初回のサービス担当者会議 司会のセリフ例|開会から閉会までの台本と困った場面の言い方(コピペ可/90文例)

初回の担当者会議 司会のセリフ例|開会から閉会までの台本 8ステップ・90文例 業務文書文例

初めて自分で開くサービス担当者会議。日程は決まった、計画書の原案も刷った。でも、最初のひと言がまだ決まっていない。そんな状態で前日を迎えていませんか。

司会に求められているのは、上手に話すことではありません。最初に「何のための会議か」を言う。本人の言葉を先に聞く。最後に「誰が・何を・いつから」を全員で確かめる。 この3つができていれば、会議は前に進みます。

この記事では、初回(新規の居宅サービス計画の原案)のサービス担当者会議を、開会から閉会まで8つのステップに分け、そのまま読めるセリフ例を並べました。後半には、本人が話しにくい時、家族の意見が割れた時、時間が押した時など、困った場面の言い方をまとめています。

会議が終わってから書く記録(第4表)の文例は、第4表の記事に分けています。この記事は「会議の最中に口に出す言葉」だけを扱います。

サービス担当者会議の要点(第4表)の書き方

セリフの中の「◯◯さん」「◯◯事業所」は、担当の方の名前に入れ替えて使ってください。

この記事のセリフの並び方

1章目:文例の前に(制度で押さえる5つ)

2章目:会議の前日までに決めておくこと

3章目:開会から閉会までの8ステップのセリフ

4章目:困った場面のセリフ

5章目:司会のコツ・運営指導で見られやすいポイント・よくある迷いどころ

    1. この記事のセリフの並び方
  1. 文例の前に:初回の担当者会議で司会が押さえる5つ
    1. 1. 何のための会議か:基準第13条第9号
    2. 2. 本人・家族の参加は「基本」
    3. 3. オンラインで開くなら、本人・家族の同意が要る
    4. 4. 照会で代えられるのは「やむを得ない理由」がある場合
    5. 5. 開かなかった場合:運営基準減算に当たる
  2. 会議の前日までに決めておくこと
    1. 30分の時間割(例)
    2. 前日までに決める3つ
  3. 開会から閉会まで:8ステップのセリフ例
    1. ステップ1:開会(目的・時間・進め方を言う)
    2. ステップ2:参加者紹介(本人から見た役割で紹介する)
    3. ステップ3:本人・家族の意向確認(原案より先に聞く)
    4. ステップ4:原案の説明(第1表→第2表→第3表の順に短く)
    5. ステップ5:各事業所からの意見(「何ができるか」を聞く)
    6. ステップ6:調整(意見をすり合わせて決める)
    7. ステップ7:まとめ(「誰が・何を・いつから」を復唱する)
    8. ステップ8:次回の予定と閉会(同意・交付・個別計画の段取りを言う)
  4. 困った場面のセリフ例
    1. 本人が話しにくい・言葉が出てこない時
    2. 本人が「何でもいい」「お任せします」と言う時
    3. 家族の意見が割れた時
    4. 本人と家族の意向が食い違う時
    5. 時間が押した時
    6. 専門用語が飛び交った時
    7. 欠席の事業所がある時(照会の回答を読み上げる)
    8. オンラインで参加する人がいる時
    9. 事業所から「それはできません」と言われた時
  5. 司会のコツ(深めたい方向け)
    1. コツ1:本人に向けたセリフを、台本に先に書いておく
    2. コツ2:決まらなかったことは「誰が・いつまでに」をつけて終わる
    3. コツ3:会議の言葉を、記録の言葉にそろえておく
    4. 現場のひとこと
  6. 運営指導で見られやすいポイント
  7. よくある迷いどころ
    1. 会議は何分で終えればよいですか
    2. 本人の体調が悪く、会議に出られません。延期すべきですか
    3. 初回からオンラインで開いてもいいですか
    4. 事業所が1か所しかありません。それでも会議は開きますか
    5. 会議のあと、計画書はいつまでに渡せばいいですか
  8. まとめ
  9. あわせて読みたい
  10. 参考・出典

文例の前に:初回の担当者会議で司会が押さえる5つ

制度の話は、セリフに直接つながるところだけに絞りました。原文は末尾の出典から確認できます。

1. 何のための会議か:基準第13条第9号

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(以下「運営基準」)の第13条第9号は、サービス担当者会議を次のように定めています。

> 介護支援専門員は、サービス担当者会議(介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために、利用者及びその家族の参加を基本としつつ、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を招集して行う会議(中略)をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。

司会の仕事は、この条文の2つの動詞に分けられます。「共有する」と「意見を求める」です。開会の挨拶で会議の目的を言うときは、この2つをそのまま言葉にすると迷いません。

解釈通知(老企第22号)は、そのうえで「専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である」としています。台本のステップ6(調整)は、この一文が根拠です。

2. 本人・家族の参加は「基本」

条文は「利用者及びその家族の参加を基本としつつ」と書いています。解釈通知(老企第22号)は、そのうえで「利用者やその家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には、必ずしも参加を求めるものではない」としています。

つまり初回の会議は、本人と家族がいる前提で台本を組みます。専門職どうしの言葉だけで進むと、本人は置いていかれます。本人に向けたセリフを、台本の中に先に書いておくのが、この記事の台本の考え方です。

3. オンラインで開くなら、本人・家族の同意が要る

第13条第9号は、会議を「テレビ電話装置その他の情報通信機器」(以下「テレビ電話装置等」)を活用して行えるとしています。ただし、本人や家族が参加する場合は「テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない」と書いています。

解釈通知は、テレビ電話装置等を「リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な機器」と定義しています。定義上、音声だけの電話は「テレビ電話装置等」に当たらないと読めます。電話でしか参加できない事業所は、照会の形で意見をもらい、扱いは市町村(指定権者)に確認しておきます。

4. 照会で代えられるのは「やむを得ない理由」がある場合

第13条第9号のただし書きは、やむを得ない理由がある場合は「担当者に対する照会等により意見を求めることができる」としています。解釈通知は、やむを得ない理由の例として次の3つを挙げています。

1. 利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る)の心身の状況等により、主治の医師等の意見を勘案して必要と認める場合

2. 開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により、会議への参加が得られなかった場合

3. 居宅サービス計画の変更であって、利用者の状態に大きな変化が見られない等における軽微な変更の場合

初回の会議で起きやすいのは2つ目です。2つ目は「サービス担当者の事由」=担当者側の事情です。日程調整をしていない場合や、ケアマネの都合で全員を呼ばなかった場合は当たりません。どの日に誰に打診したかを支援経過に残しておきます。日程を調整しても来られない事業所があれば、その事業所には照会で意見をもらい、会議の中でその回答を読み上げて共有します(セリフは4章目にあります)。解釈通知は、照会で意見を求める場合も、緊密に情報交換をして利用者の状況や原案の内容を共有できるようにする必要がある、と書いています。

5. 開かなかった場合:運営基準減算に当たる

やむを得ない理由がないのに会議を開かず、照会にも代えていなければ、運営基準減算に当たります。

居宅介護支援費の告示(平成12年厚生省告示第20号)は、別に定める基準に該当する場合、運営基準減算として所定単位数の100分の50で算定し、2月以上続く場合は算定しない、としています。その基準を定めた告示(平成27年厚生労働省告示第95号 第82号)には、運営基準第13条第9号も含まれています。第10号(説明・同意)、第11号(交付)も同じ減算の基準に入っています。

100分の50は、その方のその月の居宅介護支援費が半分になるということです。どの場面が減算に当たるかの具体的な扱いは、留意事項通知と市町村(指定権者)の運用で確かめてください。

もう1つ、運営基準第23条第3項は、サービス担当者会議等で本人の個人情報を使う場合は本人の、家族の個人情報を使う場合はその家族の同意を、あらかじめ文書で得ておくことを求めています。初回の会議の前に、契約のときの同意書に入っているかを確かめておきます。

会議の前日までに決めておくこと

台本は、セリフより先に「時間割」を決めると崩れにくくなります。所要時間は運営基準の条文には書かれていないので、ここでは30分の例で組みます。

30分の時間割(例)

1. 開会(1分)

2. 参加者紹介(3分)

3. 本人・家族の意向確認(5分)

4. 原案の説明(5分)

5. 各事業所からの意見(8分)

6. 調整(4分)

7. まとめ(3分)

8. 次回の予定と閉会(1分)

各事業所の持ち時間は、事前の連絡で「1事業所2分くらいで」と伝えておくと、当日の時間配分が楽になります。事業所への連絡文の文例は、FAX・連絡文例の記事にあります。

ケアマネのFAX・連絡文例集

前日までに決める3つ

– 欠席する事業所があれば、照会を送り、回答を受け取っておく(当日読み上げる)

– 本人が長く座っていられるか、耳が聞こえにくくないか、話しにくい話題がないかを家族に聞いておく

– オンラインで参加する人がいれば、本人・家族にその旨を伝えて同意をもらっておく。同意は支援経過に、いつ・誰から・どの方法でもらったかを残す

主治医に照会する場合の文例は、主治医連携の記事にまとめています。

主治医・医療機関との連携文例集

開会から閉会まで:8ステップのセリフ例

ここからが台本です。各ステップにセリフを複数並べたので、言いやすいものを1つ選んでください。全部言う必要はありません。

ステップ1:開会(目的・時間・進め方を言う)

最初の1分で「何のための会議か」「何時に終わるか」を言います。ここが決まると、あとの進行で脱線しても戻る場所ができます。

  • 「お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、◯◯さんのサービス担当者会議を始めます。司会は担当ケアマネジャーの◯◯です」
  • 「今日は、◯◯さんのケアプランの原案をみなさんと確認して、それぞれの専門の立場からご意見をいただく会議です」
  • 「今日決めたいことは3つです。1つ目はサービスの内容、2つ目は始める日、3つ目は困ったときの連絡先です」
  • 「終わりは◯時◯分を予定しています。◯◯さんのお疲れが出ないよう、30分ほどで進めます」
  • 「進め方は、自己紹介のあと、まず◯◯さんとご家族のお気持ちを伺い、私から原案を説明し、各事業所さんからご意見をいただく順番です」
  • 「途中で分からない言葉が出てきたら、遠慮なく止めてください。◯◯さんとご家族が分かる言葉で進めたいと思います」
  • 「◯◯さん、途中で疲れたり、休みたくなったりしたら、いつでも言ってくださいね」

ステップ2:参加者紹介(本人から見た役割で紹介する)

事業所名と職種だけでは、本人には誰が何をする人か伝わりません。「◯◯さんのところで何をする人か」まで言ってもらうと、初回の不安が減ります。

  • 「では、自己紹介をお願いします。お名前と、◯◯さんのところで何をする担当かを、ひと言ずつお願いします」
  • 「最初に私から。担当ケアマネジャーの◯◯です。サービスの調整と、困ったときの相談の窓口をしています」
  • 「次は◯◯さん、ご自身からお願いできますか。お名前だけで大丈夫ですよ」
  • 「ご家族の方、◯◯さんとのご関係と、普段どのくらい関わっておられるかを教えていただけますか」
  • 「訪問介護の◯◯さん、お願いします。◯◯さんのお家に週何回、どんなお手伝いで伺う予定かも添えてください」
  • 「本日、訪問看護の◯◯さんはご都合で欠席です。事前に意見をいただいているので、後ほど私から読み上げます」
  • 「画面で参加の◯◯さん、音声は届いていますか。聞こえにくいときは手を挙げて合図をお願いします」

ステップ3:本人・家族の意向確認(原案より先に聞く)

原案を先に説明すると、本人は「もう決まっている」と受け取り、話しにくくなります。本人の言葉を最初に聞いてから原案に入る順番がおすすめです。第1表に書いた意向と同じ内容でも、本人の口から全員の前で言ってもらうことに意味があります。

  • 「まず◯◯さんに伺います。これからのお家での暮らしで、続けたいことは何ですか」
  • 「◯◯さんが今いちばん困っていること、心配なことを1つ教えてください」
  • 「先日お伺いしたとき、◯◯さんは『◯◯』とおっしゃっていましたね。今日もそのお気持ちは同じですか」
  • 「ご家族からも伺います。◯◯さんのことで、いちばん心配されていることは何ですか」
  • 「ご家族ができること、難しいことも、今日はっきり伺えると助かります。曜日や時間帯で教えていただけますか」
  • 「ありがとうございます。◯◯さんの『◯◯』というお気持ちを、このあとの計画の真ん中に置いて話を進めます」

意向の言い回しの文例は、第1表の記事にまとめています。

ケアプラン第1表「利用者及び家族の生活に対する意向」の文例集

ステップ4:原案の説明(第1表→第2表→第3表の順に短く)

原案は全部読み上げません。総合的な援助の方針→目標→サービスと曜日の順に、要点だけを言います。

  • 「お手元の資料をご覧ください。1枚目が、◯◯さんの暮らしの全体の方針です。読み上げます」
  • 「方針は、『◯◯』です。先ほど◯◯さんがおっしゃった『◯◯』を、そのまま方針の言葉にしています」
  • 「2枚目は目標です。長い目で目指すことが『◯◯』、まず3か月で取り組むことが『◯◯』です」
  • 「目標のために、こちらのサービスを組んでいます。訪問介護が週◯回、デイサービスが週◯回です」
  • 「3枚目は1週間の予定表です。◯曜日の午前に◯◯、◯曜日の午後に◯◯が入ります」
  • 「この原案は、私がアセスメントをもとに作った案です。今日のご意見で変えることができます」
  • 「◯◯さん、ここまでで分かりにくいところはありませんでしたか」

方針や目標の書き方そのものは、第1表・第2表の記事を参考にしてください。

ケアプラン第1表「総合的な援助の方針」の文例集

ケアプラン第2表 目標の文例集

ステップ5:各事業所からの意見(「何ができるか」を聞く)

解釈通知は、会議で「各サービスが共通の目標を達成するために具体的なサービスの内容として何ができるか」を話し合うことを求めています。「ご意見ありますか」ではなく、「何ができるか」「何に気をつけるか」を聞くと、具体的な答えが返ってきます。

  • 「ここからは、各事業所さんにご意見をいただきます。原案の内容で、専門の立場から気をつける点や、変えたほうがよい点を教えてください」
  • 「訪問介護の◯◯さん、◯◯さんの目標『◯◯』のために、訪問の中でできることを教えていただけますか」
  • 「デイサービスの◯◯さん、送迎の時間と入浴の進め方で、◯◯さんに合わせて気をつけることはありますか」
  • 「福祉用具の◯◯さん、お家の◯◯の場所を見ていただいて、気になる点はありましたか」
  • 「訪問看護の◯◯さんから、事前にいただいたご意見を読み上げます。『◯◯』とのことでした」
  • 「主治医の◯◯先生には◯月◯日に照会し、『◯◯』とのご意見をいただいています。この点を原案の留意事項に入れたいと思います」
  • 「ありがとうございます。今のご意見は『◯◯』ということですね。原案の◯◯の部分に反映します」
  • 「ほかの事業所さんで、今のご意見に関連して付け加えることはありますか」

ステップ6:調整(意見をすり合わせて決める)

意見が出そろったら、決まっていないことを1つずつ取り上げます。選択肢を2つに絞って本人に選んでもらうと、本人が決める形を保ったまま前に進めます。

  • 「ここまでで、まだ決まっていないことが2つあります。◯◯と、◯◯です。1つずつ決めていきます」
  • 「◯◯さん、デイサービスは週2回から始める案と、週1回で慣れてから増やす案があります。どちらがよいですか」
  • 「デイの◯◯さんと訪問介護の◯◯さんで、入浴の担当が重なっています。どちらで担当するか、ここで決めましょう」
  • 「今のご意見を合わせると、『◯◯は◯◯事業所が行い、◯◯のときは◯◯に連絡する』という形でよろしいでしょうか」
  • 「この点は今日決めきれないので、◯月◯日までに私が◯◯に確認して、みなさんにご連絡します」
  • 「◯◯さんとご家族は、この形で始めてみることに納得されていますか。気になることがあれば、今言ってくださいね」

ステップ7:まとめ(「誰が・何を・いつから」を復唱する)

まとめは、決まったことを司会が声に出して読み上げ、全員にうなずいてもらう時間です。聞き違いは、ここでしか直せません。

  • 「最後に、今日決まったことを確認します。聞き違いがあれば止めてください」
  • 「1つ目、訪問介護は◯月◯日から、週◯回、◯曜日の◯時から入ります。担当は◯◯事業所です」
  • 「2つ目、デイサービスは◯月◯日から週◯回です。◯曜日の朝◯時ごろにお迎えに伺います」
  • 「3つ目、体調が急に変わったときは、◯◯(例:訪問看護・主治医)とご家族の◯◯さんに連絡し、私にも共有をお願いします。命に関わるときは、迷わず救急車を呼んでください」
  • 「決まらなかったのは◯◯です。私が◯月◯日までに確認して、みなさんにお知らせします」
  • 「以上で、みなさんよろしいでしょうか。◯◯さん、ご家族も、これで大丈夫ですか」

ステップ8:次回の予定と閉会(同意・交付・個別計画の段取りを言う)

会議のあとには、原案の説明と文書による同意(第13条第10号)、計画書の交付(第11号)、各事業所への個別サービス計画の提出依頼(第12号)が続きます。閉会のひと言の中で、このあとの段取りを言っておくと、会議後の連絡が1回減ります。

サービスが始まる日までに、説明・文書での同意・交付を済ませておきます。会議で原案を変えなかった場合は、閉会の前にその場で説明して署名をもらう事業所も多くあります。

  • 「今日のご意見を反映した計画書を、サービスが始まる前の◯月◯日までにお持ちします。内容をご確認いただいて、よろしければ署名をいただきます」
  • 「確定した計画書は、各事業所さんにも◯月◯日までにお届けします」
  • 「各事業所さんには、この計画に沿った個別の計画を作っていただき、写しをお送りいただけますか」
  • 「次に全員で集まるのは、認定の更新のときか、◯◯さんのご様子に大きな変化があったときを予定しています」
  • 「ご家族の方、今日言いそびれたことがあれば、あとからでも私にお電話ください」
  • 「以上で会議を終わります。◯◯さん、長い時間お疲れさまでした。ありがとうございました」

困った場面のセリフ例

台本どおりに進まないのが、初回の会議です。よくある9つの場面の言い方を並べました。

本人が話しにくい・言葉が出てこない時

大勢の前では、本人は話しにくくなります。答えやすい形に質問を小さくするのが、司会にできることです。

  • 「◯◯さん、急がなくて大丈夫です。ゆっくりで構いませんよ」
  • 「質問を変えますね。朝起きてからお昼までで、いちばん大変なのはどの時間ですか」
  • 「お風呂は、ご自分で入りたいですか。それとも、手伝ってもらえると助かりますか」
  • 「前回お伺いしたときと、お気持ちは変わりましたか。変わっていなければ、うなずいていただくだけで大丈夫です」
  • 「今すぐ言葉にならなくても大丈夫です。あとで思い出したことがあれば、私に教えてください」

本人が「何でもいい」「お任せします」と言う時

「お任せ」のまま決めると、始まってから本人が嫌がることがあります。選択肢を見せて、本人の好みを1つだけ聞くと、本人が決めた形になります。

  • 「ありがとうございます。そのうえで、1つだけ◯◯さんに選んでいただきたいことがあります」
  • 「お迎えの時間は、朝早めの◯時と、少し遅めの◯時があります。どちらが楽ですか」
  • 「これだけはやめてほしい、ということはありますか。嫌なことを先に伺っておきたいんです」
  • 「まずはこの形で始めてみて、合わなければ変えられます。1か月たったら、また私から伺いますね」

家族の意見が割れた時

家族どうしの意見の違いは、会議の場で決着をつけようとすると長引きます。それぞれの心配を言葉にして並べ、本人の意向に戻るのが進め方です。

  • 「お二人とも、◯◯さんのことを心配されてのご意見だと受け止めています。それぞれの心配を整理させてください」
  • 「◯◯さん(長男)は『◯◯』が心配、◯◯さん(長女)は『◯◯』が心配、ということでよろしいですか」
  • 「ここで◯◯さんご本人のお気持ちを、もう一度伺ってもいいですか」
  • 「今日は、お二人の心配のどちらにも対応できる形として、◯◯から始めてみるのはいかがでしょうか」
  • 「この点はご家族の中でもう少しお話しいただいて、◯月◯日までに私にご連絡いただけますか。それまでは◯◯の形で始めてもよろしいでしょうか」

本人と家族の意向が食い違う時

家族の希望が強い場面では、本人の声が小さくなりがちです。本人の言葉を先に言い直してから、家族の心配を受け止める順にします。

  • 「◯◯さんは『お家で過ごしたい』、ご家族は『日中1人なのが心配』ということですね。どちらも大事なことだと思います」
  • 「◯◯さんのお気持ちを、もう一度ご本人から聞かせていただけますか」
  • 「お家で過ごしながら、日中の心配を減らす方法として、◯◯という形も考えられます。各事業所さん、いかがでしょうか」
  • 「今日は無理に1つに決めず、まず◯◯から試して、1か月後にお二人の気持ちをもう一度伺います」

時間が押した時

時間が押したら、「今日決めること」と「あとで決めること」を司会が分けると、残りの時間で終わります。

  • 「時間が残り10分になりました。ここからは、今日決めなければならないことに絞ります」
  • 「◯◯の件は大事なお話なので、今日は結論を出さず、私が◯月◯日までに個別に確認します」
  • 「各事業所さん、残りのご意見はおひとり1分ほどでお願いできますか」
  • 「◯◯さん、お疲れではないですか。少し休憩を入れましょうか」

専門用語が飛び交った時

事業所どうしの会話が専門用語になったら、司会が本人と家族の言葉に言い直します。

  • 「すみません、今の『◯◯』という言葉を、◯◯さんとご家族にも分かる言葉で教えていただけますか」
  • 「今のお話を言い直すと、『◯◯』ということですね。◯◯さん、ここまで大丈夫ですか」
  • 「事業所さんどうしの細かい調整は、会議のあとに私からご連絡します。ここでは決まったことだけ確認させてください」

欠席の事業所がある時(照会の回答を読み上げる)

照会で意見をもらった事業所は、誰から・いつ・どんな意見をもらったかを読み上げると、出席者と同じ土台に乗ります。

  • 「訪問看護の◯◯さんは本日ご都合で欠席のため、◯月◯日に原案をお送りして、ご意見をいただいています」
  • 「いただいたご意見を読み上げます。『◯◯』とのことでした」
  • 「このご意見について、出席のみなさんから付け加えることはありますか」
  • 「今日の決定事項は、私から訪問看護の◯◯さんにもお伝えして、ご意見があれば改めてみなさんにお知らせします」

オンラインで参加する人がいる時

画面越しの参加者は、発言のきっかけをつかみにくくなります。司会が名前を呼んで順番を渡すと、話が重なりません。

  • 「本日は、◯◯事業所の◯◯さんが画面で参加されています。◯◯さん、ご家族、画面での参加については先日ご了承いただいています」
  • 「画面の◯◯さん、こちらの声は聞こえていますか。資料の◯ページを開いていただけますか」
  • 「次は画面の◯◯さんにお願いします。こちらからは、名前を呼んでから順番にお聞きします」
  • 「通信が切れた場合は、事業所の電話(◯◯-◯◯◯◯)にお電話をお願いします。決まったことはあとで必ずお伝えします」

画面での参加の同意は、いつ・誰から・どの方法でもらったかを支援経過に残しておきます。

事業所から「それはできません」と言われた時

「できません」で止まると、会議が止まります。「代わりに何ができるか」を聞き直すと、相談に変わります。

  • 「ありがとうございます。難しい理由を教えていただけますか」
  • 「では、代わりにできる形があれば教えてください」
  • 「この部分は、ほかのサービスで補えるかを確認します。◯◯事業所さん、いかがでしょうか」
  • 「今日は代わりの形が決まらないので、◯月◯日までに私が調整して、改めてご相談します」

司会のコツ(深めたい方向け)

セリフより大事な、進め方の考え方を3つだけ。

コツ1:本人に向けたセリフを、台本に先に書いておく

専門職どうしの会話は、放っておくと本人を通り越して進みます。台本の各ステップに、本人の名前を呼ぶセリフを最低1つ入れておくと、本人が話す時間が自然にできます。この記事の8ステップのセリフにも、本人に向けた言葉を各所に入れてあります。担当の方の台本に、本人の名前は何回出てきますか。

コツ2:決まらなかったことは「誰が・いつまでに」をつけて終わる

初回の会議で全部が決まることは多くありません。決まらなかったことを曖昧にせず、「私が◯月◯日までに確認します」と宿題にして終われば、それで十分です。この宿題は、第4表の「残された課題」の欄にそのまま書けます。

コツ3:会議の言葉を、記録の言葉にそろえておく

まとめで読み上げた「誰が・何を・いつから」は、第4表の「結論」の欄にほぼそのまま写せます。会議のあとの連絡や経過は、支援経過記録にも残します。

居宅介護支援経過(支援経過記録)の書き方

現場のひとこと

初めての司会は、うまく話そうとして原稿を読み上げるだけになりがちです。でも、会議のあとに本人と家族が覚えているのは、司会の言い回しより「自分の話を聞いてもらえたか」のほうです。台本は、本人に話を振る場所を忘れないためのメモとして使ってみませんか。

運営指導で見られやすいポイント

1. 新規に居宅サービス計画を作成した際に、サービス担当者会議を開催し(やむを得ない理由がある場合は照会等)、担当者から専門的な見地からの意見を求めているか(運営基準 第13条第9号)

2. 照会で代えた場合、照会の内容(解釈通知)と、代えた理由(実務上、確認されやすい点)が記録に残っているか

3. テレビ電話装置等を活用して開催し、本人・家族が参加した場合、活用について同意を得ているか(同号)

4. 会議で本人・家族の個人情報を用いることについて、あらかじめ文書で同意を得ているか(運営基準 第23条第3項)

5. 原案の内容を本人・家族に説明し、文書で同意を得ているか(同 第13条第10号)

6. 確定した居宅サービス計画を本人と担当者に交付しているか(同 第13条第11号)

7. 各事業所に個別サービス計画の提出を求めているか(同 第13条第12号)

8. サービス担当者会議等の記録を整備し、完結の日から2年間保存しているか(同 第29条第2項。保存年限を条例で延ばしている市町村もあるので、所在地の条例を確認)

よくある迷いどころ

会議は何分で終えればよいですか

運営基準の条文に、所要時間は書かれていません。この記事では30分で時間割を組みましたが、本人が長く座っていられない場合は短く、調整することが多い場合は長くなります。大事なのは、開会で「◯時に終わります」と言い、その時間を守ることです。

本人の体調が悪く、会議に出られません。延期すべきですか

運営基準は「利用者及びその家族の参加を基本としつつ」としているので、本人が参加できる日に開けるなら、それが基本です。延期すると、サービスの開始も遅れます。本人の自宅で開く、時間を短くする、本人の意向を事前に聞いて会議で読み上げるなど、本人の声を会議に届ける方法を考えます。どうしても判断に迷う場合は、市町村(指定権者)に相談してください。

初回からオンラインで開いてもいいですか

運営基準第13条第9号は、テレビ電話装置等を活用して会議を行えるとしていて、初回かどうかで分けていません。本人や家族が参加する場合は、テレビ電話装置等を使うことについて同意を得ます。解釈通知は、活用に当たって個人情報保護委員会・厚生労働省のガイダンスなどを守ることも求めています。

事業所が1か所しかありません。それでも会議は開きますか

第13条第9号は、原案に位置づけたサービスの担当者を招集して開く会議としています。担当者が1事業所でも、本人・家族と担当者で会議を開いて意見を求めます。主治医から医学的な意見を聞いている場合は、その内容も共有します。

会議のあと、計画書はいつまでに渡せばいいですか

運営基準は「居宅サービス計画を作成した際には」交付すると定めていて、日数は条文に書かれていません。会議で反映すると決めたことを直したら、本人・家族への説明と同意、交付をサービス開始日までに進めます。閉会のセリフで「◯月◯日までに」と日付を言っておくと、自分の締め切りにもなります。

まとめ

✓ 第13条第9号の会議は、情報を「共有する」ことと、原案について担当者から「意見を求める」ことの2つ。開会で目的として言葉にする

✓ 本人・家族の参加が基本。原案より先に本人の言葉を聞く順番で台本を組む

✓ 各事業所には「ご意見ありますか」ではなく、目標のために「何ができるか」「何に気をつけるか」を聞く

✓ 決まっていないことは選択肢を2つに絞って本人に選んでもらう。決まらなければ「誰が・いつまでに」をつけて宿題にする

✓ まとめは「誰が・何を・いつから」を司会が読み上げ、全員にうなずいてもらう

✓ オンライン参加は本人・家族の同意が要る。照会で代えられるのは「やむを得ない理由」がある場合で、欠席事業所の回答は会議で読み上げる

✓ やむを得ない理由がないのに開かず、照会にも代えていなければ運営基準減算(100分の50・2月以上続くと算定しない)に当たる。説明・同意・交付もサービス開始日までに。具体的な扱いは市町村(指定権者)に確認

明日の会議の台本に、まずステップ1の開会のセリフを1つと、ステップ7のまとめのセリフを1つ、書き写してみてください。その2つがあれば、最初と最後で迷いません。

あわせて読みたい

サービス担当者会議の要点(第4表)の書き方

居宅介護支援経過(支援経過記録)の書き方

ケアプラン第1表「利用者及び家族の生活に対する意向」の文例集

主治医・医療機関との連携文例集

モニタリング(記録・報告書)の文例集

参考・出典

1. 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第9号・第10号・第11号・第12号、第23条第3項、第29条第2項/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038

2. 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(平成11年7月29日 老企第22号)第2の3(8)⑩「サービス担当者会議等による専門的意見の聴取(第9号)」=介護保険最新情報Vol.1213(令和6年3月15日)所収の改正後の文言 https://www.mhlw.go.jp/content/001227724.pdf

3. 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)注6 運営基準減算/厚生労働省法令等データベース https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0254&dataType=0&pageNo=1

4. 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第82号 居宅介護支援費における運営基準減算の基準/厚生労働省法令等データベース https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab4584&dataType=0&pageNo=3

5. 厚生労働省 老企第29号「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(令和3年3月31日改正後全文・介護保険最新情報Vol.958)第4表 サービス担当者会議の要点 https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0401101809839/ksvol.958.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました