【訪問看護】ケアプラン第2表の文例集|介護保険と医療保険の切り分け(コピペ可/36場面)

訪問看護のケアプラン第2表の文例集。介護保険と医療保険の切り分け サービス別文例

訪問看護の第2表で手が止まるのは、たいてい欄の書き方ではなく、その手前です。この方は介護保険の訪問看護なのか、医療保険の訪問看護なのか。ここが決まらないと、書いた回数がそのまま動くのかどうかも決まりません。

判断の順番はひとつです。要介護・要支援の認定を受けていれば原則は介護保険。ただし「別表第7の疾病等」「特別訪問看護指示書が出ている期間」「認知症を除く精神疾患」の3つに当たると医療保険に移ります。

この記事では、訪問看護を位置づけるときの第2表を36場面の文例セットにまとめました。1つの場面につき「ニーズ→長期目標→短期目標→サービス内容」の4行がそろっています。近い場面を探して行ごとコピーし、ご本人の暮らしに合わせて整えてお使いください。

ケアプラン第2表の様式全体。ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容の4つの欄の位置を示した図
この記事の文例は、第2表の①ニーズ ②長期目標 ③短期目標 ④サービス内容 の4つの欄にそのまま入ります(1つの場面につき4行セット)
  1. その前に:介護保険か、医療保険か
  2. 場面1 退院直後・在宅療養の立ち上げ
    1. 01 退院は決まったが、家で体調を見てもらえるか不安
    2. 02 病院で決まった手順が、在宅の事業所に伝わっていない
    3. 03 退院直後だけ、毎日の処置が必要
    4. 04 独居で、退院後の生活を組み立てられない
  3. 場面2 病状の観察と、悪化の早い発見
    1. 05 体重が増えると入院になる(心不全)
    2. 06 血糖の状態が受診まで分からない
    3. 07 むせこみが増え、肺炎を繰り返している
    4. 08 夏場に食欲が落ち、水分が足りない
  4. 場面3 服薬の管理
    1. 09 薬が残っているのに、飲んだと言う
    2. 10 副作用が心配で、自分で薬をやめてしまう
    3. 11 インスリンの自己注射が不確実になってきた
  5. 場面4 医療処置・特別な管理が必要な方
    1. 12 胃ろうからの注入を家族が担っている
    2. 13 尿道留置カテーテルの管理が必要
    3. 14 在宅酸素療法を始めたばかり
    4. 15 人工肛門の管理を自分で続けたい
    5. 16 褥瘡ができ、処置が必要になった
    6. 17 気管カニューレを使い、吸引が必要
    7. 18 医療用麻薬で痛みを抑えている
  6. 場面5 清潔・口腔・排泄と食事
    1. 19 医療処置があって、通所での入浴が難しい
    2. 20 足の爪が厚くなり、自分で切れない
    3. 21 口の中が汚れ、食べる量が減った
    4. 22 便秘が続き、そのたびに具合が悪くなる
    5. 23 むせが強くなり、食事の形を変える必要が出てきた
  7. 場面6 リハビリ職(PT・OT・ST)による訪問
    1. 24 退院直後で、家の中の動きが戻っていない
    2. 25 家の中の段差や動線に合わせた練習がしたい
    3. 26 言葉が出にくく、家族との会話が減った
    4. 27 訪問リハビリテーションと迷っている
  8. 場面7 認知症・精神面の支援
    1. 28 認知症があり、医療処置の管理が難しい
    2. 29 気分の落ち込みが続き、受診が途切れている
  9. 場面8 終末期・看取り期
    1. 30 最期は自宅で過ごしたい
    2. 31 痛みが強くなり、夜眠れない
    3. 32 家族が「その時」に何をすればいいか分からない
    4. 33 本人の意思をどこまで確認できているか不安
  10. 場面9 介護する家族の支援と、24時間の備え
    1. 34 夜間に何かあったらと思うと眠れない
    2. 35 家族が処置の手順を覚えきれない
    3. 36 老老介護で、介護している側の体調も心配
  11. ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)
    1. コツ1:どちらの保険かを決めてから、第2表を書く
    2. コツ2:目標に検査の数値を書かない
    3. コツ3:「観察する」で止めず、気づいた後まで書く
    4. コツ4:ケアプランへの位置づけが関わる加算がある
    5. コツ5:リハビリ職の訪問を、訪問リハビリテーションと混ぜない
    6. コツ6:時間と回数を、第3表に落とせる形にしておく
    7. 運営指導で見られやすいポイント
    8. 現場のひとこと
  12. 参考・出典
  13. あわせて読みたい

その前に:介護保険か、医療保険か

介護保険の給付は医療保険の給付に優先します。要介護被保険者等は原則として介護保険の訪問看護で、医療保険に移るのは末期の悪性腫瘍、難病等、急性増悪等による主治医の指示があった場合などに限られます。

医療保険になる3つのケースを、判断が早い順に並べます。

  • 特別訪問看護指示書の交付を受けている期間。主治医が急性増悪等により一時的に頻回(週4日以上)の訪問看護が必要と認めて交付するもので、有効期間は14日間が限度です(医師の判断で14日より短い期間になることもあります)。原則として月1回までですが、気管カニューレを使用している状態にある方と、真皮を超える褥瘡の状態にある方は月2回まで交付を受けられ、この場合は通算28日間、つまりひと月のほぼ全期間が医療保険になります。
  • 別表第7(厚生労働大臣が定める疾病等)に該当する場合。正式には「特掲診療料の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号)の別表第七です。
  • 認知症を除く精神疾患があり、精神科を標榜する保険医療機関の医師から交付された精神科訪問看護指示書に基づく訪問。

別表第7に挙がっているのは次の20です(告示の記載どおり)。

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))
  • 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
  • プリオン病
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頸髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態

見落としやすいのはパーキンソン病です。病名がついているだけでは足りず、ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上、かつ生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度という限定がついています。ここは主治医に確認する場所で、ケアマネジャーが判断する場所ではありません。

もうひとつ、入口の確認です。訪問看護は訪問看護指示書がなければ始まりません。有効期間は6か月が限度とされています。指示書が切れれば訪問も止まるため、更新の時期は支援経過に控えておきます。

場面1 退院直後・在宅療養の立ち上げ

退院後の2週間は、訪問看護がいちばん働く時期です。回数を厚めにして、落ち着いたら見直す前提で書きます。

01 退院は決まったが、家で体調を見てもらえるか不安

【こんな場面】要介護3・70代男性。心不全で入院。退院後も服薬と水分の管理が続く。

  • ニーズ:また入院するのが怖いので、家で体の状態を見てもらいながら暮らしたい。
  • 長期目標:体調の変化に早く気づける体制のもとで、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:退院後1か月、週2回の訪問で体重とむくみを記録し、主治医から示された目安を超えた日は当日中に看護師へ伝えられる。
  • サービス内容:訪問看護=バイタルサインの測定、体重・むくみ・息切れの観察、服薬状況の確認、主治医への報告/ケアマネジャー=退院後2週間は週1回連絡し、生活の様子を確認する。

02 病院で決まった手順が、在宅の事業所に伝わっていない

【こんな場面】要介護4・80代女性。胃ろう造設後の退院。

  • ニーズ:家族のそばで過ごしたいので、退院した日から病院と同じ手順でケアを受けたい。
  • 長期目標:病院で決まった手順が在宅でも続き、自宅での療養生活を送れる。
  • 短期目標:退院後1週間以内に手順書が関係者にそろい、栄養剤の注入を毎日決まった時間に行える。
  • サービス内容:訪問看護=退院前カンファレンスへの参加、病棟看護師からの手技の引き継ぎ、家族への注入手順の説明/ケアマネジャー=退院前カンファレンスの日程調整と手順書の共有。

※退院時に病院の医師等と共同して在宅療養上の指導を行った場合、訪問看護には退院時共同指導加算(1回600単位)があります。算定できるのは訪問看護ステーションで、病院・診療所からの訪問看護にはこの加算がありません。また、カンファレンスに出ただけでは付かず、退院後の初回の訪問看護を行ってはじめて算定できます(初回加算を算定する場合は算定できません)。日程調整はケアマネジャーが担うことが多いので、退院の連絡を受けた時点で訪問看護に声をかけておきます。

なお、退院した日に訪問看護を算定できるのは、厚生労働大臣が定める状態にある方か、主治医が退院した日の訪問看護が必要と認めた方に限られます。この「定める状態」は在宅麻薬等注射指導管理や在宅気管切開患者指導管理を受けている状態、気管カニューレまたは留置カテーテルを使用している状態(特別管理加算(Ⅰ)の対象となる状態)で、胃ろうによる経管栄養はここには含まれません。退院日に入れたい時は、主治医に一言確認しておくと確実です。

03 退院直後だけ、毎日の処置が必要

【こんな場面】要介護4・80代男性。退院直後で創部の処置が毎日必要。

  • ニーズ:傷の手当てを続けながら、家での暮らしを始めたい。
  • 長期目標:処置が落ち着き、週2回の訪問で自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:指示書の期間中は毎日処置を受け、14日後に訪問の頻度を主治医と見直せる。
  • サービス内容:訪問看護=創部の処置と観察、家族への手順の説明/主治医=特別訪問看護指示書の交付と期間終了時の再評価/ケアマネジャー=期間終了後の訪問回数を担当者会議で確認する。

※特別訪問看護指示書が出ている期間の訪問看護は医療保険からの給付になり、その期間は介護保険の訪問看護費を算定しません。給付管理から外れることは制度で決まっています。分かれるのはその先です。医療保険に移っている14日間を第2表・第3表に残すのか、いったん外して変更の手続きを取るのかは保険者によって求められ方が違うため、担当課へ確認してください。

04 独居で、退院後の生活を組み立てられない

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。糖尿病の治療で入院していた。

  • ニーズ:ひとり暮らしを続けたいので、体調のことを相談できる相手がほしい。
  • 長期目標:体調の相談先が決まった状態で、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:週1回の訪問で食事と服薬の状況を一緒に確認し、困りごとを次の受診日までに整理できる。
  • サービス内容:訪問看護=血糖値・食事内容・服薬状況の確認、受診時に伝える内容の整理、主治医への情報提供/ケアマネジャー=受診同行の必要性を毎月確認する。

場面2 病状の観察と、悪化の早い発見

「観察します」で止めないことが、この章のすべてです。気づいた後に誰へどう伝えるかまで書きます。

05 体重が増えると入院になる(心不全)

【こんな場面】要介護2・80代男性。慢性心不全。過去2年で3回入院。

  • ニーズ:入院のたびに歩けなくなるので、悪くなる前に手を打ちたい。
  • 長期目標:早めに変化を伝えられる体制のもとで、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:毎朝の体重測定を週6日以上続け、主治医から示された目安を超えた日は看護師へ連絡できる。
  • サービス内容:訪問看護=体重・血圧・むくみ・呼吸状態の観察、記録表の確認、主治医への報告と受診の調整/本人・家族=毎朝の体重測定と記録表への記入。

06 血糖の状態が受診まで分からない

【こんな場面】要介護2・70代男性。2型糖尿病。内服と食事療法を継続中。

  • ニーズ:合併症で目や足を悪くしたくないので、日々の様子を見てもらいたい。
  • 長期目標:血糖の状態と生活の関係が本人にも分かる状態で、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:週1回の訪問で食事内容と測定値をふり返り、受診日に主治医へ渡す記録を毎回そろえられる。
  • サービス内容:訪問看護=血糖測定値と食事内容の確認、足の観察、受診時に伝える内容の整理/主治医=訪問看護指示書に基づく指示と受診時の評価。

07 むせこみが増え、肺炎を繰り返している

【こんな場面】要介護3・80代女性。誤嚥性肺炎で2回入院。

  • ニーズ:口から食べ続けたいので、むせにくい食べ方を知りたい。
  • 長期目標:むせこみの回数が減り、口から食べる生活を続けられる。
  • 短期目標:食事中の姿勢と一口量の助言を受け、むせこみのあった回数を毎日記録できる。
  • サービス内容:訪問看護=食事場面の観察、姿勢・一口量・とろみの助言、呼吸音と発熱の確認、変化があった時の主治医への連絡/家族=食事中のむせこみの記録。

08 夏場に食欲が落ち、水分が足りない

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。夏に脱水で救急搬送された経過がある。

  • ニーズ:また救急車を呼ぶ事態は避けたいので、体の水分の状態を見てもらいたい。
  • 長期目標:脱水を早く見つけられる体制のもとで、夏を自宅で過ごせる。
  • 短期目標:1日の水分摂取量を記録し、目安に届かない日が2日続いた時点で看護師へ連絡できる。
  • サービス内容:訪問看護=皮膚や口の中の乾き・尿の量と色・体重の観察、水分の取り方の助言、主治医への報告/ケアマネジャー=7月から9月は訪問回数の見直しを毎月検討する。

場面3 服薬の管理

飲めていないのか、飲みたくないのか。理由が違えば、書くサービス内容も変わります。

09 薬が残っているのに、飲んだと言う

【こんな場面】要介護2・80代女性。独居。もの忘れがある。処方薬が5種類。

  • ニーズ:薬のことで家族に心配をかけたくないので、きちんと飲める形にしたい。
  • 長期目標:飲み忘れが減った状態で、ひとり暮らしを続けられる。
  • 短期目標:週2回の訪問で残薬を数え、1週間の飲み残しを2回以内に減らせる。
  • サービス内容:訪問看護=残薬の確認と一包化された薬のセット、飲み忘れの多い時間帯の把握、主治医・薬剤師への報告/ケアマネジャー=居宅療養管理指導の追加を主治医・薬局と相談する。

10 副作用が心配で、自分で薬をやめてしまう

【こんな場面】要介護1・70代男性。処方が変わってから服薬を自己中断している。

  • ニーズ:体に合わない薬は飲みたくないので、不安を相談できる相手がほしい。
  • 長期目標:疑問をその場で相談できる状態で、治療を続けられる。
  • 短期目標:気になった症状を書き留め、次の訪問時に看護師へ伝えられる回数を月2回以上にできる。
  • サービス内容:訪問看護=服薬状況と体調の確認、気になる症状の聞き取り、自己判断で中止する前に相談するよう説明、主治医への報告。

※薬をやめてよいかどうかは主治医の判断です。ケアプランには「相談できる」までを書き、判断そのものは書きません。

11 インスリンの自己注射が不確実になってきた

【こんな場面】要介護2・80代男性。インスリン自己注射。手指の震えがある。

  • ニーズ:注射を続けて自宅で暮らしたいので、失敗しない方法を教えてほしい。
  • 長期目標:注射の手順が安定した状態で、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:朝の訪問時に手順を一緒に確認し、単位の確認方法を本人と家族が説明できるようになる。
  • サービス内容:訪問看護=注射手技の確認と指導、注射部位の観察、低血糖時の対応の説明、主治医への報告/家族=手技を1か月以内に習得する。

場面4 医療処置・特別な管理が必要な方

処置そのものより、「誰がやるか」「困った時に誰へ連絡するか」を書き分けます。

12 胃ろうからの注入を家族が担っている

【こんな場面】要介護5・80代女性。胃ろうから栄養剤を注入。同居の娘が実施。

  • ニーズ:家族の手で栄養を届けながら、自宅で過ごしたい。
  • 長期目標:注入と胃ろう周囲の管理が続き、自宅での療養生活を送れる。
  • 短期目標:週2回の訪問で胃ろう周囲の皮膚を確認し、発赤が出た時は当日中に連絡できる。
  • サービス内容:訪問看護=胃ろう周囲の皮膚の観察と処置、注入手順の確認、家族への助言、主治医への報告/家族=1日3回の注入と記録。

13 尿道留置カテーテルの管理が必要

【こんな場面】要介護4・80代男性。尿道留置カテーテルを使用。同居の妻が介護。

  • ニーズ:尿の管を入れたままでも、家で過ごしたい。
  • 長期目標:尿路感染などのトラブルを早く見つけられる体制のもとで、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:週2回の訪問で尿量・尿の性状・発熱を確認し、にごりや発熱がある時は当日中に主治医へ連絡できる。
  • サービス内容:訪問看護=カテーテルと蓄尿バッグの管理、尿量・性状の観察、陰部の清潔保持、家族への取り扱いの説明、主治医への報告。

14 在宅酸素療法を始めたばかり

【こんな場面】要介護2・70代男性。慢性閉塞性肺疾患。在宅酸素療法を導入。

  • ニーズ:息苦しさを抑えながら、自分の家で暮らし続けたい。
  • 長期目標:酸素の使い方が生活に定着した状態で、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:外出時と入浴時の流量の切り替えを1人で行える日を、週5日以上にできる。
  • サービス内容:訪問看護=呼吸状態と経皮的動脈血酸素飽和度の測定、機器の使用状況の確認、息切れが強い時の対応の説明、主治医への報告/福祉用具=機器の点検(供給事業者)。

15 人工肛門の管理を自分で続けたい

【こんな場面】要介護2・70代女性。人工肛門を造設。装具交換は自分で行っている。

  • ニーズ:人に見られたくないので、自分で装具を替えられる状態を続けたい。
  • 長期目標:装具の交換を自分で続け、外出できる生活を保てる。
  • 短期目標:週1回の訪問で皮膚の状態を確認し、装具の漏れを月1回以内に減らせる。
  • サービス内容:訪問看護=ストーマ周囲の皮膚の観察、装具交換の手技の確認、漏れが続く時の装具の見直しを主治医・専門看護師と相談。

16 褥瘡ができ、処置が必要になった

【こんな場面】要介護4・80代女性。仙骨部に褥瘡がある。同居の夫が介護。

  • ニーズ:痛みを減らして、家のベッドで安心して眠りたい。
  • 長期目標:褥瘡の悪化を防ぐケアが続き、自宅での療養生活を送れる。
  • 短期目標:週3回の処置を受け、日中2時間ごとの体位変換を家族と訪問介護で続けられる。
  • サービス内容:訪問看護=褥瘡の処置と評価、体位変換とマットレスの助言、栄養状態の確認、主治医への報告/福祉用具貸与=体圧分散マットレスの導入/訪問介護=おむつ交換時の皮膚の観察と報告。

※真皮を超える褥瘡の状態にある方は、特別訪問看護指示書を月2回まで交付できる対象です。処置の頻度を急に上げる必要が出た時は、主治医に相談する場面だと覚えておきます。

17 気管カニューレを使い、吸引が必要

【こんな場面】要介護5・70代男性。気管カニューレを使用。吸引を家族が実施。

  • ニーズ:家族と一緒に暮らし続けたいので、呼吸を安全に保ちたい。
  • 長期目標:吸引と気管カニューレの管理が続き、自宅での療養生活を送れる。
  • 短期目標:週3回の訪問で呼吸状態を確認し、家族が吸引の手順に迷う場面をなくせる。
  • サービス内容:訪問看護=気管カニューレ周囲の観察と交換の介助、吸引と手技の指導、呼吸音の確認、主治医への報告/家族=日中の吸引と記録。

18 医療用麻薬で痛みを抑えている

【こんな場面】要介護3・60代女性。末期の悪性腫瘍。医療用麻薬を使用。

  • ニーズ:痛みに振り回されず、家族と過ごす時間を持ちたい。
  • 長期目標:痛みが和らいだ時間を保ち、自宅で過ごしたいという希望を続けられる。
  • 短期目標:痛みの強さを1日3回記録し、和らがない時は主治医の指示に沿って追加の薬を使えるようになる。
  • サービス内容:訪問看護=痛みの評価と記録の確認、麻薬の管理と副作用の観察、家族への使い方の説明、主治医への報告と指示の確認。

※末期の悪性腫瘍は別表第7に該当するため、この方の訪問看護は医療保険からの給付になり、介護保険の区分支給限度基準額は使いません。それでも第2表に位置づけておくと、他のサービスとの役割分担を担当者会議で共有できます。

場面5 清潔・口腔・排泄と食事

「訪問看護でお風呂」は珍しくありません。医療的な理由があるかどうかを、サービス内容から読み取れるようにします。排泄と食事も、目標は「排便があった」ではなく暮らしがどう変わるかで書きます。

19 医療処置があって、通所での入浴が難しい

【こんな場面】要介護3・80代男性。胸部にドレーンの挿入部がある。通所での入浴を断られた。

  • ニーズ:さっぱりしたいので、体を洗ってもらえる方法がほしい。
  • 長期目標:清潔を保った状態で、皮膚のトラブルなく自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:週2回の入浴介助を受け、挿入部を濡らさずに入浴できる。
  • サービス内容:訪問看護=入浴前後のバイタル確認、挿入部の保護と観察、入浴介助、主治医への報告。

20 足の爪が厚くなり、自分で切れない

【こんな場面】要介護2・80代男性。糖尿病がある。足の爪が変形している。

  • ニーズ:足を悪くして歩けなくなりたくないので、足の手入れを続けたい。
  • 長期目標:足のトラブルを早く見つけられる体制のもとで、歩いて外出する生活を保てる。
  • 短期目標:月2回の足のケアを受け、傷や水ぶくれがない状態を保てる。
  • サービス内容:訪問看護=足の観察(傷・変色・感覚の確認)、爪と皮膚のケア、靴と靴下の助言、異常があれば主治医へ報告。

※糖尿病がある方の足のケアは、小さな傷が大きな問題につながることがあります。爪切りをどこまで訪問看護が行うかは、皮膚の状態や主治医の指示によって変わります。

21 口の中が汚れ、食べる量が減った

【こんな場面】要介護4・80代女性。自分で歯みがきができない。食事量が減っている。

  • ニーズ:おいしく食べたいので、口の中を気持ちよくしておきたい。
  • 長期目標:口の中の状態が整い、食事を楽しめる生活を続けられる。
  • 短期目標:毎日の口腔ケアが続き、食事を半分以上食べられる日を週5日以上にできる。
  • サービス内容:訪問看護=口の中の観察と口腔ケア、家族と訪問介護への手順の伝達、必要に応じて歯科への受診を提案/訪問介護=毎食後の口腔ケア。

※訪問看護には口腔連携強化加算があり、口の中の状態を歯科医療機関やケアマネジャーへ情報提供する取り組みが評価されています。むせや食事量の低下に気づいた時は、歯科につなぐ相談先として訪問看護を思い出してください。

22 便秘が続き、そのたびに具合が悪くなる

【こんな場面】要介護3・80代女性。便秘が続くと食欲が落ち、嘔吐することがある。

  • ニーズ:おなかが張って苦しいのがつらいので、すっきり過ごしたい。
  • 長期目標:排便のリズムが整い、食事がとれる状態で自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:腹部の張りで食事を抜く日をなくし、3食とれる日を週5日以上にできる。
  • サービス内容:訪問看護=腹部の観察、排便状況の確認、必要時の処置(主治医の指示に基づく)、水分・食事・体を動かす方法の助言/訪問介護=排便の有無の記録。

23 むせが強くなり、食事の形を変える必要が出てきた

【こんな場面】要介護3・80代女性。脳梗塞後。嚥下機能が低下している。

  • ニーズ:家族と同じ食卓につきたいので、食べられる形を見つけたい。
  • 長期目標:本人に合った食事の形が定まり、家族と一緒に食事をする時間を保てる。
  • 短期目標:食事の形態ととろみの濃さを2週間試し、むせこみのある食事を1日1回以内に減らせる。
  • サービス内容:訪問看護=食事場面の観察、とろみの濃さと姿勢の助言、発熱の有無の確認、言語聴覚士や主治医への相談/家族=食事内容とむせこみの記録。

場面6 リハビリ職(PT・OT・ST)による訪問

訪問看護ステーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問する場合、費用は「訪問看護費」として扱われます。訪問リハビリテーションとは別のサービスなので、第2表でも書き分けます。

訪問看護からリハビリ職を出すには入口の条件があります。通所リハだけでは家の中の生活動作の自立が難しく、看護職員とリハビリ職が連携して家の状況を確認する必要がある、とケアマネジメントで判断された場合です。また、初回の訪問は看護職員が行うのが原則で、少なくとも概ね3か月に1回は看護職員が訪問して状態を評価することとされています。第2表にはリハビリ職の訪問だけでなく、看護職員の訪問も位置づけておきます。

24 退院直後で、家の中の動きが戻っていない

【こんな場面】要介護2・70代男性。大腿骨頸部骨折の術後。退院して2週間。

  • ニーズ:また自分でトイレに行きたいので、家の中を安全に歩けるようになりたい。
  • 長期目標:家の中を自分で移動でき、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:3か月後に、寝室からトイレまでを手すりを使って自分で移動できる。
  • サービス内容:訪問看護(理学療法士による訪問)=下肢の筋力・バランスの評価、自宅の動線に合わせた歩行練習、自主練習メニューの作成/福祉用具貸与=手すりの設置。

25 家の中の段差や動線に合わせた練習がしたい

【こんな場面】要介護2・80代女性。玄関の上がりかまちで転びかけた。

  • ニーズ:外出をあきらめたくないので、玄関を安全に出入りできるようになりたい。
  • 長期目標:自分で玄関を出入りでき、週1回の外出を続けられる。
  • 短期目標:3か月後に、手すりを使って玄関の段差を1人で昇降できる。
  • サービス内容:訪問看護(作業療法士による訪問)=自宅環境の評価、玄関での動作練習、生活動作の手順の見直し/福祉用具貸与=玄関の手すり。

26 言葉が出にくく、家族との会話が減った

【こんな場面】要介護3・70代男性。脳梗塞後の失語症。

  • ニーズ:家族と話したいので、伝えたいことを伝えられるようになりたい。
  • 長期目標:本人に合った伝え方が定まり、家族との会話を続けられる。
  • 短期目標:3か月後に、日常でよく使う20語を絵カードと組み合わせて伝えられる。
  • サービス内容:訪問看護(言語聴覚士による訪問)=言語機能の評価、コミュニケーション手段の検討と練習、家族への話しかけ方の助言。

27 訪問リハビリテーションと迷っている

【こんな場面】要介護2・70代女性。廃用症候群。医療的な観察も必要な状態。

  • ニーズ:体力を戻したいが、体調のことも見てもらいたい。
  • 長期目標:体調を確認しながら運動を続け、自宅での生活を保てる。
  • 短期目標:3か月後に、連続して10分間の歩行ができる。
  • サービス内容:訪問看護(理学療法士による訪問)=運動機能の評価と練習、運動前後のバイタル確認/訪問看護(看護師)=月2回の状態確認と主治医への報告。

場面7 認知症・精神面の支援

「服薬管理」と書きたくなる場面ほど、本人がどうしたいのかを先に置きます。

28 認知症があり、医療処置の管理が難しい

【こんな場面】要介護3・80代女性。認知症。心疾患があり毎日の内服が必要。

  • ニーズ:入院はしたくないので、家で薬を続けられる形にしたい。
  • 長期目標:内服が続き、自宅での生活を保てる。
  • 短期目標:週3回の訪問と服薬カレンダーの併用で、飲み忘れを週2回以内に減らせる。
  • サービス内容:訪問看護=服薬カレンダーへのセットと残薬の確認、体調の観察、主治医・薬剤師への報告/訪問介護=朝の声かけと服薬の見守り。

29 気分の落ち込みが続き、受診が途切れている

【こんな場面】要介護1・70代男性。うつ症状があり、通院が途切れがち。

  • ニーズ:家に閉じこもったままにしたくないので、話を聞いてくれる人にきてほしい。
  • 長期目標:気持ちの状態を相談できる関係が続き、通院を継続できる。
  • 短期目標:週1回の訪問を3か月続け、月1回の受診を欠かさずに行ける。
  • サービス内容:訪問看護(精神科訪問看護)=生活リズムと気分の状態の確認、服薬状況の確認、受診の調整、主治医への報告。

※認知症を除く精神疾患を対象とする精神科訪問看護は、精神科を標榜する保険医療機関の医師が交付する精神科訪問看護指示書に基づいて行われ、医療保険からの給付になります。指示書も請求の仕組みも介護保険の訪問看護とは別です。居宅介護支援の基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第4号は、介護給付等対象サービス以外の保健医療サービスも居宅サービス計画に位置づけるよう努めなければならないとしています。載せるかどうかは迷う場所ではなく、載せる前提です。第2表のサービス内容として書くのか、第1表の総合的な援助の方針に留めるのかという書き方の部分は運用が分かれます。保険者と精神科の主治医に確認してください。

場面8 終末期・看取り期

看取り期は、目標を「長く生きる」に置きません。どこで、どんな時間を過ごしたいかで書きます。

なお、末期の悪性腫瘍は別表第7に該当するため、看取り期の訪問看護は医療保険からの給付になっていることが多くあります。24時間の連絡体制も看取りの評価も、介護保険ではなく医療保険側の仕組み(24時間対応体制加算・訪問看護ターミナルケア療養費)で動きます。同じ月に両方は算定できません。

30 最期は自宅で過ごしたい

【こんな場面】要介護4・70代男性。末期の悪性腫瘍。自宅での看取りを希望。

  • ニーズ:住み慣れた家で、家族のそばで最期まで過ごしたい。
  • 長期目標:痛みや息苦しさが和らいだ状態で、自宅で過ごしたいという希望を続けられる。
  • 短期目標:24時間連絡できる体制が整い、家族が不安な時にいつでも相談できる。
  • サービス内容:訪問看護=症状の観察と緩和のケア、24時間の連絡体制の確保、家族への説明と支え、主治医との連絡調整/ケアマネジャー=急変時の連絡手順を書面にして家族と共有する。

31 痛みが強くなり、夜眠れない

【こんな場面】要介護4・60代女性。末期の悪性腫瘍。夜間の痛みが強い。

  • ニーズ:夜に眠りたいので、痛みを我慢しない方法を知りたい。
  • 長期目標:痛みが和らいだ夜を過ごし、日中に家族と話す時間を持てる。
  • 短期目標:痛みで目が覚める夜を、2週間で週3回以内に減らせる。
  • サービス内容:訪問看護=痛みの評価と記録、主治医の指示に沿った薬の使用と副作用の観察、体位や寝具の調整、主治医への報告/家族=夜間の様子の記録。

32 家族が「その時」に何をすればいいか分からない

【こんな場面】要介護4・80代男性。自宅での看取りの方針。同居の妻が不安を訴える。

  • ニーズ:慌てて救急車を呼んでしまいそうなので、そうなる前に心の準備をしておきたい。
  • 長期目標:これから起きる変化を家族が知った状態で、自宅での看取りに向き合える。
  • 短期目標:1か月以内に、呼吸や意識の変化が起きた時の連絡先と手順を家族が説明できる。
  • サービス内容:訪問看護=これから予測される変化の説明、連絡手順の書面の作成、家族の不安の聞き取り/主治医=方針の説明と急変時の対応の確認。

33 本人の意思をどこまで確認できているか不安

【こんな場面】要介護3・80代女性。心不全が進行。本人はまだ自分で意思を伝えられる。

  • ニーズ:自分のことは自分で決めたいので、これからの過ごし方を家族と話しておきたい。
  • 長期目標:本人の希望が家族と関係者に共有された状態で、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:3か月以内に、本人・家族・主治医・訪問看護で話し合いの場を1回以上持てる。
  • サービス内容:訪問看護=本人の希望の聞き取りと記録、家族との話し合いへの同席/主治医=病状と今後の見通しの説明/ケアマネジャー=話し合いの場の調整と内容の記録。

場面9 介護する家族の支援と、24時間の備え

家族が倒れると在宅は止まります。介護者の状態も、本人のニーズの文脈で書けます。

34 夜間に何かあったらと思うと眠れない

【こんな場面】要介護4・80代女性。同居の夫が介護。夜間の急変を心配している。

  • ニーズ:夜に不安なく過ごしたいので、いつでも相談できる先がほしい。
  • 長期目標:夜間の連絡先が定まった状態で、自宅での生活を続けられる。
  • 短期目標:24時間の連絡体制を利用し、夫が夜間に不安で眠れない日を週2回以内に減らせる。
  • サービス内容:訪問看護=24時間の連絡体制の確保、緊急時の訪問、連絡の目安を書いた一覧の作成/ケアマネジャー=連絡先の一覧を電話機のそばに置く。

※24時間の対応体制は、訪問看護の緊急時訪問看護加算として評価されています。訪問看護ステーションの5割強が加算(Ⅰ)を、3割強が加算(Ⅱ)を算定しており、あわせて8割を超える事業所が24時間の連絡体制を届け出ています(令和7年11月審査分)。多くの事業所にある体制なので、「あるかどうか」ではなく「どちらの体制か」を確認する場面だと考えてください。

35 家族が処置の手順を覚えきれない

【こんな場面】要介護4・80代男性。経管栄養。同居の娘が手技を覚えている途中。

  • ニーズ:家族に手当てをしてもらいながら、家で過ごしたい。
  • 長期目標:家族が処置を続けられる状態で、自宅での療養生活を送れる。
  • 短期目標:2か月以内に、娘が手順書を見ずに一連の処置を行えるようになる。
  • サービス内容:訪問看護=手技の指導と確認、写真つきの手順書の作成、迷った時の連絡先の説明/ケアマネジャー=娘の負担を毎月確認し、訪問回数の見直しを検討する。

36 老老介護で、介護している側の体調も心配

【こんな場面】要介護3・80代女性。同居の夫(80代)が介護。夫にも持病がある。

  • ニーズ:夫に無理をさせたくないので、2人で暮らし続けられる形にしたい。
  • 長期目標:介護が夫1人に集中しない体制のもとで、2人での在宅生活を続けられる。
  • 短期目標:夫が介助を担う場面を1日2回までに減らし、夫が自分の受診に月1回行ける。
  • サービス内容:訪問看護=本人の健康状態の観察と処置、夫の体調と疲れの確認/訪問介護=入浴と排せつの介助/短期入所生活介護=月1回・2泊3日の利用。

※訪問看護と通い・泊まり・訪問介護をひとつの事業所でまとめたい場合は、看護小規模多機能型居宅介護という選択肢もあります。ただし利用を始めると、ケアプランの作成は看護小規模多機能型居宅介護の介護支援専門員に移り、居宅介護支援は終了します。本人・家族に説明する時は、担当が変わる点まで含めて伝えます。

ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)

すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。訪問看護ならではの、迷いやすい6つの論点をまとめました。

コツ1:どちらの保険かを決めてから、第2表を書く

📝 確認するのは3つ。①訪問看護指示書はあるか(有効期間は6か月が限度)、②別表第7の疾病等に該当するか、③特別訪問看護指示書が出ていないか。②③に当たれば医療保険となり、介護保険の区分支給限度基準額は使いません。限度額の中で組み立てられると思って第3表まで作った後に「この方は医療保険でした」と分かると、回数も費用の説明もやり直しになります。病名だけで決めず、主治医と訪問看護に確認するのがいちばん早い道です。

コツ2:目標に検査の数値を書かない

❌ 短期目標:血圧を130/80mmHg未満に保てる。

⭕ 短期目標:起床時と就寝前の血圧を週5日以上記録し、ふらついた日の状況を看護師へ伝えられる。

📝 検査の数値をどこまで下げるかは、主治医が病状を診て決める領域です。ケアプランの目標に数値を書くと、届かなかった時に「誰の責任か」があいまいになります。ケアマネジャーが書けるのは、記録が続くこと・変化を伝えられること・受診が途切れないこと。本人と家族が自分の行動で達成できる範囲に目標を置きます。

コツ3:「観察する」で止めず、気づいた後まで書く

❌ サービス内容:訪問看護=バイタルチェック、健康状態の観察。

⭕ サービス内容:訪問看護=血圧・体重・むくみの観察、目安を超えた場合の主治医への報告と受診の調整。

📝 訪問看護の値打ちは、観察そのものより「気づいた後に動けること」にあります。報告先(主治医・ケアマネジャー・家族)と、報告のきっかけになる目安(体重の増加、発熱、尿のにごりなど)をサービス内容に1つ入れておくと、担当者会議でも役割分担が決まります。

コツ4:ケアプランへの位置づけが関わる加算がある

📝 訪問看護には、体制や状態に対する加算があります。ケアマネジャーが押さえたいのは主に3つです。

  • 緊急時訪問看護加算:24時間の連絡体制と緊急時の訪問への評価。利用者の同意が必要なので、体制を使うことを担当者会議で共有しておきます。
  • 特別管理加算:特別な管理を要する状態(在宅酸素療法、留置カテーテル、人工肛門、真皮を超える褥瘡など)への評価。該当する処置がある方は、第2表のサービス内容にその処置を書くと状態像が伝わります。
  • ターミナルケア加算:死亡日および死亡日前14日以内に2日以上のターミナルケアを行った場合の評価。看取りの方針が決まった時点で、訪問看護と手順を確認しておきます。

算定するのは事業所ですが、費用が変わればご本人・ご家族への説明も変わります。位置づける前に、事業所がどの体制を届け出ているかを確認しておきます。

なお、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算は、いずれも区分支給限度基準額の枠外です。限度額の計算には入らないので、他のサービスを削る必要はありません。ただし利用者負担そのものは増えるため、説明は必要です。どの加算をケアプランのどこに(第2表のサービス内容か、第1表の総合方針か)書くかは事業所と保険者で運用が分かれます。地域のやり方に合わせてください。

コツ5:リハビリ職の訪問を、訪問リハビリテーションと混ぜない

⭕ サービス内容:訪問看護(理学療法士による訪問)=下肢の筋力とバランスの評価、自宅の動線に合わせた歩行練習。

📝 訪問看護ステーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が行う訪問は、訪問看護費として算定されます。1回あたり20分以上、1人の利用者につき週6回が限度です。訪問リハビリテーションは、病院・診療所・介護老人保健施設等が医師の診察に基づいて行う別のサービス。第2表に「訪問リハビリ」とだけ書くと、どちらを指しているのか読み取れません。サービス名のうしろに「(理学療法士による訪問)」と添えるだけで区別がつきます。

なお令和6年度の介護報酬改定では、事業所のリハビリ職の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合などに減算が設けられました。看護職員の訪問がまったく入らない組み方は、制度の想定から外れていく方向にあります。

コツ6:時間と回数を、第3表に落とせる形にしておく

📝 訪問看護の時間区分は、20分未満・30分未満・30分以上1時間未満・1時間以上1時間30分未満に分かれています。押さえておく点を3つ。

  • 20分未満の訪問看護は、気管内吸引・導尿・経管栄養など、短時間で頻回の医療処置が必要な方を想定した区分です。単なる状態確認や健康管理では算定できません。算定できるのは、24時間対応できる体制として緊急時訪問看護加算を届け出ている事業所に限られ、さらに居宅サービス計画または訪問看護計画に、保健師または看護師による20分以上の訪問が週1回以上含まれている必要があります。20分未満だけを並べた計画は不適切とされているので、20分以上の訪問とセットで組みます。
  • 複数名訪問加算は、本人または家族等の同意を得ていることに加えて、①本人の身体的な理由で1人では訪問看護が難しい、②暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等がある、③①②に準ずる、のいずれかに当たる場合の評価です。体重が重い方を1人が支えながら処置を行う場面などが想定されており、単に2人で訪問しただけでは対象になりません。逆に、要件を満たしてケアプランに位置づけられていれば、算定回数の上限はありません。
  • 長時間訪問看護加算は、1時間30分を組めば自動的に付くものではありません。特別管理加算の対象になる状態の方に対して、1時間以上1時間30分未満の訪問に引き続き訪問し、通算した時間が1時間30分以上になった場合の評価です。しかもケアプランに1時間30分以上の訪問が位置づけられていないと算定できません。事後に時間が延びた分は対象外です。時間のかかる処置が想定される方は、第3表に落とす前に事業所と所要時間を確認しておきます。
  • 2時間ルール:前回の訪問看護から概ね2時間未満の間隔で訪問した場合、それぞれの所要時間を合算します。20分未満の訪問看護費を算定する場合と、状態の変化などで緊急の訪問を行う場合は除きます。第3表でいちばん事故が起きるルールなので、1日に2回入れる日は間隔を確認します。

第2表で「週2回」と決めたら、第3表でどの曜日・どの時間帯かまで具体にします。通所サービスや入浴の日と重ならないか、短期入所の利用日に予定が残っていないかも、この段階で見ておきます。

運営指導で見られやすいポイント

  • 訪問看護指示書があり、有効期間内のサービス提供になっているか。
  • 医療保険の対象となる方に、介護保険の訪問看護費で位置づけていないか。
  • 目標が「訪問看護を利用できる」になっていないか(手段と目標の混同)。
  • 目標に検査の数値が書かれ、達成の判断が本人・家族の努力に帰されていないか。
  • サービス内容に、観察した後の報告先が書かれているか。
  • リハビリ職による訪問を位置づけている場合、訪問看護からの訪問なのか訪問リハビリテーションなのかが読み取れるか。
  • 緊急時訪問看護加算を利用している場合、本人・家族の同意と担当者会議での共有の経過が残っているか。
  • 区分支給限度基準額を超えていないか(超える分は全額自己負担になります)。
  • 短期入所の利用日や入院期間に、訪問看護の予定が残ったままになっていないか。

現場のひとこと

訪問看護を入れて何が変わったかと家族に聞くと、返ってくるのは「聞ける人ができた」でした。処置の話でも数値の話でもありません。夜中に呼吸が変だと思った時、救急車を呼ぶ前に電話できる相手がいる。その1本があるかないかで、在宅を続けられる期間が変わります。第2表に24時間の連絡体制を書く時は、加算のためではなく、その1本の電話のためだと思って書いています。

※文例はあくまで参考です。どちらの保険の給付になるか、別表第7に該当するか、特別訪問看護指示書の交付の可否、加算の算定要件、訪問の時間や回数の可否は、ご本人の状態や事業所の体制、保険者の判断によって異なります。医療的な判断は主治医と訪問看護師の領域です。ご家族やサービス事業所、主治医、保険者と相談しながら整えてお使いください。

参考・出典

  • 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(令和8年3月10日版/医療保険と介護保険の訪問看護対象者のイメージ・別表第7・別表第8・特別訪問看護指示書)

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001671099.pdf

  • 厚生労働省老健局「訪問看護」社会保障審議会 介護給付費分科会 第259回(令和8年6月29日)資料3

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001716095.pdf

  • 厚生労働省 法令等データベース「特掲診療料の施設基準等」(平成20年3月5日 厚生労働省告示第63号)別表第七

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9733&dataType=0&pageNo=5

  • e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号/訪問看護事業所側の基準)

https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037

  • e-Gov法令検索「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号/居宅サービス計画への位置づけ)

https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038

  • 横浜市「令和8年6月版 運営の手引き 訪問看護/介護予防訪問看護」(20分未満の訪問看護・2時間ルール・長時間訪問看護加算・複数名訪問加算・退院時共同指導加算・退院日の取扱い/根拠告示と国Q&Aを収録)

https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/fukushi-kaigo/kaigo/shinsei/kyotaku/5tebiki/tebiki.files/tebiki_13.pdf

  • 厚生労働省 近畿厚生局「訪問看護療養費の取扱いの理解のために(令和3年度)」(訪問看護指示書の有効期間・特別訪問看護指示書・精神科訪問看護)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/gyomu/hoken_kikan/kango/3nenndohoumonnkangorikainotameni.pdf

  • 介護サービス情報公表システム(厚生労働省)「どんなサービスがあるの? – 訪問看護」

https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group4.html

  • 介護サービス情報公表システム(厚生労働省)「どんなサービスがあるの? – 訪問リハビリテーション」

https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group5.html

  • 介護サービス情報公表システム(厚生労働省)「どんなサービスがあるの? – 看護小規模多機能型居宅介護」

https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group24.html

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本記事は「ケアマネのタネ」編集部が、現場のケアマネジャー・社会福祉士の視点を持ち寄って作成しています。実在の利用者情報は使わず、すべて一般化した架空の文例として掲載しています。運営者の経歴と、文例を使うときの注意は運営者情報に記載しています。

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