居宅療養管理指導は、ケアプラン第2表に書きにくいサービスの一つだと思います。
理由ははっきりしています。ケアマネジャーが「使いましょう」と決めるサービスではないからです。医師や薬剤師が必要と判断して行うもので、こちらは後から位置づけることが多い。だから「何をニーズに書けばいいのか」で手が止まります。
この記事では、職種別に140の文例をまとめました。そのままコピーして、利用者さんの状況に合わせて言葉を入れ替えて使ってください。

この記事の文例の並び方
場面ごとに、第2表の欄の順に並べています。
1行目:ニーズ(「〜したい」「〜してほしい」の形)
2行目:長期目標
3行目:短期目標
4行目以降:サービス内容
上から順にコピーすれば、そのまま第2表の1行分になります。場面によってサービス内容が2行以上あるので、必要なものを選んでください。
先に押さえておきたい3つのコツ
コツ1:区分支給限度基準額の対象外です
これがいちばん大事なところです。
介護保険法第43条は、区分支給限度基準額の対象になる「居宅サービス等区分」を厚生労働省令で定めるとしています。その中身が介護保険法施行規則第66条で、次の18種類が列挙されています。
訪問介護/訪問入浴介護/訪問看護/訪問リハビリテーション/通所介護/通所リハビリテーション/短期入所生活介護/短期入所療養介護/特定施設入居者生活介護(利用期間を定めて行うものに限る)/福祉用具貸与/定期巡回・随時対応型訪問介護看護/夜間対応型訪問介護/地域密着型通所介護/認知症対応型通所介護/小規模多機能型居宅介護/認知症対応型共同生活介護(利用期間を定めて行うものに限る)/地域密着型特定施設入居者生活介護/複合型サービス
この中に居宅療養管理指導はありません。つまり区分支給限度基準額の枠の外です。
これが分かっていると、限度額いっぱいまでサービスを組んでいる方でも、居宅療養管理指導は別枠で入れられます。逆に、限度額の計算に入れてしまうと、入るはずのサービスを削ることになります。
⚠️ 実際の給付管理の扱いは保険者によって案内が異なることがあります。迷ったら保険者か請求ソフトのサポートに確認してください。
コツ2:ニーズは「指導を受けたい」ではなく、その先を書く
やりがちなのが「薬剤師の指導を受けたい」というニーズです。これはサービス名を言い換えただけで、何のためかが抜けています。
書くべきは、指導の先にある生活です。
❌ 薬剤師の居宅療養管理指導を受けたい
⭕ 薬を飲み間違えずに、今の暮らしを続けたい
❌ 管理栄養士の指導を受けたい
⭕ 食事の量が減ってきたので、体重を戻して外出できるようになりたい
コツ3:頻度は「医師の指示による」と書ける
職種ごとに算定できる回数の上限がありますが、ケアプランに書く頻度は実際の訪問予定に合わせます。
まだ回数が確定していない段階なら、「月◯回(医師の指示による)」「主治医の指示による頻度」と書いておけば、後から変わっても矛盾しません。
医師・歯科医師による居宅療養管理指導(30文例)

通院が難しくなった方
- 通院の負担が大きくなってきたので、自宅で医師に診てもらいながら暮らしたい
- 自宅で医療の管理を受けながら、住み慣れた家での生活を続ける
- 月2回の訪問診療と療養指導を受け、通院の負担なく体調を管理できる
- 訪問診療にあわせて医師から療養上の指導を受け、生活上の注意点を家族と共有する
- 医師の指示による頻度で訪問を受け、服薬と食事の注意点について指導を受ける
病状が不安定な方
- 体調の波があるので、悪くなる前に気づいて対応してもらいたい
- 急な体調変化に早く気づき、入院せずに自宅で過ごす
- 医師の訪問時に血圧・体重・症状の記録を見てもらい、変化の兆しを早期に把握する
- 悪化のサインと受診の目安について医師から具体的な説明を受け、記録に残す
- 状態が変化したときの連絡先と手順を、医師・家族・介護支援専門員の間で確認しておく
服薬の管理が必要な方
- 飲んでいる薬が多いので、整理して減らせるものは減らしたい
- 薬の種類と飲む回数を整理し、負担なく続けられる形にする
- 医師から現在の処方の目的と優先順位について説明を受け、家族と共有する
- 飲み残しの状況を医師に伝え、処方の見直しについて相談する
- 服薬が難しくなってきた点を医師に相談し、剤形や回数の変更を検討してもらう
認知症の方
- 物忘れが進んできたので、家族が対応の仕方を知っておきたい
- 症状の進み方に合わせた関わり方を家族が理解し、在宅生活を続ける
- 医師から認知症の経過と今後想定される変化について説明を受ける
- 対応に困る場面について医師に相談し、家族が具体的な関わり方を身につける
- 症状の変化を記録して医師に伝え、必要に応じて専門医への受診を検討する
看取りの時期
- 最期まで自宅で過ごしたいので、そのための医療を受けたい
- 本人と家族が納得できる形で、自宅での療養を続ける
- 医師から今後予想される経過について説明を受け、本人と家族の希望を確認する
- 苦痛が出たときの対応について、あらかじめ医師と手順を決めておく
- 急変時の連絡方法と搬送の希望について、医師・家族・関係者で共有しておく
歯科医師
- 入れ歯が合わないので、食べられるものを増やしたい
- 口の状態を整え、食事を楽しめる状態を保つ
- 歯科医師の訪問を受け、義歯の調整と口腔内の確認をしてもらう
- 噛みにくい・飲み込みにくい状態について歯科医師に相談し、対応を検討する
- 歯科医師から口腔ケアの方法について指導を受け、家族が日常的に実施できるようにする
薬剤師による居宅療養管理指導(32文例)

薬の種類が多い方
- 薬が多くて管理しきれないので、整理を手伝ってほしい
- 薬を正しく管理し、飲み間違いなく過ごす
- 薬剤師の訪問を受け、服薬状況の確認と整理をしてもらう
- 薬剤師に飲み合わせを確認してもらい、必要に応じて医師への相談につなげる
- 一包化やお薬カレンダーの活用について薬剤師から提案を受け、本人に合う方法を選ぶ
- 残薬の状況を薬剤師に確認してもらい、処方の調整につなげる
飲み忘れがある方
- 飲み忘れが増えてきたので、確実に飲める方法を知りたい
- 飲み忘れを減らし、症状が安定した状態を保つ
- 薬剤師が服薬状況を確認し、飲み忘れが起きやすい時間帯と原因を把握する
- 生活のリズムに合わせた服薬タイミングを薬剤師と一緒に検討する
- 家族や訪問介護が声かけしやすいよう、薬剤師から具体的な手順を共有してもらう
- 服薬カレンダーへのセットを薬剤師が行い、飲み残しを目で確認できるようにする
飲み込みが難しい方
- 錠剤が飲みにくくなってきたので、飲みやすい形にしてほしい
- 無理なく薬を飲み続け、治療を中断しない
- 薬剤師に飲み込みの状況を確認してもらい、剤形の変更を医師へ提案してもらう
- 粉砕や簡易懸濁が可能かどうか薬剤師に確認し、安全な方法で服用する
- とろみ剤との併用について薬剤師から指導を受け、家族が実施できるようにする
副作用が心配な方
- 薬の副作用が心配なので、様子を見ていてほしい
- 副作用の兆しに早く気づき、安心して薬を続ける
- 薬剤師から副作用として現れやすい症状の説明を受け、家族が観察できるようにする
- 気になる症状が出たときの連絡先と判断の目安を、薬剤師と確認しておく
- ふらつきや眠気の有無を薬剤師に伝え、転倒予防の視点から処方を見直してもらう
医療用麻薬を使用している方
- 痛みを抑えながら、できるだけ普段どおりに過ごしたい
- 痛みが和らいだ状態を保ち、自宅での生活を続ける
- 薬剤師の訪問を受け、鎮痛薬の使用状況と痛みの程度を確認してもらう
- レスキュー薬の使い方について薬剤師から家族へ具体的に説明してもらう
- 薬の保管方法と使用記録の付け方について、薬剤師から指導を受ける
- 痛みの変化を記録し、薬剤師を通じて医師へ伝える流れを作っておく
家族が管理している場合
- 家族が薬の管理をしているので、正しくできているか確認してほしい
- 家族が負担なく薬の管理を続けられる
- 薬剤師から家族へ、管理の手順と注意点について具体的な説明を受ける
- 家族が判断に迷う場面を薬剤師に伝え、対応を整理してもらう
管理栄養士による居宅療養管理指導(30文例)

体重が減ってきた方
- 食が細くなって痩せてきたので、食べられるものを増やしたい
- 必要な栄養がとれる食事に整え、体重を維持する
- 管理栄養士の訪問を受け、実際の食事内容と量を確認してもらう
- 食べやすい形態や品目について管理栄養士から具体的な提案を受ける
- 体重と食事量を記録し、管理栄養士に見てもらいながら調整する
- 少量でも栄養がとれる食品や補助食品について管理栄養士から情報提供を受ける
糖尿病の方
- 血糖の値が気になるので、食事の内容を見直したい
- 食事の管理を続け、血糖値が安定した状態を保つ
- 管理栄養士から1日の適量と食事のとり方について指導を受ける
- 間食のとり方について管理栄養士に相談し、無理のない形を一緒に決める
- 調理を担う家族が実行しやすい献立になるよう、管理栄養士から提案を受ける
腎臓の病気がある方
- 食事の制限が難しいので、続けられる形を教えてほしい
- 必要な食事管理を続け、今の状態を保つ
- たんぱく質や塩分の量について管理栄養士から具体的な指導を受ける
- 普段使っている食材で実行できる方法を管理栄養士と一緒に検討する
- 外食や市販品を利用するときの選び方について、管理栄養士から助言を受ける
飲み込みが難しい方
- むせることが増えたので、安全に食べられるようにしたい
- むせずに食事ができ、肺炎を起こさずに過ごす
- 管理栄養士から食事の形態ととろみの程度について具体的な指導を受ける
- 調理担当者が同じ形態を再現できるよう、管理栄養士から手順を示してもらう
- 食事の姿勢と一口量について管理栄養士・家族・介護職で共有する
塩分・水分の管理が必要な方
- むくみが出やすいので、食事で調整できることを知りたい
- 塩分と水分の管理を続け、症状が落ち着いた状態を保つ
- 管理栄養士から1日の目安量について説明を受け、家族が把握する
- 味付けの工夫について管理栄養士から提案を受け、薄味でも食べられる形にする
- 水分摂取量の記録方法について管理栄養士から助言を受ける
家族が調理している場合
- 作る側の負担が大きいので、続けられる方法を知りたい
- 家族が無理なく食事の準備を続けられる
- 管理栄養士から市販品や配食サービスの活用について提案を受ける
- 調理の手間を減らしつつ栄養を確保する方法を、管理栄養士と一緒に考える
歯科衛生士等による居宅療養管理指導(26文例)
口の中の清潔を保ちたい方
- 自分では口の手入れが十分にできないので、きれいに保ちたい
- 口の中を清潔に保ち、気持ちよく食事ができる
- 歯科衛生士の訪問を受け、口腔清掃と清掃方法の指導を受ける
- 本人の状態に合った歯ブラシや用具について歯科衛生士から提案を受ける
- 毎日のケアの手順を歯科衛生士から家族・介護職へ具体的に伝えてもらう
- 口腔内の状態を定期的に確認してもらい、変化があれば歯科医師につなげる
誤嚥性肺炎を防ぎたい方
- 肺炎を繰り返しているので、口から予防できることをしたい
- 口腔内を清潔に保ち、肺炎を起こさずに過ごす
- 歯科衛生士から誤嚥を防ぐための口腔ケアの方法について指導を受ける
- 食後のケアの手順と時間帯について、歯科衛生士と関係者で確認する
- 舌や粘膜の清掃方法について歯科衛生士から実技を交えて指導を受ける
- 口腔内の乾燥について歯科衛生士に相談し、保湿の方法を教えてもらう
入れ歯を使っている方
- 入れ歯の手入れがうまくできないので、教えてほしい
- 入れ歯を清潔に保ち、食事をおいしく食べられる
- 歯科衛生士から義歯の洗浄方法と保管方法について指導を受ける
- 義歯が合っていないと感じる点を歯科衛生士に伝え、歯科医師の受診につなげる
- 義歯の着脱を家族が介助できるよう、歯科衛生士から手順を教わる
飲み込みの練習が必要な方
- むせるようになったので、口の動きを保ちたい
- 口や舌の動きを保ち、食事を続けられる状態でいる
- 歯科衛生士から口腔機能を保つための体操について指導を受ける
- 毎日続けられる回数と方法を、歯科衛生士と一緒に決める
- 実施状況を記録し、歯科衛生士に確認してもらいながら継続する
家族・介護職が実施する場合
- 家族がケアをしているので、やり方が合っているか見てほしい
- 家族が自信を持って口腔ケアを続けられる
- 歯科衛生士に実際の場面を見てもらい、手順の修正点を確認する
- 嫌がられたときの対応について歯科衛生士から具体的な助言を受ける
サービス内容欄に書ける共通の文例(22文例)

- 主治医の指示に基づく居宅療養管理指導(医師)
- 訪問診療にあわせた療養上の指導と、家族への説明
- 服薬状況の確認と、処方内容についての情報提供
- 薬剤師による服薬指導および服薬管理の支援
- 残薬の確認と、処方調整に向けた医師への情報提供
- 一包化・服薬カレンダーの活用に関する提案と実施
- 剤形変更の必要性についての確認と、医師への提案
- 副作用の観察方法についての家族への説明
- 管理栄養士による栄養食事指導
- 食事内容・摂取量の把握と、改善に向けた具体的提案
- 調理担当者に向けた実行可能な献立の提案
- 食事形態・とろみの程度についての指導と関係者への共有
- 歯科医師による口腔内の確認と義歯の調整
- 歯科衛生士等による口腔清掃および清掃指導
- 口腔ケアの手順についての家族・介護職への指導
- 口腔機能を保つための訓練方法の指導
- 実施内容の記録と、介護支援専門員への情報提供
- 状態変化時の連絡体制の確認
- 本人・家族の希望を踏まえた指導内容の調整
- 他のサービス事業所との情報共有
- 受診が必要と判断された場合の医療機関への連絡
- 指導内容を踏まえたケアプランの見直し
ここから先は書き方の補足です
頻度欄の書き方(見本)
- 月2回(主治医の指示による)
- 月◯回(医師の指示による頻度)
- 主治医の指示による
- 月1回(状態に応じて変更あり)
- 退院後1か月は月2回、以降は状態に応じて調整
よくある迷いどころ
通院している人にも使えますか
医師が必要と判断すれば、通院しているかどうかだけで決まるものではありません。判断するのは医師なので、ケアマネジャーから「使えますか」と確認するより、「こういう場面で困っている」と情報提供するほうが話が進みます。
訪問看護と何が違いますか
大きく違うのは、居宅療養管理指導が「指導・助言」であることです。処置やケアそのものを行うサービスとは役割が別です。両方入っている方も珍しくありません。
ケアプランに位置づけないといけませんか
区分支給限度基準額の対象外であっても、本人の生活課題に関わるサービスであれば、第2表に位置づけて目標とつなげておくほうが自然です。何のために入っているのかが、後から見て分かる状態にしておきます。
まとめ
- 居宅療養管理指導は、介護保険法施行規則第66条が定める「居宅サービス等区分」に列挙されていない。つまり区分支給限度基準額の対象外
- ニーズには「指導を受けたい」ではなく、指導の先にある生活を書く
- 頻度が決まっていない段階なら「医師の指示による」と書いておくと後から矛盾しない
- 職種によって関わる場面が違うので、誰が何をするのかを分けて書く
- 給付管理の実務は保険者によって案内が異なることがあるため、迷ったら保険者に確認する
あわせて読みたい
- [【訪問看護】ケアプラン第2表の文例集|介護保険と医療保険の切り分け](https://caremane-tane.com/houmonkango-care-plan2/)
- [主治医・医療機関との連携文例集|情報提供・照会・入退院の連絡](https://caremane-tane.com/shujii-iryou-renkei-bunrei/)
- [【誤嚥性肺炎】ケアプラン第2表の文例集](https://caremane-tane.com/aspiration-pneumonia-care-plan2/)
- [【糖尿病】ケアプラン第2表の文例集](https://caremane-tane.com/diabetes-care-plan2/)
- [【ターミナル期・看取り】ケアプラン第2表の文例集](https://caremane-tane.com/terminal-care-plan2/)
- [ケアプラン第2表 目標の文例集|測定可能な長期目標・短期目標](https://caremane-tane.com/measurable-goal-care-plan2/)
参考・出典
- 介護保険法(平成9年法律第123号)第43条/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
- 介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第66条/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
※制度の運用や給付管理の取り扱いは、保険者によって案内が異なる場合があります。実際の運用については、お住まいの市区町村(保険者)にご確認ください。


コメント