【訪問介護(ホームヘルプ)】ケアプラン第2表の文例集|身体介護・生活援助の書き分け(コピペ可/41場面)

訪問介護のケアプラン第2表の文例集。身体介護と生活援助の書き分け サービス別文例

訪問介護の第2表で手が止まるのは、たいてい「これは身体介護なのか、生活援助なのか」を決めきれない時です。一緒に台所に立つのは身体介護、代わりに作れば生活援助。この線をサービス内容欄で読み取れる形にしておくと、担当者会議でも運営指導でも説明が通ります。

この記事では、訪問介護を位置づけるときの第2表を41場面の文例セットにまとめました。1つの場面につき「ニーズ→長期目標→短期目標→サービス内容」の4行がそろっています。近い場面を探して行ごとコピーし、ご本人の暮らしに合わせて整えてお使いください。

ケアプラン第2表の様式全体。ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容の4つの欄の位置を示した図
この記事の文例は、第2表の①ニーズ ②長期目標 ③短期目標 ④サービス内容 の4つの欄にそのまま入ります(1つの場面につき4行セット)
  1. その前に:身体介護と生活援助の分かれ目
  2. 場面1 身体介護/排泄の介助
    1. 01 トイレまで間に合わず、失敗が増えてきた
    2. 02 夜間のおむつ交換で皮膚が赤くなってきた
    3. 03 ポータブルトイレへの移乗が不安定
    4. 04 便秘が続き、下剤の調整が必要
  3. 場面2 身体介護/入浴・清潔の介助
    1. 05 自宅の浴槽をまたぐのが怖くなってきた
    2. 06 洗えない場所だけ手伝ってほしい
    3. 07 体調が不安定で湯船に入れない時期がある
    4. 08 入浴を強くいやがる
  4. 場面3 身体介護/食事・服薬の支援
    1. 09 むせが増えてきて、食事に時間がかかる
    2. 10 かたい物が飲み込みにくく、調理の工夫がいる
    3. 11 薬の飲み忘れと重複が出てきた
    4. 12 水分をとらず、夏に脱水を起こしかけた
  5. 場面4 身体介護/起床・就寝・移動の介助
    1. 13 朝、自分で起き上がれない日がある
    2. 14 夜、ベッドに移るときにふらつく
    3. 15 家の中の移動が不安定で、閉じこもりがちになった
  6. 場面5 身体介護/自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助
    1. 16 掃除機をかける気力が続かない
    2. 17 ゴミの分別が分からなくなった
    3. 18 冷蔵庫の中に食べられない物がたまる
    4. 19 洗濯物をたたむ動作が減り、手先を使わなくなった
    5. 20 リハビリパンツの交換を全部やってもらっている
  7. 場面6 身体介護/退院直後・状態が不安定な時期
    1. 21 退院直後で、生活動作が戻っていない
    2. 22 熱が出た翌日で、体調に不安がある
    3. 23 医療機器を使いながらの生活が始まった
  8. 場面7 生活援助/独居の方の調理・買い物
    1. 24 火を使うのが不安で、食事を抜いてしまう
    2. 25 買い物に行けず、食材が切れる
    3. 26 薬の受け取りに行けない
    4. 27 洗い物と後片づけがたまっていく
  9. 場面8 生活援助/掃除・洗濯・ゴミ出し
    1. 28 居室とトイレの掃除ができなくなった
    2. 29 洗濯機を回せても、干して取り込めない
    3. 30 ゴミが出せず、室内にたまっている
    4. 31 季節の変わり目に衣類が出せない
  10. 場面9 生活援助/同居家族がいる場合
    1. 32 同居の夫にも介護が必要で、家事が回らない
    2. 33 同居の息子が日中不在で、昼食が用意できない
    3. 34 同居の娘が病気の治療中
    4. 35 家族の分まで頼まれてしまう
  11. 場面10 通院介助・通院等乗降介助
    1. 36 受診に付き添う人がいない
    2. 37 訪問介護事業所の車で通院している
    3. 38 受診のあと、薬局に寄る必要がある
  12. 場面11 認知症・看取り期・家族の休息
    1. 39 火を使う手順があいまいになり、調理をやめてしまった
    2. 40 看取り期に入り、家族が眠れていない
    3. 41 介護している家族が体調をくずしている
  13. ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)
    1. コツ1:区分は「行為の名前」ではなく「誰が手を動かすか」で決まる
    2. コツ2:生活援助で頼めないことを、先に本人・家族と共有しておく
    3. コツ3:同居家族がいる=生活援助は使えない、ではない
    4. コツ4:通院介助と通院等乗降介助を、決めてから書く
    5. コツ5:短い訪問・回数の多い訪問には、それぞれ別の注意がある
    6. コツ6:他のサービスと日程が重なる日を、そのまま残さない
    7. 運営指導で見られやすいポイント
    8. 現場のひとこと
  14. 参考・出典
  15. あわせて読みたい

その前に:身体介護と生活援助の分かれ目

判断軸だけ先に置いておきます。区分の根拠は「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年3月17日 老計第10号)です。

  • 身体介護=①体に直接触れる介助、②本人と一緒に行う自立支援・重度化防止のための支援、③特段の専門的配慮をもって行う支援(嚥下困難な方向けの流動食の調理など)。
  • 生活援助=身体介護以外の掃除・洗濯・調理など。本人の代わりに行う「代行」の支援。
  • 迷ったら「本人が一緒に手を動かしているか」を見る。一緒にやるなら身体介護、代わりにやるなら生活援助。
  • 生活援助を位置づけられるのは、ひとり暮らしの方、または家族等の障害・疾病などのため本人や家族が家事を行うことが困難な場合。障害や疾病がない場合でも、同様のやむを得ない事情で家事が困難なときを含みます(判断は保険者によって分かれるため、位置づける前の確認が安全です)。あわせて第1表下部の「生活援助中心型の算定理由」欄への記載も必要になります。

平成30年4月の老計第10号の改正では、身体介護の中に「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」が明確化されました。一緒に洗濯物をたたむ、一緒に冷蔵庫を整理する、ゴミの分別を一緒に確認する。この類の支援は生活援助ではなく身体介護として整理されています(文例の場面5)。

場面1 身体介護/排泄の介助

回数と時間帯を書き分けておくと、第3表への落とし込みが楽になります。

01 トイレまで間に合わず、失敗が増えてきた

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。トイレまでの移動に時間がかかる。

  • ニーズ:間に合わずに失敗することが増えて気持ちが沈むので、自分のタイミングでトイレを使いたい。
  • 長期目標:日中の排せつを自分のペースで行い、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:起床後と夕方の時間帯に介助を受け、下着を汚さずに1日を過ごせる日を週5日以上にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=トイレまでの移動の見守りと介助、脱衣・着衣の介助、後始末、失敗があった時の衣類の処理。

02 夜間のおむつ交換で皮膚が赤くなってきた

【こんな場面】要介護4・80代男性。同居の妻が介護。臀部に発赤がある。

  • ニーズ:おむつの中が蒸れて痛いので、肌を傷めずに過ごしたい。
  • 長期目標:皮膚のトラブルを起こさずに、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:1日3回の交換を続け、発赤が広がらない状態を保てる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=おむつ交換、陰部・臀部の洗浄と皮膚状態の観察、変化があった時のケアマネジャー・訪問看護への連絡。

03 ポータブルトイレへの移乗が不安定

【こんな場面】要介護3・80代女性。夜間はベッド脇のポータブルトイレを使用。

  • ニーズ:夜中に一人で立ち上がるのが怖いが、おむつではなく便器で用を足したい。
  • 長期目標:転倒せずに排せつを続け、自宅での生活を保てる。
  • 短期目標:朝夕の介助を受けて安全に移乗し、転倒なく3か月を過ごせる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=ポータブルトイレへの移乗介助、排せつ後の後始末と容器の清掃、居室の環境整備。

04 便秘が続き、下剤の調整が必要

【こんな場面】要介護3・90代女性。排便のリズムが不安定で腹部の張りを訴える。

  • ニーズ:おなかが張って食欲が落ちるので、すっきり出る日を増やしたい。
  • 長期目標:排便のリズムが整い、食事量を保って過ごせる。
  • 短期目標:3日に1回以上の排便を確認でき、その記録を受診時に持参できる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=トイレ誘導と排せつ介助、排便の有無と便の状態の記録/ケアマネジャー=記録を主治医へ共有し、下剤の調整を相談する。

場面2 身体介護/入浴・清潔の介助

自宅の浴室で入るのか、部分浴や清拭にするのか。どこまでを目標にするかで文が変わります。

05 自宅の浴槽をまたぐのが怖くなってきた

【こんな場面】要介護2・80代男性。独居。手すりは設置済み。

  • ニーズ:湯船につかるのが楽しみなので、転ばずに自分の家の風呂に入り続けたい。
  • 長期目標:週2回の入浴を続け、清潔を保って過ごせる。
  • 短期目標:見守りと一部介助を受けて浴槽の出入りを行い、転倒なく入浴できる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=入浴前後の体調確認、浴槽の出入りの介助、洗身・洗髪のうちできない部分の介助、皮膚状態の観察。

06 洗えない場所だけ手伝ってほしい

【こんな場面】要介護1・70代女性。肩の可動域が狭く、背中と足先に手が届かない。

  • ニーズ:自分でできることは自分でやりたいので、届かないところだけ手を借りたい。
  • 長期目標:自分の力を使いながら入浴を続け、体を清潔に保てる。
  • 短期目標:背部と足先の洗身のみ介助を受け、そのほかは自分で行える。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=背部・足先の洗身介助と、浴室内での見守り。本人ができる動作には手を出さない。

07 体調が不安定で湯船に入れない時期がある

【こんな場面】要介護3・80代女性。心疾患があり、血圧の変動が大きい。

  • ニーズ:体調に波があるが、さっぱりした状態で過ごしたい。
  • 長期目標:体調に合わせた方法で清潔を保ち、皮膚のトラブルなく過ごせる。
  • 短期目標:血圧の値に応じて入浴と清拭を使い分け、週2回は全身を清潔にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=訪問時の血圧・体温の測定、状態に応じた入浴介助または全身清拭、判断に迷う時のケアマネジャー・訪問看護への連絡。

08 入浴を強くいやがる

【こんな場面】要介護2・80代男性。認知症があり、脱衣の場面で拒否が出る。

  • ニーズ:無理に脱がされるのは嫌だが、体がかゆいのは何とかしたい。
  • 長期目標:本人が納得できる方法で清潔を保ち、皮膚のかゆみが軽くなる。
  • 短期目標:足浴と手浴から始め、応じられた日を月8回以上にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=足浴・手浴・部分清拭、拒否が出た時の声かけの工夫と、うまくいったかかわり方の記録/ケアマネジャー=記録をもとに支援方法を見直す。

場面3 身体介護/食事・服薬の支援

食事は「作る」と「食べる介助」で区分が分かれます。作るだけなら生活援助、食べるのを手伝えば身体介護です。

09 むせが増えてきて、食事に時間がかかる

【こんな場面】要介護3・80代女性。嚥下機能の低下を指摘されている。

  • ニーズ:食べることが好きなので、むせずに口から食べ続けたい。
  • 長期目標:誤嚥性肺炎を起こさずに、口から食事をとる生活を続けられる。
  • 短期目標:食事の姿勢を整えた介助を受け、むせる回数を1食あたり1回以下にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=食事の姿勢の確保、一口量とペースに配慮した摂食介助、むせの回数と食事量の記録。

10 かたい物が飲み込みにくく、調理の工夫がいる

【こんな場面】要介護3・80代男性。主治医から嚥下調整食をすすめられている。

  • ニーズ:飲み込みにくくなったが、家で作ったものを食べたい。
  • 長期目標:飲み込みやすい形の食事をとり、体重を保って過ごせる。
  • 短期目標:週3回、飲み込みやすい形に調整した食事をとり、むせずに食べられる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=嚥下の状態に合わせた形態調整をともなう調理と、食事中の見守り/ケアマネジャー=主治医・歯科・管理栄養士へ状態を共有する。

※一般的な調理は生活援助です。嚥下困難な方に向けた流動食などの調理は「特段の専門的配慮をもって行う調理」として身体介護に整理されています(老計第10号)。

11 薬の飲み忘れと重複が出てきた

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。1日3回の内服がある。

  • ニーズ:薬を決まったとおりに飲んで、体調をくずさずに暮らしたい。
  • 長期目標:服薬の乱れによる体調の変化を防ぎ、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:朝の訪問時に服薬を確認してもらい、飲み残しを週1回以下にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=配薬された薬の確認と服薬の手伝い、飲み残しの把握/ケアマネジャー=薬剤師・主治医へ状況を伝え、一包化や回数の調整を相談する。

※ヘルパーが行えるのは、一包化された薬など、本人の状態が安定していて専門的な判断を要しない範囲の手伝いです。薬の仕分けや量の調整は行えません。訪問看護や薬剤師の居宅療養管理指導との役割分担を、担当者会議で決めておきます。

12 水分をとらず、夏に脱水を起こしかけた

【こんな場面】要介護2・90代男性。独居。のどの渇きを訴えない。

  • ニーズ:夏をこすのがつらいので、体調をくずさずに自分の家で過ごしたい。
  • 長期目標:脱水を起こさずに季節を通じて在宅生活を続けられる。
  • 短期目標:訪問のたびに水分をとり、1日の摂取量をおおむね1,000mL以上に保てる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=声かけと誘導による水分摂取の支援と摂取量の記録、室温の確認/ケアマネジャー=記録を家族と主治医へ共有する。

場面4 身体介護/起床・就寝・移動の介助

時間帯を書いておくと、事業所の調整がしやすくなります。

13 朝、自分で起き上がれない日がある

【こんな場面】要介護3・80代女性。同居の息子は早朝から勤務。

  • ニーズ:朝に起き上がれず一日が始まらないので、決まった時間に起きて過ごしたい。
  • 長期目標:昼夜のリズムを保ち、日中に活動する生活を続けられる。
  • 短期目標:平日の朝に起床の介助を受け、午前中に離床できる日を週5日にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=起床の介助、着替えと洗面の介助、体調の確認。

14 夜、ベッドに移るときにふらつく

【こんな場面】要介護3・80代男性。夕方以降にふらつきが強くなる。

  • ニーズ:夜に転ぶのが怖いので、安心して床につきたい。
  • 長期目標:転倒せずに夜間を過ごし、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:就寝時の介助を受け、転倒なく3か月を過ごせる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=就寝の介助、寝具と室温の調整、ベッド周囲の環境整備。

15 家の中の移動が不安定で、閉じこもりがちになった

【こんな場面】要介護2・80代女性。膝の痛みがあり、居室から出る回数が減っている。

  • ニーズ:家の中で動く範囲が狭くなってきたが、居間で家族と過ごす時間を持ちたい。
  • 長期目標:室内の移動を続け、日中を居間で過ごす生活を保てる。
  • 短期目標:見守りを受けながら居室から居間まで自分の足で移動し、1日2回以上できる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=移動時に側について歩き、必要な時だけ介助する見守り的な支援。

場面5 身体介護/自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助

訪問介護のいちばんの書きどころです。同じ「洗濯物をたたむ」でも、代わりにやれば生活援助、一緒にやれば身体介護。文例には「一緒に」「見守りながら」を入れてあります。

16 掃除機をかける気力が続かない

【こんな場面】要介護1・70代女性。うつ状態があり、家事が途中で止まる。

  • ニーズ:家が散らかっていくのが自分でも嫌なので、自分の手で片づけられるようになりたい。
  • 長期目標:自分で家事に取りかかる力を保ち、住み慣れた家での生活を続けられる。
  • 短期目標:一緒に掃除をする形で、居間と台所の片づけを週2回続けられる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=安全確認と疲れの確認をしながら、本人と一緒に行う掃除・整理整頓。手順の声かけを行い、本人ができる作業は本人が行う。

17 ゴミの分別が分からなくなった

【こんな場面】要介護1・80代男性。独居。分別を間違えて回収されない日が続いている。

  • ニーズ:ゴミが出せずに家にたまるのが困るので、自分で出せるようになりたい。
  • 長期目標:ゴミ出しを自分で続け、近隣との関係を保って暮らせる。
  • 短期目標:一緒に分別を確認しながら、収集日にゴミを出せる日を月3回以上にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=本人と一緒に分別を行い、地域のルールを思い出せるように援助する。

18 冷蔵庫の中に食べられない物がたまる

【こんな場面】要介護2・80代女性。アルツハイマー型認知症。同じ物を繰り返し買う。

  • ニーズ:食べ物を無駄にしたくないので、冷蔵庫の中を自分で分かる状態にしておきたい。
  • 長期目標:食材を管理しながら、自分で食事の準備を続けられる。
  • 短期目標:一緒に冷蔵庫を整理し、傷んだ食品を残さない状態を週1回保てる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=本人と一緒に行う冷蔵庫の整理。品物を手に取りながら生活歴を引き出す関わりを行う。

19 洗濯物をたたむ動作が減り、手先を使わなくなった

【こんな場面】要介護2・80代女性。座って過ごす時間が長い。

  • ニーズ:家のことは自分でやってきたので、できることは続けたい。
  • 長期目標:家の中で自分の役割を持ち、張り合いのある生活を送れる。
  • 短期目標:一緒に洗濯物を干してたたむ作業を、週2回続けられる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=転倒予防の見守りと声かけをしながら、本人と一緒に行う洗濯物の乾燥・取り込み・整理。

20 リハビリパンツの交換を全部やってもらっている

【こんな場面】要介護2・80代男性。認知症があるが、上下肢の動きは保たれている。

  • ニーズ:下の世話をされるのが情けないので、できるところは自分でやりたい。
  • 長期目標:排せつの後始末を自分の手で行い、自尊心を保って生活できる。
  • 短期目標:見守りと声かけを受けながら、リハビリパンツの交換と後始末を自分で行える日を週3日以上にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=手順の声かけと見守りを行い、できない部分のみ介助する。全部を代わりに行わない。

場面6 身体介護/退院直後・状態が不安定な時期

「何が整えば回数を減らせるか」を短期目標に書くと、モニタリングで評価できます。

21 退院直後で、生活動作が戻っていない

【こんな場面】要介護3・80代女性。大腿骨骨折の術後。同居の娘は日中不在。

  • ニーズ:退院してきたばかりで不安が大きいが、この家で暮らし直したい。
  • 長期目標:退院前に近い動作を取り戻し、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:起床・更衣・トイレへの移動で自分で行える工程が増え、退院後1か月で日中は見守りのみで過ごせる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=起床・更衣・トイレ移動の介助と動作の確認/ケアマネジャー=1か月後に担当者会議を開き、回数を見直す。

22 熱が出た翌日で、体調に不安がある

【こんな場面】要介護3・90代男性。独居。前日に発熱があり、受診済み。

  • ニーズ:ひとり暮らしなので、体調をくずした時に気づいてもらえる形で過ごしたい。
  • 長期目標:体調の変化に早く気づける体制のもとで、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:体調の変化が当日中に把握され、受診が必要なときに同じ日のうちに受診できる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=体温・食事量・水分量の確認と日常生活の介助、変化があった時のケアマネジャー・主治医への連絡。

※安否確認や健康チェックだけの訪問は、訪問介護費の算定対象にならない取扱いです。体調確認とあわせて何の介助を行うのかを書いておきます。

23 医療機器を使いながらの生活が始まった

【こんな場面】要介護4・70代男性。在宅酸素療法を導入。訪問看護を併用。

  • ニーズ:機械を使いながらでも、この家で家族と暮らし続けたい。
  • 長期目標:呼吸の状態を保ちながら、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:日常生活の介助を受け、息切れの強い動作を1人で行わずにすむ。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=清潔の介助、更衣、移動の介助(動作の合間に休息をはさむ)/訪問看護=医療的な管理と全身状態の確認。

場面7 生活援助/独居の方の調理・買い物

ひとり暮らしの方でも、「何を、どこまで」を書かないと運営指導で説明しにくくなります。品目ではなく、暮らしのどこが困っているのかから書きます。

24 火を使うのが不安で、食事を抜いてしまう

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。鍋を焦がしたことがあり、調理をやめている。

  • ニーズ:食事を抜く日が増えて力が出ないので、1日3食きちんと食べたい。
  • 長期目標:食事量を保ち、体重を維持してひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:週3回の訪問で数食分の食事を用意してもらい、1日2食以上をとれる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=本人の分の調理と配膳、残った食材の確認。算定理由=ひとり暮らしで調理が困難なため。

※数食分をまとめて作る「作り置き」の可否は、保険者によって判断が分かれます。位置づける前に確認しておくと安全です。

25 買い物に行けず、食材が切れる

【こんな場面】要介護2・80代男性。独居。近隣に店がなく、歩行も不安定。

  • ニーズ:買い物に行けずに食べる物がなくなるので、必要な物がそろう暮らしにしたい。
  • 長期目標:食材と日用品を切らさずに、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:週2回の買い物支援を受け、冷蔵庫が空になる日をなくせる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=日用品・食材の買い物(品物と釣り銭の確認を含む)。算定理由=ひとり暮らしで外出が困難なため。

26 薬の受け取りに行けない

【こんな場面】要介護3・90代女性。独居。処方は月1回、薬局は徒歩20分。

  • ニーズ:薬をもらいに行けないと治療が続かないので、切らさずに飲み続けたい。
  • 長期目標:処方された薬を切らさずに服用し、体調を保って過ごせる。
  • 短期目標:月1回、薬を受け取ってもらい、飲み始めが遅れる日をなくせる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=薬局での薬の受け取り/ケアマネジャー=受診日と薬の残りを毎月確認する。算定理由=ひとり暮らしで外出が困難なため。

27 洗い物と後片づけがたまっていく

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。配食サービスを週5回利用。

  • ニーズ:台所が汚れたままなのが気になるので、清潔な状態で食事をとりたい。
  • 長期目標:衛生的な環境で食事を続け、体調をくずさずに暮らせる。
  • 短期目標:週2回の訪問で台所を片づけてもらい、洗い物がたまらない状態を保てる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=配膳・後片づけ、食器の洗浄、台所まわりの清掃。算定理由=ひとり暮らしで家事が困難なため。

場面8 生活援助/掃除・洗濯・ゴミ出し

範囲を書き分ける章です。「家中の掃除」ではなく「本人が主に使う居室・トイレ」と書きます。

28 居室とトイレの掃除ができなくなった

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。腰痛のためかがめない。

  • ニーズ:汚れた部屋で過ごしたくないので、身のまわりを清潔に保ちたい。
  • 長期目標:清潔な住環境を保ち、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:週1回の掃除を受け、居室とトイレの汚れがたまらない状態を保てる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=本人が使う居室・トイレの清掃、ゴミ出し。算定理由=ひとり暮らしで家事が困難なため。

※大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけは、日常的な家事の範囲を超えるものとして生活援助に含まれない取扱いです。

29 洗濯機を回せても、干して取り込めない

【こんな場面】要介護2・80代男性。独居。上肢の挙上が難しい。

  • ニーズ:洗濯物をためたくないので、着る物が回る暮らしにしたい。
  • 長期目標:清潔な衣類で過ごし、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:週2回の訪問で洗濯物を干して取り込んでもらい、着替えが不足する日をなくせる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=洗濯、洗濯物の乾燥・取り込み・収納。算定理由=ひとり暮らしで家事が困難なため。

30 ゴミが出せず、室内にたまっている

【こんな場面】要介護3・80代女性。独居。屋外の集積所まで運べない。

  • ニーズ:においや虫が気になるので、ゴミのない部屋で過ごしたい。
  • 長期目標:衛生的な住環境を保ち、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:収集日に合わせた訪問でゴミを出してもらい、室内にゴミがたまらない状態を保てる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=室内のゴミのとりまとめと、集積所への持ち出し。算定理由=ひとり暮らしで家事が困難なため。

31 季節の変わり目に衣類が出せない

【こんな場面】要介護2・90代女性。独居。押し入れの上段に手が届かない。

  • ニーズ:季節に合った服が着られずに体調をくずすので、その時期の服で過ごしたい。
  • 長期目標:気温に合った衣類で過ごし、体調をくずさずに季節を越せる。
  • 短期目標:年2回、衣類の入れ替えを行い、その季節の服をすぐ着られる状態にできる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=衣類の整理(夏物・冬物の入れ替え)、ほつれの補修。算定理由=ひとり暮らしで家事が困難なため。

場面9 生活援助/同居家族がいる場合

同居家族がいても、その家族の障害・疾病などのため家事が困難であれば、生活援助を位置づけられます。ただし判断は保険者によって分かれるため、事前確認を前提にお使いください。文例には「誰が・なぜ家事を行えないのか」を明示してあります。

32 同居の夫にも介護が必要で、家事が回らない

【こんな場面】要介護2・80代女性。同居の夫は要介護1で、調理と掃除ができない。

  • ニーズ:夫婦2人とも家事ができなくなったが、この家での暮らしを続けたい。
  • 長期目標:食事と住環境を保ちながら、夫婦2人での生活を続けられる。
  • 短期目標:週3回の生活援助を受け、1日2食以上をとれる状態を保てる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=本人の分の調理と居室の清掃。算定理由=同居の家族も要介護状態にあり、家事を行うことが困難なため。

33 同居の息子が日中不在で、昼食が用意できない

【こんな場面】要介護3・80代女性。同居の息子はフルタイム勤務で帰宅は20時。

  • ニーズ:日中ひとりで過ごす時間が長いが、昼もきちんと食べたい。
  • 長期目標:1日3食をとる生活を保ち、体重を維持して過ごせる。
  • 短期目標:平日の昼に生活援助を受け、昼食をとれる日を週5日にできる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=本人の分の昼食の調理と配膳、後片づけ。算定理由=同居家族が就労のため日中不在で、本人が調理を行えないため。

※就労を理由とする場合の取扱いは、保険者によって判断が分かれます。勤務の時間帯と代替手段(配食サービスなど)を検討した経過を支援経過に残し、位置づける前に保険者へ確認してください。

34 同居の娘が病気の治療中

【こんな場面】要介護2・80代女性。同居の娘が治療中で、家事の負担を減らす必要がある。

  • ニーズ:娘に無理をさせずに、これからも同じ家で暮らし続けたい。
  • 長期目標:家族の負担が減った状態で、食事と住環境を保ちながら自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:週2回の生活援助を受け、居室の清潔と食事を保てる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=本人の分の調理と、本人が使う居室の清掃。算定理由=同居家族が疾病により家事を行うことが困難なため。

※家族の状態は変わります。治療の見通しをふまえ、次回の更新時に必要性を見直す旨も記録しておきます。

35 家族の分まで頼まれてしまう

【こんな場面】要介護2・80代男性。同居の妻から「ついでに2人分作ってほしい」と依頼がある。

  • ニーズ:自分に合った食事をとりながら、家族と一緒の生活を続けたい。
  • 長期目標:本人に必要な食事が確保され、家族と自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:本人の分の食事が用意され、食事量を保てる。
  • サービス内容:訪問介護(生活援助)=本人の分のみの調理。家族の分の調理・洗濯は対象外であることを、契約時と担当者会議で本人・家族へ説明する。

※利用者以外の方に係る洗濯・調理・買い物などは「直接本人の援助」に該当しない行為とされ、生活援助には含まれません。断りにくい場面ほど、第2表に書いておくと現場が守られます。

場面10 通院介助・通院等乗降介助

「身体介護としての通院介助」と「通院等乗降介助」は別の区分です。どちらで位置づけるかを決めてから書きます。

36 受診に付き添う人がいない

【こんな場面】要介護3・80代女性。独居。月1回の定期受診で院内の移動に介助が必要。

  • ニーズ:ひとりでは病院にたどり着けないので、治療を続けられる形にしたい。
  • 長期目標:定期受診を継続し、持病の状態を保って在宅生活を続けられる。
  • 短期目標:月1回の受診に付き添いを受け、受診を欠かさずに続けられる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=受診に伴う準備、移動の介助、院内での移動と手続きの介助/ケアマネジャー=受診結果を主治医と家族へ共有する。

※院内の介助は、多くの保険者が「まず院内のスタッフが対応するもの」という取扱いを示しており、訪問介護で位置づけられるのは例外的な場合です(老計第10号でも「(場合により)院内の移動等の介助」とされています)。病院側で対応できない事情と、本人の状態から介助が必要な理由をアセスメントで整理し、位置づける前に保険者へ確認してください。なお、病院での待ち時間は算定の対象外とする取扱いが一般的です。

37 訪問介護事業所の車で通院している

【こんな場面】要介護3・80代男性。独居。車いすを使用し、月2回受診。訪問介護事業所が道路運送法の許可を受けた車両で送迎する。

  • ニーズ:車の乗り降りが自分ではできないので、安全に受診に行きたい。
  • 長期目標:定期受診を続け、体調を保って自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:月2回の通院で、乗り降りと院内の移動を安全に行える。
  • サービス内容:訪問介護(通院等乗降介助)=車両への乗車・降車の介助、乗車前・降車後の屋内外の移動の介助、通院先での受診手続きの介助。算定理由=独居で公共交通機関を利用できず、車いす使用のため乗降時に介助を要するため。

※通院等乗降介助を算定できるのは、指定訪問介護事業所が道路運送法の許可・登録を受け、自ら運転する車両で送迎する場合です。外部の介護タクシー事業者に送迎だけを頼む場合は、訪問介護としては算定できません。

※片道ごとの算定で、運転時間そのものは算定の対象外、運賃は保険給付に含まれません。乗り降りの介助に加えて、屋内外の移動の介助か受診手続きの介助を行うことが要件とされています。

38 受診のあと、薬局に寄る必要がある

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。受診と薬の受け取りが同じ日にある。

  • ニーズ:受診と薬の受け取りを1日で終わらせて、体力を残したい。
  • 長期目標:受診と服薬を続け、持病の状態を保って暮らせる。
  • 短期目標:受診日に薬の受け取りまで済ませ、飲み始めが遅れることをなくせる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=受診に伴う移動の介助、院内の移動と受診手続きの介助、受診後に薬局へ立ち寄る際の同行と移動の介助/ケアマネジャー=受診日を事業所へ月初に連絡する。

※院内の介助の扱いは、文例36の注記を参照してください。

※同じ「薬局に行く」でも区分が変わります。本人に同行して立ち寄る場合は通院・外出介助(身体介護)の一連の行為、本人が同行せずヘルパーだけが受け取りに行く場合は生活援助(老計第10号2-6「薬の受け取り」)です。文例26と読み比べてください。

場面11 認知症・看取り期・家族の休息

支援の目的が本人の暮らしからずれやすい場面です。ニーズは本人を主語にしたまま書きます。

39 火を使う手順があいまいになり、調理をやめてしまった

【こんな場面】要介護2・80代女性。アルツハイマー型認知症。日中は独居となる時間が長い。

  • ニーズ:自分で作って食べてきたので、これからも台所に立ち続けたい。
  • 長期目標:安全に火を使いながら、自分で食事の準備を続けられる。
  • 短期目標:一緒に調理を行い、火を消す・元栓を閉める手順を自分で確認できる日を週3日以上にできる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=安全確認と疲労の確認をしながら本人と一緒に行う調理・配膳・後片づけ。火元と戸締まりの確認は本人が行い、手順の声かけを行う/ケアマネジャー=記録をもとに家族と対応を見直す。

※見守りや安否確認だけの訪問は算定の対象になりません。本人と一緒に生活行為を行い、それが自立支援・重度化防止につながる形で書きます。

40 看取り期に入り、家族が眠れていない

【こんな場面】要介護5・90代男性。がん終末期。訪問診療と訪問看護を利用中。同居の妻が主に介護。本人・家族・訪問診療医と繰り返し話し合い、自宅での看取りの方針を確認している。

  • ニーズ:最期まで家で過ごしたいので、家族が倒れない形でこの家での生活を続けたい。
  • 長期目標:家族が休息をとりながら介護を続けられ、本人の望む場所で過ごせる。
  • 短期目標:朝夕の身体介護を受けて身体の清潔と安楽が保たれ、あわせて家族が続けて休める時間を1日2時間以上確保できる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=清拭・おむつ交換・体位変換、苦痛の有無の確認と状態変化時の連絡/訪問看護=医療的な管理/ケアマネジャー=24時間の連絡体制を関係者で確認し、意向の変化を訪問のたびに確認して方針が変わったときは関係者で共有する。

41 介護している家族が体調をくずしている

【こんな場面】要介護3・80代女性。同居の嫁が腰痛の治療中で、介助を続けられない。

  • ニーズ:介護してくれる家族に無理をさせず、これからも家族と暮らし続けたい。
  • 長期目標:介護が家族1人に集中しない体制のもとで、在宅生活を続けられる。
  • 短期目標:入浴・排せつ・移動を安全に行える状態が保たれ、家族が介助を担う回数を週2回まで減らせる。
  • サービス内容:訪問介護(身体介護)=入浴・排せつ・移動の介助/ケアマネジャー=家族の状態を毎月確認し、必要に応じて短期入所の追加を検討する。

ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)

すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。訪問介護ならではの、迷いやすい6つの論点をまとめました。

コツ1:区分は「行為の名前」ではなく「誰が手を動かすか」で決まる

❌ サービス内容:訪問介護=掃除、洗濯、調理。

⭕ サービス内容:訪問介護(身体介護・見守り的援助)=安全確認の声かけをしながら、本人と一緒に行う掃除・整理整頓。

📝 「掃除」という言葉だけでは区分が読み取れません。分かれ目は、本人が一緒に手を動かしているかどうか。ヘルパーが代わりに済ませれば生活援助、本人と一緒に行い、その動作がADL・IADL・QOLの向上や重度化の防止につながるなら身体介護(見守り的援助)です。平成30年4月の老計第10号の改正では、「利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う掃除、整理整頓」「洗濯物を一緒に干したりたたんだり」といった例が明記されました。第2表に「一緒に」「見守りながら」「声かけをしながら」のどれかを入れておくと、区分が読み取れる文になります。

コツ2:生活援助で頼めないことを、先に本人・家族と共有しておく

生活援助に含まれない行為は、通知で例示されています(平成12年11月16日 老振第76号 別紙)。ケアマネジャーがよく相談を受けるのは次の2群です。

  • 「直接本人の援助」に該当しない行為=利用者以外の方に係る洗濯・調理・買い物・布団干し/主として利用者が使用する居室等以外の掃除/来客の応接(お茶や食事の手配)/自家用車の洗車・清掃。
  • 「日常生活の援助」に該当しない行為①=ヘルパーが行わなくても日常生活を営むのに支障が生じない行為。草むしり/花木の水やり/犬の散歩などペットの世話。
  • 「日常生活の援助」に該当しない行為②=日常的に行われる家事の範囲を超える行為。家具・電気器具の移動や修繕、模様替え/大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ/室内外家屋の修理やペンキ塗り/植木の剪定などの園芸/正月や節句のために特別な手間をかけて行う調理。

なお、商品の販売や農作業などの生業の援助にあたる行為、直接本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為も、生活援助には含まれません(老計第10号)。

📝 これらを断るのは、訪問した現場のヘルパーです。契約時と担当者会議で説明しておかないと、断る役目が現場に丸投げされます。あわせて代わりの手も用意しておきます。市町村の生活支援サービス、社会福祉協議会や住民主体のサービス、保険外の自費サービス。「できません」で終えず「これなら頼めます」まで示せると、家族の納得が変わります。

コツ3:同居家族がいる=生活援助は使えない、ではない

⭕ サービス内容:訪問介護(生活援助)=本人の分の調理と、本人が使う居室の清掃。算定理由=同居家族が疾病により家事を行うことが困難なため。

📝 生活援助中心型を算定できるのは、ひとり暮らしの方、または家族等の障害・疾病などのため本人や家族が家事を行うことが困難な場合です。押さえたいのは、「障害や疾病がない場合であっても、同様のやむを得ない事情により家事が困難な場合」を含むと解されている点(老企第36号)。同居家族がいることだけを理由に機械的に不可とする運用は想定されていません。

一方で、就労や別居家族の距離など、どこまでを「やむを得ない事情」とみるかは保険者によって判断が分かれます。位置づける前の確認が安全です。そのうえで記録を3か所そろえます。①第1表下部の「生活援助中心型の算定理由」欄、②第2表のサービス内容に書いた算定理由の一文、③支援経過に残す、検討した代替手段と保険者への確認内容。この3点がそろっていれば、運営指導で聞かれても経緯を追えます。

コツ4:通院介助と通院等乗降介助を、決めてから書く

❌ サービス内容:訪問介護=通院の付き添い。

⭕ サービス内容:訪問介護(通院等乗降介助)=車両への乗車・降車の介助、乗車前・降車後の屋内外の移動の介助、通院先での受診手続きの介助。

📝 事業所が自ら運転する車両での通院は、原則として通院等乗降介助での算定になります。押さえる点は4つ。片道ごとの算定であること、運転している時間そのものは算定の対象外であること、運賃は保険給付に含まれないこと、そして乗り降りの介助だけでは足りず、屋内外の移動の介助か受診手続きの介助をあわせて行う必要があること。車両内から見守るのみでは対象になりません。第2表に「乗降+移動+手続き」のどこを介助するのかを書いておくと、事業所も請求の判断に迷わずにすみます。

あわせて、通院等乗降介助を算定する日は、同じ通院について身体介護中心型を別に算定できません。乗車前後の移動の介助も、院内の移動等の介助も、通院等乗降介助に含まれる一連の行為として扱われます。例外として、要介護4・5で、乗車・降車の介助の前後に連続して行われる外出に直接関連する身体介護に20〜30分程度以上を要する場合などは、運転時間を除いて前後の所要時間を通算し、身体介護中心型で算定します。この場合は通院等乗降介助を算定しません。

居宅サービス計画には次の3点を明確に記載することとされています。①通院等に必要であることその他車両への乗降が必要な理由、②利用者の心身の状況から乗降時の介助行為を要すると判断した旨、③総合的な援助の一環として、解決すべき課題に応じた他の援助と均衡していること。第2表のサービス内容に算定理由の一文を添えておくと、この3点をたどれる計画になります。

コツ5:短い訪問・回数の多い訪問には、それぞれ別の注意がある

  • 20分未満の身体介護:短時間で完結する内容(排せつ介助、体位変換、服薬介助など)であれば、対象となる方の状態像に条件なく位置づけられます。ただし前回の訪問からおおむね2時間の間隔が必要です。
  • 「頻回の訪問」として2時間の間隔を空けずに行う20分未満の身体介護は、別枠です。要介護1・2は認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上(周囲の方による日常生活上の注意を必要とする状態)、要介護3〜5は障害高齢者の日常生活自立度B以上などの状態像に加え、サービス担当者会議で1週間のうち5日以上の訪問が必要と認められること、事業所側に定期巡回・随時対応型訪問介護看護との一体的な運営、または指定を併せて受ける計画があることが要件とされています。ただし要介護1・2の方に提供する場合は、一体的に運営している事業所に限られます。ケアマネジャー側で押さえるのは、それが「頻回の訪問」であることを居宅サービス計画に明確に位置づける必要がある、という点です。
  • なお、20分未満の身体介護に引き続いて生活援助を行うことは、緊急時訪問介護加算を算定する場合を除いて認められていません。第2表で組み合わせを書く前に確認しておきます。
  • 2時間の間隔:前回の訪問からおおむね2時間未満の間隔で訪問した場合、それぞれの所要時間を合算する取扱いが原則です。例外は3つ。上記の「頻回の訪問として行う20分未満の身体介護中心型」、緊急時訪問介護加算を算定する場合、そして医師が医学的知見に基づいて回復の見込みがないと診断した方へ訪問介護を提供する場合です。看取り期に短い間隔で訪問を重ねる場面(文例40)は、3つ目にあたります。第3表に時間を落とす段階で事業所と確認しておくと、ずれが起きません。
  • 生活援助の回数が多い場合の届出:要介護度ごとに定められた回数以上の生活援助中心型を位置づける場合、その必要性を検討したうえで理由を計画に記載し、市町村へ届け出ることとされています。回数は1か月あたり、要介護1が27回、要介護2が34回、要介護3が43回、要介護4が38回、要介護5が31回です(平成30年厚生労働省告示第218号)。

📝 届出は「使ってはいけない」という意味ではなく、必要だと判断した根拠を示す手続きです。届出が視野に入る回数になったら、その前段でアセスメントを見直し、なぜこの回数なのかを支援経過に残しておきます。

コツ6:他のサービスと日程が重なる日を、そのまま残さない

❌ サービス内容:訪問介護(週5回)/短期入所生活介護(月2回・2泊3日)。

⭕ サービス内容:訪問介護(週5回・短期入所の利用日と入院期間は休止)/短期入所生活介護(月2回・2泊3日)。

📝 短期入所を利用している日や入院期間は、自宅にいないため訪問介護は行われません。予定が残ったままだと、担当者会議でも請求の段階でも確認の手間が発生します。第2表のサービス内容に「短期入所の利用日は休止」と1行添えておけば、事業所と共通認識をつくれます。同じ時間帯に訪問看護や通所サービスと重なっていないかも、第3表に落とす段階で見ておきましょう。

運営指導で見られやすいポイント

  • サービス内容が身体介護と生活援助のどちらなのか、第2表から読み取れるか。
  • 生活援助を位置づけている場合、第1表の「生活援助中心型の算定理由」欄に記載があるか。
  • 同居家族がいる利用者に生活援助を位置づけている場合、家族が家事を行えない理由と検討の経過が残っているか。
  • 生活援助の内容に、家族の分の家事や生活援助に含まれない行為が混ざっていないか。
  • 目標が「訪問介護を利用できる」になっていないか(手段と目標の混同)。
  • 見守り的援助が、本人と一緒に行う支援だと分かる書き方になっているか。
  • 通院等乗降介助を位置づけている場合、乗降のほかに移動または受診手続きの介助が計画にあるか。
  • 要介護度ごとに定められた回数以上の生活援助を位置づけた場合、市町村への届出を行っているか。
  • 区分支給限度基準額を超えていないか(超える分は全額自己負担になります)。
  • 短期入所の利用日や入院期間に、訪問介護の予定が残ったままになっていないか。

現場のひとこと

生活援助を減らして見守り的援助に切り替えた時、いちばん最初に反応するのは本人ではなく家族でした。「なんで一緒にやらせるんですか、かわいそうでしょう」と。そこで説明を尽くさずに元に戻すと、半年後には本当にできなくなります。伝えているのは、「今のうちに一緒にやっておくと、続けられる時間が延びます」ということ。台所に一緒に立てる期間は、思っているより短いものです。

※文例はあくまで参考です。身体介護・生活援助の区分、同居家族がいる場合の取扱い、通院等乗降介助の算定要件、院内介助をどこまで位置づけられるか、短時間や頻回の訪問の可否は、ご本人の状態や事業所の体制、保険者の判断によって異なります。ご本人の状況に合わせ、ご家族やサービス事業所、主治医、保険者と相談しながら整えてお使いください。

参考・出典

  • 厚生労働省「『訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について』の一部改正について」(老振発0330第2号・平成30年3月30日/平成12年3月17日老計第10号の新旧対照表を含む)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000201799.pdf

  • 介護サービス情報公表システム(厚生労働省)「どんなサービスがあるの? – 訪問介護(ホームヘルプ)」

https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group2.html

  • 厚生労働省 法令等データベース「厚生労働大臣が定める回数及び訪問介護」(平成30年5月2日 厚生労働省告示第218号)

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab6417&dataType=0&pageNo=1

  • 「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」(平成12年11月16日 老振第76号)別紙「一般的に介護保険の家事援助の範囲に含まれないと考えられる事例」/国立社会保障・人口問題研究所 収録資料

https://www.ipss.go.jp/publication/j/shiryou/no.13/data/shiryou/syakaifukushi/824.pdf

  • e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)」

https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037

  • 兵庫県「訪問介護の手引き(令和6年4月)」(平成12年3月1日 老企第36号「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準…実施上の留意事項について」の該当部分を収録)

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf27/documents/houmonkaigotebiki.pdf

  • 岡山市「訪問介護 集団指導資料」(通院等乗降介助・院内介助の取扱い/老企第36号第2の2(7)(8)を引用)

https://www.city.okayama.jp/jigyosha/cmsfiles/contents/0000056/56311/houmonkaigo2.pdf

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