ショートステイ(短期入所生活介護)を位置づけるときの第2表を、場面別に35本の文例セットにまとめました。1つの場面につき「ニーズ→長期目標→短期目標→サービス内容」の4行がそろっています。近い場面を探して行ごとコピーし、ご本人の暮らしに合わせて整えてお使いください。

先に、ショートならではの落とし穴を1つだけ。家族から「もう限界なので預かってほしい」と言われた時、ニーズ欄に「家族の介護負担を軽減する」と書きたくなります。けれど第2表のニーズは本人が主語です。目的は家族を休ませることそのものではなく、家族が休めることで本人の在宅生活が続くこと。この翻訳ができると、レスパイト目的の計画が書きやすくなります。
場面1 家族のレスパイト(介護者の休息)
一番多い利用目的です。「家族が休む」ではなく「本人が在宅生活を続ける」という筋で書きます。
01 妻の腰痛が悪化し、入浴の介助を続けられない
【こんな場面】要介護3・80代男性。介護者は腰痛のある妻(78歳)。
- ニーズ:妻の体を守りながら、これからも妻と2人での暮らしを続けたい。
- 長期目標:妻の介護の負担が偏らない形で、自宅での2人暮らしを続けられる。
- 短期目標:月2回・1泊2日の短期入所を利用し、入浴と体調確認を受けられる。
- サービス内容:短期入所生活介護=入浴介助・健康状態の確認・食事および服薬の支援/家族=利用日は通院や休息の時間にあてる。
02 同居の娘が仕事の休みを取れず、疲れがたまっている
【こんな場面】要介護2・80代女性。同居の娘は日中勤務で、帰宅後に介助。
- ニーズ:働きながら介護をしてくれる娘と、これからも同じ家で暮らし続けたい。
- 長期目標:娘が仕事と介護を続けられる形をつくり、自宅での生活を継続できる。
- 短期目標:月1回・2泊3日の短期入所を利用し、日中も夜間も安心して過ごせる。
- サービス内容:短期入所生活介護=食事・排せつ・入浴の介助と夜間の見守り/家族=利用日にまとまった睡眠と休息をとる。
03 夜間の見守りで介護者が眠れていない
【こんな場面】要介護3・80代男性。夜間のトイレ介助が3〜4回あり妻が寝不足。
- ニーズ:夜も安心して過ごせる時間をつくり、家族と一緒の生活を続けたい。
- 長期目標:夜間の介護が家族1人に集中しない体制のもとで、在宅生活を続けられる。
- 短期目標:月2回・2泊3日の短期入所で、夜間もトイレの介助を受けて休める。
- サービス内容:短期入所生活介護=夜間の排せつ介助・睡眠状況の確認・転倒への配慮/家族=利用日は夜間の対応から離れて休む。
04 介護者が自分の通院を後回しにしている
【こんな場面】要介護2・90代女性。介護する長男(65歳)が受診を中断しがち。
- ニーズ:介護してくれる長男が自身の体を診てもらえるようにしながら、自宅で暮らし続けたい。
- 長期目標:家族が自身の受診を続けられる体制をつくり、在宅生活を維持できる。
- 短期目標:長男の受診日に合わせて月1回・1泊2日の短期入所を利用し、いつもと変わらない食事と睡眠を保てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=日常生活全般の介助と健康状態の確認/家族=利用日に自身の定期受診を受ける。
05 1つの家で2人分の介護が重なっている
【こんな場面】要介護3・80代女性と要介護1の夫。同居の娘が2人を介護。
- ニーズ:夫と自分の両方を支えてくれる娘の負担が重ならないようにして、家族3人での生活を続けたい。
- 長期目標:介護が娘に集中しない形をつくり、住み慣れた自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:月2回・2泊3日の短期入所を利用し、体調をくずさずに自宅での生活を保てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=食事・排せつ・入浴の介助と生活リズムの維持/家族=利用日は在宅で暮らす夫の支援に集中する。
場面2 介護者の急な不在・緊急時の利用
急な事情で在宅生活が続けられなくなる場面です。起きてから探すと難航するので、平時の計画に備えを書いておきます。
06 介護している配偶者が入院することになった
【こんな場面】要介護3・80代男性。妻が手術で2週間入院する。
- ニーズ:妻の入院中も、体調をくずさずに生活を続けたい。
- 長期目標:家族の入院という事態を乗り越え、妻の退院後に自宅での生活へ戻れる。
- 短期目標:妻の入院期間に合わせて短期入所を利用し、食事・服薬・入浴を継続できる。
- サービス内容:短期入所生活介護=日常生活全般の介助、服薬の介助と飲み忘れの確認、体調変化時の連絡/ケアマネジャー=妻の退院時期に合わせた在宅復帰の調整。
07 法事や冠婚葬祭で家族が数日家を空ける
【こんな場面】要介護2・80代女性。娘が県外の法事で3日間不在。
- ニーズ:家族が家を空ける間も、いつもと同じように食事と入浴ができる生活を送りたい。
- 長期目標:家族の予定に左右されずに、住み慣れた自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:家族の不在に合わせて2泊3日の短期入所を利用し、いつもの生活リズムを保てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=食事・入浴・排せつの介助と服薬の支援/家族=出発前に薬と持ち物の準備、帰宅後に様子を確認する。
08 介護者が感染症にかかり、介護を続けられない
【こんな場面】要介護3・80代女性。同居の嫁がインフルエンザで高熱。
- ニーズ:家族が体調をくずした時にも、感染を避けながら安全に過ごしたい。
- 長期目標:家族の体調不良時の備えを持ち、自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:家族が療養する期間、短期入所で健康状態を確認してもらいながら過ごせる。
- サービス内容:短期入所生活介護=体温・全身状態の確認と日常生活の介助/ケアマネジャー=利用前に本人と家族の健康状態を事業所へ伝える。
※同居家族が感染症にかかっている場合、潜伏期間中の受け入れは事業所の判断で断られることがあります。訪問系サービスの一時増回など、代替の手も同時に用意しておくと動きやすくなります。
09 いざという時の備えを、あらかじめ計画に書いておく
【こんな場面】要介護2・80代男性。介護者は妻のみで、近隣に親族はいない。
- ニーズ:妻に急なことがあっても、行き場に困らない見通しを持っておきたい。
- 長期目標:緊急時の受け入れ先と連絡の道筋を決め、安心して在宅生活を続けられる。
- 短期目標:緊急時に備えて年2回程度の短期入所を利用し、事業所と顔なじみの関係をつくれる。
- サービス内容:短期入所生活介護=定期的な利用による状態把握と受け入れ体制の維持/ケアマネジャー=緊急連絡先・かかりつけ医・服薬内容を事業所と共有する。
場面3 在宅生活の維持・生活リズムの立て直し
本人の生活課題からショートを位置づける場面です。「何が整うと家に戻れるか」を短期目標に書きます。
10 自宅の浴槽をまたげず、入浴が滞っている
【こんな場面】要介護2・80代女性。浴室が狭く、住宅改修は検討段階。
- ニーズ:自宅の風呂に入れなくなってきたが、体を清潔に保って気持ちよく過ごしたい。
- 長期目標:定期的な入浴の機会を保ち、皮膚のトラブルなく自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:月2回の短期入所で入浴し、あわせて皮膚の状態を見てもらえる。
- サービス内容:短期入所生活介護=設備の整った浴室での入浴介助と皮膚状態の観察/ケアマネジャー=住宅改修と福祉用具の導入を検討する。
11 食事量が減り、体重が落ちてきた
【こんな場面】要介護2・80代男性。妻の調理負担も大きく食事が偏っている。
- ニーズ:食事がとれずに体力が落ちてきたので、3食きちんと食べて元の生活に戻したい。
- 長期目標:体重の減少が止まり、自宅で食事のとれる生活を続けられる。
- 短期目標:月2回・2泊3日の短期入所で3食を食べ、体重を毎回測定して変化を確認できる。
- サービス内容:短期入所生活介護=食事の提供、摂取量・水分量の確認と体重測定/ケアマネジャー=結果を主治医と家族へ共有する。
12 昼夜が逆転し、生活リズムが崩れている
【こんな場面】要介護2・80代女性。日中に眠り、夜間に起きて動き回る。
- ニーズ:昼と夜のリズムを取り戻して、夜はぐっすり眠りたい。
- 長期目標:日中に活動する生活リズムを取り戻し、自宅で夜間に眠れる日を増やせる。
- 短期目標:短期入所中に日中の活動と離床の時間を確保し、夜間に眠れた日を記録してもらえる。
- サービス内容:短期入所生活介護=日中の活動と離床の支援、睡眠状況の記録/ケアマネジャー=記録をもとに在宅での過ごし方を家族と見直す。
13 自宅では服薬が乱れがちになっている
【こんな場面】要介護2・80代女性。独居で、飲み忘れと重複が見られる。
- ニーズ:薬を決まったとおりに飲んで、体調をくずさずに暮らしたい。
- 長期目標:服薬の乱れによる体調の変化を防ぎ、自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:短期入所中に服薬の状況を確認してもらい、自宅で使う薬の管理方法を家族と決められる。
- サービス内容:短期入所生活介護=服薬の確認と飲み残しの把握/ケアマネジャー=薬剤師・主治医へ状況を伝え、一包化などを相談する。
場面4 施設入所を見すえた「慣らし利用」
将来の入所に向けて集団生活を体験する場面です。この時期に限り、「慣れること」自体を短期目標に置いてかまいません。
14 特別養護老人ホームに申し込み、待機している
【こんな場面】要介護4・90代女性。入所までの期間を在宅で過ごす。
- ニーズ:入所の順番を待つ間も、無理のない形で今の暮らしを続けたい。
- 長期目標:家族が介護を抱え込まずに待機の期間を過ごし、入所へ移行できる。
- 短期目標:月2回・3泊4日の短期入所を利用し、集団生活での過ごし方に慣れられる。
- サービス内容:短期入所生活介護=日常生活全般の介助と集団生活での過ごし方の把握/ケアマネジャー=入所待機の状況を家族へ情報提供する。
15 集団生活の経験が少なく、不安が強い
【こんな場面】要介護2・80代男性。他人との共同生活に強い抵抗がある。
- ニーズ:知らない場所は落ち着かないが、自分に合う過ごし方を見つけていきたい。
- 長期目標:安心して過ごせる場所を持ち、在宅生活を続けられる。
- 短期目標:まず1泊2日から始め、次の利用へ気持ちよく向かえる形を見つけられる。
- サービス内容:短期入所生活介護=個室など静かな場所の確保と、本人のペースに合わせたかかわり/ケアマネジャー=利用後に感想を聞き取り、次回の日数を調整する。
16 家族が入所に踏み切れないでいる
【こんな場面】要介護4・80代女性。娘が「施設は申し訳ない」と悩んでいる。
- ニーズ:家族が納得できる形で、これからの暮らし方を決めていきたい。
- 長期目標:本人と家族が今後の生活の場について話し合い、方針を決められる。
- 短期目標:短期入所の利用を重ねながら、施設での過ごし方を家族と一緒に確認できる。
- サービス内容:短期入所生活介護=利用中の様子の記録と家族への報告/ケアマネジャー=担当者会議で今後の生活の場を話し合う場を持つ。
17 本人が「家に帰れなくなる」と警戒している
【こんな場面】要介護3・80代男性。入院が長引いた経験があり施設を警戒。
- ニーズ:施設に行ったら家に帰れないのではと不安なので、自分の家に戻れる形で利用したい。
- 長期目標:帰る場所が自宅であることを実感しながら、必要な時に短期入所を使えるようになる。
- 短期目標:あらかじめ帰宅する日を本人と確認したうえで、1泊2日の利用を月1回続けられる。
- サービス内容:短期入所生活介護=帰宅予定日の掲示と本人への繰り返しの説明/家族=迎えの時間を約束し、そのとおり迎えに行く。
場面5 認知症の方の環境変化への配慮
環境が変わると症状が強く出る方がいます。「慣れさせる」ではなく「変化を小さくする」方向で書くと、事業所も動きやすくなります。
18 帰宅願望が強く、落ち着いて過ごせない
【こんな場面】要介護3・80代女性。アルツハイマー型認知症。夕方に玄関へ向かう。
- ニーズ:知らない場所では落ち着かないので、安心して過ごせる時間を持ちたい。
- 長期目標:なじみの環境のもとで穏やかに過ごし、自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:夕方の時間帯に落ち着いて過ごせるかかわり方を見つけ、家族と共有できる。
- サービス内容:短期入所生活介護=なじみの職員による対応と、夕方の散歩や役割のある活動/ケアマネジャー=落ち着いて過ごせた時のかかわり方を在宅の支援へ引き継ぐ。
19 場所が変わると混乱が強く出る
【こんな場面】要介護3・80代男性。レビー小体型認知症。環境の変化に弱い。
- ニーズ:慣れない場所での混乱を避けながら、必要な時に安心して過ごしたい。
- 長期目標:環境の変化を小さくする工夫のもとで、在宅生活を続けられる。
- 短期目標:同じ事業所・同じ居室を続けて利用し、混乱の少ない過ごし方を保てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=居室と職員をできる範囲で固定し、日用品の持ち込みを受け入れる/家族=使い慣れた枕やタオル、写真を持たせる。
20 利用のたびに事業所が変わってしまう
【こんな場面】要介護2・90代女性。空きの都合で複数の事業所を利用してきた。
- ニーズ:毎回違う場所では気持ちが休まらないので、同じ場所で過ごしたい。
- 長期目標:なじみの事業所での利用を続け、落ち着いた形で在宅生活を維持できる。
- 短期目標:利用日を3か月先まで決めて予約し、同じ事業所での利用を続けられる。
- サービス内容:短期入所生活介護=定期的な利用日の確保と、前回からの変化の申し送り/ケアマネジャー=翌々月分までの利用予定を早めに調整する。
21 夜間の不眠やせん妄が心配
【こんな場面】要介護3・80代女性。入院時に夜間の混乱があった。
- ニーズ:夜に不安が強くなることがあるので、夜間も見守ってもらえる形で過ごしたい。
- 長期目標:夜間の不安が強まった時の対応を関係者で共有し、在宅生活を続けられる。
- 短期目標:短期入所中の夜間の様子を記録してもらい、自宅での対応に生かせる。
- サービス内容:短期入所生活介護=夜間の睡眠状況の記録と不安が強い時の声かけ/ケアマネジャー=記録をもとに主治医へ相談し、家族へ伝える。
22 家族が対応に疲れ、強い口調になってしまう
【こんな場面】要介護3・80代女性。同じ話が繰り返され、嫁が声を荒らげる日がある。
- ニーズ:家族との関係を保ちながら、これからも家で暮らし続けたい。
- 長期目標:家族が距離を置ける時間を持ち、穏やかな関係のもとで在宅生活を続けられる。
- 短期目標:月2回・2泊3日の短期入所を利用し、家族と穏やかに過ごせる時間を保てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=日常生活全般の介助と本人の様子の記録/ケアマネジャー=家族の状況を毎月確認し、地域包括支援センターや主治医へ相談する。
※声を荒らげる状態が続く場合は、心理的虐待の予兆として扱います。虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合、市町村への通報が求められます(高齢者虐待防止法第7条)。地域包括支援センターへの相談とあわせ、市町村の窓口も選択肢に入れてください。
場面6 看取り期・終末期の負担軽減
受け入れの可否は事業所の体制で分かれます。医療との連携が必要な場合は、短期入所療養介護も含めて検討します。
23 在宅の看取りを続けるために家族の休息を確保したい
【こんな場面】要介護5・90代男性。がん終末期。訪問診療と訪問看護を利用中。
- ニーズ:最期まで家で過ごしたいので、家族が倒れない形で在宅の生活を続けたい。
- 長期目標:家族が休息をとりながら介護を続けられ、本人の望む場所で過ごせる。
- 短期目標:介護の状況に応じて短期入所を利用し、家族が休息と睡眠をとれる。
- サービス内容:短期入所生活介護=日常生活の介助、苦痛の有無の確認と状態変化時の連絡/ケアマネジャー=訪問診療・訪問看護と受け入れ体制を事前に確認する。
24 痛みの緩和のために医療との連携が必要
【こんな場面】要介護4・80代女性。医療用麻薬を使用中。
- ニーズ:痛みが強い時にも対応してもらえる場所で、落ち着いて過ごしたい。
- 長期目標:痛みへの対応を受けながら、自宅で過ごす時間を保てる。
- 短期目標:医療的な対応のできる短期入所を利用し、痛みの状況を記録してもらえる。
- サービス内容:短期入所療養介護=医師・看護職員による医療的な管理と痛みの観察/ケアマネジャー=主治医へ事前に情報提供し、受け入れ可能な内容を確認する。
※必要な医療的ケアに対応できるかは、事業所の看護体制によって異なります。喀痰吸引や在宅酸素などは短期入所生活介護で対応できる事業所もあります。医師・看護職員による常時の医学的管理が必要な場合は、短期入所療養介護(介護老人保健施設・介護医療院・療養病床を有する病院等)を検討します。どちらの場合も、受け入れ可能な医療的ケアの内容を事前に事業所へ確認してください。
25 家族が「最期をどこで」を決めきれない
【こんな場面】要介護4・90代女性。娘は在宅での看取りを望みつつ不安も強い。
- ニーズ:これからの過ごし方を家族とよく話し合い、納得できる形で最期の時間を過ごしたい。
- 長期目標:本人と家族の希望を関係者で共有し、状態に合わせて過ごす場所を選べる。
- 短期目標:短期入所を利用しながら、在宅での介護を続けられるかを家族と確認できる。
- サービス内容:短期入所生活介護=利用中の状態と過ごし方の記録・報告/ケアマネジャー=担当者会議で方針を確認し、変更内容を計画へ反映する。
場面7 独居・身寄りの少ない方
介護する家族がいない方にもショートは使えます。レスパイトではなく「在宅生活を保つための一時的な生活の場」として書きます。なお、発熱など急な体調不良がある時は受診が先です。短期入所は療養の場ではないため、受診前の受け入れは断られることがあります。
26 独居で、体調をくずした時に見てくれる人がいない
【こんな場面】要介護2・80代女性。近隣に親族なし。訪問介護を週3回利用。
- ニーズ:1人暮らしなので体調をくずした時が不安、早く気づいてもらえる形で暮らし続けたい。
- 長期目標:体調の変化に早く気づける体制のもとで、1人暮らしを続けられる。
- 短期目標:受診の結果、入院までは要さないが1人での生活が一時的に難しいと判断された時に、短期入所を利用して自宅へ戻れる。
- サービス内容:短期入所生活介護=健康状態の確認と食事・服薬の支援/ケアマネジャー=受診結果をふまえ、利用の開始と終了の時期を主治医・事業所・本人と調整する。
27 夏の暑さ・冬の寒さで在宅生活が難しい時期がある
【こんな場面】要介護1・90代男性。古い木造住宅で冷暖房の効きが悪い。
- ニーズ:暑さ寒さの厳しい時期を、体調をくずさずに乗り切りたい。
- 長期目標:季節による体調の変化を防ぎ、住み慣れた家での生活を続けられる。
- 短期目標:暑さや寒さの厳しい期間に短期入所を利用し、脱水や体調不良を防げる。
- サービス内容:短期入所生活介護=室温の管理された環境での生活支援と水分摂取の確認/ケアマネジャー=気温をふまえ利用時期を早めに調整する。
28 年末年始などサービスが休みになる期間がある
【こんな場面】要介護3・80代男性。独居。通所介護と訪問介護を利用中。
- ニーズ:普段の支援が休みになる期間も、食事と入浴を欠かさずに過ごしたい。
- 長期目標:支援が手薄になる期間の備えを持ち、1人暮らしを続けられる。
- 短期目標:年末年始の期間に短期入所を利用し、食事・入浴・服薬を継続できる。
- サービス内容:短期入所生活介護=食事・入浴・排せつの介助と服薬の支援/ケアマネジャー=11月中に利用日を確保し、他のサービスの休止期間と調整する。
場面8 退院直後・状態が不安定な時期
「家に帰る前のワンクッション」として使う場面です。何が整えば在宅へ戻れるのかを短期目標に書きます。なお、自宅を経ずに病院から直接短期入所へ入れるかどうかは保険者によって取扱いが分かれます。退院前カンファレンスの段階で確認しておくと安全です。
29 退院が決まったが、自宅の受け入れ準備が整っていない
【こんな場面】要介護3・80代女性。介護ベッドの搬入と手すり設置がこれから。
- ニーズ:退院後の暮らしの準備が整うまで、安心して過ごせる場所で待ちたい。
- 長期目標:住まいの環境を整えたうえで、自宅での生活を再開できる。
- 短期目標:自宅の準備が整うまでの期間、短期入所で入院前の生活動作を保てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=日常生活の介助と離床の支援/ケアマネジャー=福祉用具の搬入日を調整し、退所日を決める。
30 住宅改修や福祉用具の導入を待っている
【こんな場面】要介護2・80代男性。浴室と玄関の改修を申請中。
- ニーズ:家の中を安全に動ける状態にしてから、自分の家での生活に戻りたい。
- 長期目標:住まいの安全が確保され、自宅での移動を自分で行える。
- 短期目標:改修が終わるまでの間、短期入所で歩行と立ち上がりの動作を保てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=機能訓練と日常生活の介助/ケアマネジャー=改修の完了予定日を確認し、退所日と動作確認の日程を決める。
31 退院後もリハビリを続けたいが、通所だけでは足りない
【こんな場面】要介護3・80代男性。大腿骨骨折の術後で歩行が不安定。
- ニーズ:退院後も体を動かし続けて、家の中を自分の足で歩けるようになりたい。
- 長期目標:室内の移動を自分で行い、自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:短期入所療養介護を利用し、リハビリテーションと生活動作の練習を続けられる。
- サービス内容:短期入所療養介護=理学療法士等によるリハビリテーションと医学的な管理/ケアマネジャー=退所後の通所リハビリへつなぐ。
32 在宅生活を続けられるかを見きわめたい
【こんな場面】要介護4・90代女性。退院後の生活に家族が不安を抱えている。
- ニーズ:家に戻って暮らせるかを確かめながら、これからの生活を決めていきたい。
- 長期目標:本人の状態に合った生活の場を選び、無理のない形で暮らせる。
- 短期目標:短期入所での様子をふまえ、在宅生活に必要な支援の内容を家族と確認できる。
- サービス内容:短期入所生活介護=食事・排せつ・移動の状況の記録と報告/ケアマネジャー=記録をもとに担当者会議を開き、計画を見直す。
場面9 家族の就労継続(介護離職の防止)
「仕事を辞めれば介護できる」は、長い目で見ると本人の在宅生活に逆に働きます。就労の継続は、在宅生活を支える条件として計画に書けます。
33 介護者に出張や夜勤がある
【こんな場面】要介護3・80代女性。同居の息子は月数回、泊まりの勤務がある。
- ニーズ:息子が仕事を続けられるようにしながら、これからも同じ家で暮らしたい。
- 長期目標:家族の勤務に合わせた支援の形をつくり、自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:家族の泊まりを伴う勤務に合わせて短期入所を利用し、夜間も安全に過ごせる。
- サービス内容:短期入所生活介護=夜間を含む日常生活全般の介助と見守り/家族=翌月の勤務予定が決まりしだい連絡する。
34 介護と育児が同時期に重なっている
【こんな場面】要介護3・80代女性。同居の娘に乳児がおり育児と重なっている。
- ニーズ:孫の世話をしている娘に無理をさせずに、家族と一緒の生活を続けたい。
- 長期目標:家族が育児と介護の両方を抱え込まない形で、在宅生活を続けられる。
- 短期目標:月2回・2泊3日の短期入所を利用し、家族に気兼ねなく、落ち着いて過ごせる時間を持てる。
- サービス内容:短期入所生活介護=食事・入浴・排せつの介助と夜間の見守り/ケアマネジャー=家族の状況を毎月確認して回数を見直す。
35 家族が介護休業の取得を検討している
【こんな場面】要介護4・80代男性。娘が介護休業と退職の間で迷っている。
- ニーズ:娘が仕事を辞めずにすむ形で、これからの介護の体制を整えたい。
- 長期目標:家族が仕事を続けられる支援の体制が整い、自宅での生活を続けられる。
- 短期目標:短期入所とその他のサービスを組み合わせ、家族の勤務に合わせた支援の形が決まり、自宅での生活を続けられる。
- サービス内容:短期入所生活介護=定期的な利用による生活支援/ケアマネジャー=介護休業制度や勤務先の支援制度を情報提供する。
ここから「書き方のコツ」(深めたい方向け)
すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。ショートならではの、迷いやすい5つの論点をまとめました。
コツ1:「家族が限界だから」を本人の暮らしの言葉に翻訳する
❌ ニーズ:家族の介護負担が大きいため、負担の軽減を図る。
⭕ ニーズ:妻の体を守りながら、これからも妻と2人での暮らしを続けたい。
📝 レスパイト目的の利用が家族のためであることを、隠す必要はありません。翻訳の手がかりは「家族が倒れたら、本人の在宅生活も終わる」という事実です。家族の休息は本人の暮らしの継続条件なので、本人を主語にしたまま書けます。そのうえで役割を分けます。家族の意向そのものは第1表の意向欄へ。家族の休息は、サービス内容の側に「家族=利用日は通院や休息の時間にあてる」と書けば、計画全体としてレスパイトの目的が見えます。
コツ2:日数の目安を、目標と一緒に決めておく
ショートステイには、ケアマネジャーが押さえておく日数の目安が2つあります。
- 連続して30日を超える利用:連続して30日を超えると、30日を超える日(31日目)以降は介護報酬を算定できず、その分は全額自己負担(自費)になります。1日だけ帰宅や自費を挟んで連続利用を続ける運用は、「居宅における自立した日常生活の維持」という制度の趣旨から外れ、保険者の指導対象になることがあります。長期の利用が続く場合は、在宅へ戻るために何が足りないのかを整理するか、生活の場そのものの見直しを検討します。事業所を変えれば日数がリセットされるとは限らないため、取扱いは保険者に確認してください。
- 要介護認定の有効期間のおおむね半数:運営基準は「介護支援専門員は、居宅サービス計画に短期入所生活介護又は短期入所療養介護を位置付ける場合にあっては、利用者の居宅における自立した日常生活の維持に十分に留意するものとし、利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない」と定めています(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第13条第二十一号)。
分母は「月」ではなく認定の有効期間全体です。有効期間が12か月ならおよそ180日が目安で、「毎月15日まで」という月単位のルールではありません。
📝 「特に必要と認められる場合」という例外があるので、半数を超える計画がすべて否定されるわけではありません。求められているのは、なぜ超えるのかを説明できる状態にしておくこと。看取り期・介護者の入院・虐待の疑いといった理由と在宅生活の見通しを支援経過に残し、サービス担当者会議で確認しておきます。
コツ3:ショート利用日に、他の居宅サービスを重ねて書かない
❌ サービス内容:短期入所生活介護(週2泊)/通所介護(週2回・利用日は入所中も継続)
⭕ サービス内容:短期入所生活介護(月2回・2泊3日)/通所介護(週2回・短期入所の利用日は休止)
📝 短期入所を利用している日は、訪問介護や通所介護などの居宅サービスを同じ日に算定できない取扱いが原則です。予定が重なっていると、請求の段階で返戻や過誤の原因になります。入所日と退所日の扱いは細かく分かれるため、事業所と保険者に確認してから第3表に落としてください。第2表には上の⭕のように「短期入所の利用日は休止」と1行添えておくと、担当者会議でも共通認識をつくれます。
コツ4:「慣れること」を短期目標にしていいのは、最初の時期だけ
❌ 長期目標:短期入所生活介護を月2回利用することができる。
⭕ 長期目標:妻の介護の負担が偏らない形で、自宅での2人暮らしを続けられる。
📝 ショートも手段であって、目標ではありません。「利用できる」を目標にすると、使えている限り自動的に達成となり、モニタリングで評価するものがなくなります。問い直す質問は1つ。「ショートを使った先で、この人の暮らしはどうなるのか」。答えが在宅生活の継続なら継続を、入浴なら入浴を、生活リズムならリズムを目標の文にします。例外は利用開始と慣らしの時期だけ。この段階に限り「1泊2日の利用に慣れられる」といった定着そのものを短期目標に置けます。
コツ5:緊急の利用は、起きる前に道筋を書いておく
介護者の急病や入院は、予告なく来ます。空きを探して電話をかけ続けるより、平時の計画に備えを書いておくほうが早く動けます。書くのは次の3つです。
- 定期的な利用(年数回でも可)による、事業所との顔なじみの関係
- 緊急連絡先・かかりつけ医・服薬内容を事業所と共有しておくこと
- 緊急時に連絡する事業所の優先順位
📝 あらかじめ計画に位置づけられていない緊急の利用には、事業所が算定できる「緊急短期入所受入加算」があります。この加算は、ケアマネジャーが緊急に短期入所が必要と認めたことが要件に含まれるため、事業所任せにはできません。誰が・いつ・どんな事情で必要と判断したかを支援経過に残してください。日数や要件は改定で変わるため、具体的な取扱いは事業所と保険者に確認を。ケアマネジャー側で押さえるのは、緊急利用の後に計画を見直し、変更内容を記録に残すという流れです。
運営指導で見られやすいポイント
- 目標が「短期入所の利用」そのものになっていないか(手段と目標の混同)。
- レスパイト目的の利用で、ニーズが本人を主語にした表現で書かれているか。
- 利用日数が認定有効期間のおおむね半数を超える場合、その理由と在宅生活の見通しが記録されているか。
- 短期入所の日数を増やしたことで、区分支給限度基準額を超えていないか(超える分は全額自己負担になります)。
- 連続30日を超えていないか。長期化している場合、生活の場の見直しを検討した経過が残っているか。
- 第2表・第3表で、短期入所の利用日と他の居宅サービスの予定が重なっていないか。
- 緊急利用の後に、計画の見直しと担当者会議(または照会)の記録が残っているか。
- 長期の利用や頻回の利用がある場合、福祉用具貸与などの取扱いを保険者へ確認しているか。
現場のひとこと
ショートの相談で、家族が最初に口にする言葉はたいてい「申し訳ないんですけど」です。預けることに罪悪感を持つ方は少なくありません。そういう時に伝えているのは、「休むために使うのではなく、この家での暮らしを続けるために使うんです」ということ。同じサービスでも、意味づけが変わると家族の表情が変わります。
※文例はあくまで参考です。利用できる日数、緊急時の受け入れ、看取り期の対応、加算の算定要件は、ご本人の状態や事業所の体制、保険者の判断によって異なります。ご本人の状況に合わせ、ご家族やサービス事業所、主治医と相談しながら整えてお使いください。
参考・出典
- 介護サービス情報公表システム(厚生労働省)「どんなサービスがあるの? – 短期入所生活介護(ショートステイ)」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group12.html
- 介護サービス情報公表システム(厚生労働省)「どんなサービスがあるの? – 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group13.html
- e-Gov法令検索「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)」第13条
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038
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本記事は「ケアマネのタネ」編集部が、現場のケアマネジャー・社会福祉士の視点を持ち寄って作成しています。実在の利用者情報は使わず、すべて一般化した架空の文例として掲載しています。

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