わりが減ってきた方の文例です。喪失体験を尊重しながら、本人のペースで関係性を取り戻す書き方がポイントです。
総合的課題の文例
- 配偶者との死別後、外出と人との関わりが減り、自宅で過ごす時間が長くなっているため、本人のペースで社会的なつながりを取り戻すことが課題となっている。
- 近しい方との死別後、生活リズムと外出機会が変化し、活動量の低下と気分の落ち込みが重なってきているため、本人の意向を尊重しながら関わりの機会を整えることが必要となっている。
- 喪失体験後の生活の立て直しの時期にあり、無理のない範囲で人と関わる場と外出の機会を持てるよう支えることが課題となっている。
- 以前は地域の活動に参加していたが、近年は遠ざかっており、本人の意欲に合わせて再びつながれる場を一緒に考えることが必要となっている。
長期目標の文例
- 自分のペースで、人と関わる時間を生活の中に持ち続けることができる。
- 気の合う人や行きつけの場所と、無理のない形でつながり続けることができる。
- 以前の趣味や活動を、自分の今の体調に合わせて続けることができる。
短期目標の文例
- 週に1回は、人と顔を合わせて話す機会を持つことができる。
- 通いの場や地域のサロン等を、見学からでも始めることができる。
- 自宅での生活リズムを整え、活動と休息の両方を持つことができる。
- 気分や体調について、家族やケアマネに相談しながら過ごすことができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:見学からでも構わないので、地域の通いの場やサロンに足を運ぶ機会を持つ。
- 本人:以前から続けていた趣味や活動を、今の体調に合わせた形で取り戻す。
- 本人:朝・昼・夜の生活リズムを意識し、活動と休息の両方を持つ。
- 家族:本人の話に耳を傾け、外出や活動を急かさず、本人のペースを尊重する。
- 家族:定期的に連絡を取り、必要に応じて訪問や食事の機会を持つ。
- 地域:民生委員・自治会・友人等と連携し、本人の状況に合わせた声かけの機会をつくる。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:定期的な通所を通じて、無理のないペースで人と関わる時間を確保し、本人の状態の変化を継続的に把握する。
- 地域支援事業(通いの場・住民主体の活動):本人の関心や以前の活動歴を踏まえ、参加しやすい場の情報共有と見学の同行を行う。
- 地域包括支援センター・ケアマネジャー:本人の気分・意欲・生活リズムの変化を継続的に把握し、必要に応じて主治医・専門職と情報を共有する。
- 必要に応じて、主治医と連携し、気分の落ち込みが続く場合の受診や相談につなげる(医療的な判断が必要な場合は主治医に相談する)。
独居で地域とのつながりが希薄な場合
独居で、近隣・親族・地域との関わりが少ない方の文例です。安否確認の視点と社会参加の視点を分けて書くと整理しやすい場面です。
総合的課題の文例
- 独居で日常的に関わる人が少なく、人と話す機会が週単位で限られているため、社会的なつながりを保つ取り組みが課題となっている。
- 近隣・親族との関わりが少ない状態が続いており、体調変化への気づきと社会参加の両面から、地域の見守り体制を整えることが必要となっている。
- 地域行事や通いの場への参加経験が少なく、外出機会が通院に限られているため、本人が安心して参加できる場を一緒に探すことが課題となっている。
- 独居での生活が長く、人と関わる場面が減ってきているため、無理のない範囲で地域とつながり直す機会を持つことが必要となっている。
長期目標の文例
- 身近な地域に、顔を合わせて話せる人を持ち続けることができる。
- 通いの場や地域行事に、自分のペースで参加し続けることができる。
- 体調や生活の変化に気づいてもらえる関係を、地域の中に持つことができる。
短期目標の文例
- 週に1回以上、地域の通いの場や活動に参加することができる。
- 近隣・民生委員等、身近な見守りの関係を1つ以上持つことができる。
- 困りごとがあった時に相談できる相手(家族・地域包括等)を明確にすることができる。
- 通所サービス利用日に、他の利用者や職員と会話する機会を持つことができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:近隣の通いの場や地域のサロン等、徒歩や送迎で通える場所への参加を続ける。
- 本人:困りごとがあった時に相談する相手(地域包括・ケアマネ・親族等)を、連絡先と一緒に整理する。
- 本人:日常の挨拶や立ち話など、近隣との小さな関わりを大切にする。
- 家族(遠方):定期的に電話や訪問で連絡を取り、体調や生活の様子を継続的に把握する。
- 地域:民生委員・自治会・近隣等と連携し、見守りと声かけの仕組みを整える。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:定期的な通所を通じて社会的なつながりと活動量を確保し、独居での生活変化を継続的に把握する。
- 地域支援事業(通いの場・住民主体の活動):本人が参加しやすい近隣の場の情報を共有し、見学の同行や初回参加の付き添いを行う。
- 地域包括支援センター:民生委員・自治会・近隣等と連携し、本人を中心とした見守り体制を整える。
- 介護予防訪問型サービス:自宅での生活の様子を継続的に把握し、外出や地域参加への準備を一緒に整える。
通いの場・サロン等への参加を一緒に位置づける場合
地域支援事業の通いの場や住民主体の活動を予防プランに位置づける場面の文例です。本人の関心と地域資源をつなぐ視点で書くと整理しやすい場面です。
総合的課題の文例
- 以前は地域活動に参加していたが、現在は機会が減っているため、本人の関心に合う通いの場と再びつながり、活動量と社会参加を保つことが課題となっている。
- 通いの場やサロンに関心はあるものの、初めての場への参加に不安を感じているため、見学や同行の段階から無理なく参加できる支援が必要となっている。
- 地域資源の情報が本人に届きにくい状況にあり、本人の関心に合う場を一緒に探し、参加を継続できる形に整えることが課題となっている。
- 運動・趣味・会食等、本人が続けやすい活動を取り入れた場とつながり、生活の中に楽しみと役割を持つことが必要となっている。
長期目標の文例
- 自分の関心に合う通いの場に、定期的に参加し続けることができる。
- 地域の活動を通じて、気の合う仲間と顔を合わせる機会を持ち続けることができる。
- 趣味や運動など、自分の楽しみを生活の中に持ち続けることができる。
短期目標の文例
- 通いの場やサロンに、月2回以上参加することができる。
- 初回の見学や参加に、家族や支援者と一緒に出かけることができる。
- 参加を続ける中で、顔見知りの相手を地域の中に持つことができる。
- 参加の頻度や内容を、自分の体調に合わせて調整することができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:関心のある通いの場やサロンに、見学から参加してみる。
- 本人:参加の頻度や内容を、自分の体調と生活リズムに合わせて調整する。
- 本人:参加先で出会う人との関わりを、無理のない範囲で大切にする。
- 家族:見学や初回参加に同行し、本人が安心して参加できるよう支える。
- 家族:参加後の本人の様子や感想を確認し、続けやすい形を一緒に考える。
- 地域:自治会・通いの場の運営者・民生委員等と連携し、本人が参加しやすい配慮を共有する。
サービスでの援助内容の文例
- 地域支援事業(通いの場・住民主体の活動):本人の関心と地域資源をつなぎ、参加までの見学・同行・継続支援を行う。
- 介護予防通所型サービス:通所での活動を通じて、地域での社会参加に向けた体力・意欲を整える。
- 地域包括支援センター:地域の通いの場・サロン・趣味のサークル等の情報を継続的に把握し、本人に合う場の選択肢を一緒に整える。
- 介護予防訪問型サービス:参加に向けた準備(持ち物・身支度・移動手段等)を本人と一緒に整え、参加を続けやすい形にする。
役割の喪失・意欲低下がみられる場合
退職・家族構成の変化等で生活の中の役割が減り、意欲が低下してきた方の文例です。「役割を持つ」視点で書くのがポイントです。
総合的課題の文例
- 退職や家族構成の変化に伴い生活の中の役割が減り、外出や活動への意欲が低下してきているため、本人の経験や関心を活かせる場を生活の中に位置づけ直すことが課題となっている。
- 家事や地域活動など、これまで担ってきた役割が減ってきており、生活全体の意欲低下にもつながっているため、本人ができる範囲の役割を保つ取り組みが必要となっている。
- 外出と人との関わりが減るなかで、生活の張りが低下しつつあるため、本人の関心や経験を活かせる活動と社会参加の機会を整えることが課題となっている。
- 本人ができる家事・地域活動・趣味等を生活の中に位置づけ、自立支援と社会参加を一体的に支えることが必要となっている。
長期目標の文例
- 自分にできる家事や活動を、生活の中に持ち続けることができる。
- 自分の経験や関心を活かせる場に、自分のペースで関わり続けることができる。
- 生活の中に楽しみと役割を持ち、自宅での生活を続けることができる。
短期目標の文例
- 自分でできる家事(簡単な調理・洗濯・庭の手入れ等)を、無理のない範囲で続けることができる。
- 通いの場や地域活動に、月1回以上参加することができる。
- 自分の関心のある活動(趣味・ボランティア等)を、生活の中に取り入れることができる。
- 体調と意欲の変化に気づき、家族やケアマネに相談しながら続けることができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:自分でできる家事や活動を、生活の中に意識して残す。
- 本人:以前から続けていた趣味や関心のある活動に、自分のペースで取り組む。
- 本人:体調と気分に合わせて、活動と休息を組み合わせる。
- 家族:本人ができる家事や活動を尊重し、代わりにやり過ぎない関わりを意識する。
- 家族:本人の関心や経験を踏まえ、新しい活動の情報を一緒に探す。
- 地域:通いの場・自治会・ボランティア活動等で、本人の経験を活かせる役割の情報を共有する。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:通所での活動を通じて意欲と活動量を保ち、自宅でも続けられる役割や活動を本人と一緒に考える。
- 地域支援事業(通いの場・住民主体の活動):本人の関心や経験に合う場とつなぎ、地域の中での役割を持てるよう支援する。
- 介護予防訪問型サービス:自宅でできる家事や活動を本人と一緒に整理し、本人ができる範囲を保ちながら生活を支える。
- 地域包括支援センター:地域の活動・ボランティア・趣味のサークル等の情報を継続的に把握し、本人の関心に合う選択肢を一緒に整える。
外出への不安・転倒不安がある場合
転倒経験や体力低下から、外出に不安を感じている方の文例です。運動器と社会参加の両面で書くと整理しやすい場面です。
総合的課題の文例
- 転倒経験や体力低下により外出への不安が強くなっており、自宅にこもりがちな日が増えているため、安心して外出できる方法を整えながら社会参加を保つことが課題となっている。
- 歩行への不安と外出機会の減少が重なり、活動量と社会的なつながりがともに低下しつつあるため、運動器の機能維持と社会参加を一体的に支援することが必要となっている。
- 外出時の転倒不安が活動範囲の縮小につながっているため、福祉用具や歩行の工夫を取り入れながら、安心して出かけられる環境を整えることが課題となっている。
- 天候や体調による外出のしづらさが続いており、自宅でできる活動と地域での活動を組み合わせて、活動量と社会参加を保つことが必要となっている。
長期目標の文例
- 自分のペースで、安心して地域に出かけることができる。
- 歩行や移動の不安を減らし、生活範囲を保って暮らすことができる。
- 自宅と地域の両方で、活動量と人との関わりを保つことができる。
短期目標の文例
- 歩行の工夫や福祉用具を取り入れ、安心して外出することができる。
- 週1回以上、通いの場や近所への外出を続けることができる。
- 自宅でできる運動を続け、外出に必要な体力を保つことができる。
- 体調や天候に合わせて、外出と自宅活動を組み合わせることができる。
本人・家族・地域でできる具体策の文例
- 本人:歩行に合う履物や杖等を取り入れ、安心して外出できる準備を整える。
- 本人:自宅でできる運動を続け、外出に必要な体力を保つ。
- 本人:体調や天候に合わせて外出先と時間を選び、無理のない範囲で続ける。
- 家族:外出時の同行や送迎を、必要な場面で行う。
- 家族:自宅での運動や活動を一緒に確認し、続けられる形を整える。
- 地域:通いの場や移動支援の情報を共有し、本人が安心して参加できる配慮を伝える。
サービスでの援助内容の文例
- 介護予防通所型サービス:通所での運動・活動を通じて運動器の機能を保ち、外出に必要な体力と意欲を整える。
- 地域支援事業(通いの場・住民主体の活動):本人が無理なく参加できる近隣の場とつなぎ、外出の習慣を保つ支援を行う。
- 介護予防訪問型サービス:自宅での歩行や生活動作を一緒に確認し、外出に向けた準備を整える。
- 福祉用具(介護予防福祉用具貸与・特定介護予防福祉用具販売):必要に応じて歩行補助具等を取り入れ、外出の安全を整える(対象種目・適用は本人の状態と保険者の判断による。杖など対象外種目は自費購入となる場合がある)。
ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)
すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。
コツ1:目標は「外出回数」ではなく「本人の暮らしの中の関わり」を主語に書く
❌ 週2回以上の外出により、閉じこもりの防止を図る。
⭕ 気の合う人と顔を合わせる機会を、生活の中に持ち続けることができる。
📝 「外出回数の増加」は手段、「人と関わる暮らしを続ける」がご本人にとっての目的です。回数だけを目標にすると、外出すること自体がプレッシャーになることもあります。本人の暮らしに引きつけて書くと、評価もしやすく主体性も伝わります。
コツ2:閉じこもりは「外に出ない」だけでなく「人と関わらない」「役割がない」状態として捉える
📝 「外出が減った」と一言で書いても、原因は人によって違います。体力・歩行への不安・喪失体験・気分の落ち込み・地域とのつながりの希薄化・役割の喪失・移動手段の問題など、背景を分解すると目標と具体策がずれません。たとえば「転倒不安で外出が減った」と「配偶者死別後に外出が減った」では、書くべき援助内容は大きく異なります。
コツ3:社会参加の場は「介護保険サービス」だけで完結させない
📝 社会参加の領域は、介護予防通所型サービスだけで完結させるのではなく、地域支援事業の通いの場・住民主体の活動・趣味のサークル・自治会・ボランティア・民生委員等のインフォーマル資源と組み合わせて書くと、自立支援の趣旨に沿いやすくなります。介護保険サービスは「卒業」を見据えて位置づけ、地域資源で生活を続けられる形を一緒に整えることが、予防プランの本質です。
コツ4:「社会参加の促進」と書き切らず、本人の関心と場をつなぐ書き方をする
❌ 社会参加の促進を図り、閉じこもりの予防を図る。
⭕ 本人の関心に合う通いの場の情報を共有し、見学からの参加を一緒に整える。
📝 「社会参加の促進」と書くと、支援者が主語の文になります。予防プランは「本人ができることを保つ・取り戻す」が出発点なので、「本人と一緒に整える」「本人のペースで続けやすい形にする」という書き方の方が、自立支援の趣旨に沿いやすくなります。
コツ5:気分の落ち込みが続く場合は、医療職との連携を意識する
📝 閉じこもり傾向の背景に、気分の落ち込みやうつ傾向が隠れている場合があります。本人の気分・睡眠・食欲・意欲の変化が続く場合は、ケアマネ・地域包括だけで抱えず、主治医への相談や受診につなげる視点を持ちましょう。予防プランの援助内容にも「気分・体調の変化を継続的に把握し、必要に応じて主治医と情報を共有する」という一文を入れておくと、医療連携の入り口として機能します。
運営指導で見られやすいポイント
- 目標が本人を主語にして書かれ、本人の暮らしに引きつけられているか。
- 閉じこもりの背景(体力・歩行・喪失体験・気分・地域とのつながり・役割の喪失等)のうち、どこに課題があるかが書き分けられているか。
- サービス名称が保険者の運用に合っているか(旧称「介護予防通所介護」は使わず、現行の「介護予防通所型サービス」で記載されているか)。
- 介護保険サービスだけで完結させず、地域支援事業の通いの場・住民主体の活動・インフォーマル資源との組み合わせが書かれているか。
- 気分の落ち込み等、医療的な背景が疑われる場合に、主治医との連携の視点が援助内容に反映されているか。
現場のひとこと
閉じこもりの話は、ご本人にとって「人と関わる楽しみ」の話とほぼ重なっています。「外に出かけましょう」と直接お伝えしても、なかなか足は動かないものです。「最近誰とお話ししましたか」「以前楽しみにしていたことはありますか」「行きつけの場所はありますか」と暮らしの話から入ると、ご本人の困りごとと関心が自然と見えてきます。文例を選ぶときも、目の前のご本人が「誰と関わり続けたいのか」「どこに居場所を持ちたいのか」を一行書き出してから当てはめると、本人主体のプランに整っていきます。社会参加の欄は、ご本人の暮らしの楽しみと地域とのつながりをつなげる橋渡しの場所だと感じています。
※介護予防サービス計画書の様式や、閉じこもり予防・社会参加を支援する各サービスの名称・適用可否・運用方法、加算の算定要件等は、ご本人の状態や保険者(市町村)の判断、地域支援事業の実施状況によって異なる場合があります。文例はあくまで参考とし、ご本人の状態と保険者の運用に合わせて整えてお使いください。
(参考:厚生労働省『介護予防マニュアル 第4版』(令和3年度・閉じこもり予防/社会参加を含む内容に統合)、厚生労働省老健局『介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて』)
※本記事は一般的な情報提供であり、個別事例の判断は地域包括支援センター・保険者にご確認ください。
※期間や保険適用の可否は、ご本人の状態や保険者(市町村)の判断によって異なります。
この記事を書いた人
現役のケアマネジャー。社会福祉士として福祉の現場に20年携わり、ご本人とご家族の支援を続けてきました。所長として行政の運営指導(旧・実地指導)に対応する立場から、現場で本当に使える文例を整理しています。実在の利用者情報は使わず、すべて一般化した架空の文例として掲載しています。


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