【褥瘡(床ずれ)】ケアプラン第2表の文例集|ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容(コピペ可/158文例)

褥瘡(床ずれ) ケアプラン文例集 第2表 ニーズ・目標・サービス内容 158文例 疾患別文例(第2表)

「84歳、女性。脳梗塞のあと、ベッドで過ごす時間が長くなった。同居する長男の妻が、夜中も起きて向きを変えている。訪問介護の入浴介助の日、ヘルパーから電話が入った。『お尻の真ん中が赤くて、指で押しても白くなりません』」。この電話を受けたら、最初に何をしますか。

赤みが床ずれ(褥瘡)かどうかを判断するのは、訪問看護師か主治医です。ケアマネジャーの仕事は、その判断に早く届く連絡の順番を整えておくこと。日本褥瘡学会の「床ずれ予防の日」のページは、骨の出ているところの赤みを見つけたときの相談先として、かかりつけ医や訪問看護師と並べてケアマネージャーを挙げています。10月20日は、その日本褥瘡学会が提唱する「床ずれ予防の日」です。

そのうえで第2表。「2時間ごとに体位変換」「ヘルパーが軟膏を塗る」と書きかけていませんか。2時間は学会のガイドラインでも条件つきの目安で、間隔は主治医・訪問看護と決めて書きます。厚生労働省のページに掲載されているガイドラインは、「介護職員は、褥瘡への軟膏の塗布、湿布以外の薬剤(経皮吸収型薬剤など)の皮膚への貼付は行うことができません」と書いています。第2表に載せるのは処置の手順ではなく、誰が・何を見て・どの間隔で・誰に伝えるかです。

寝返りが打てない。夜の体位変換がつらい。車いすで長く座る。おむつで皮膚がふやける。食べる量が減った。退院したら床ずれがあった。処置が増えた。この7つを聞き取ると、文例を選ぶ場所が決まります。

この記事では、褥瘡(床ずれ)の第2表で使える文例を、12の場面で158本まとめました。気になる行をコピーして、ご本人の状態に合わせて言葉を入れ替えて使ってください。褥瘡の処置が始まった場面の訪問看護の文例と特別訪問看護指示書の基本は訪問看護の記事、要介護1以下の方への例外給付は福祉用具の記事に分けています。制度の部分は、医行為に関する3つの通知、福祉用具貸与の告示、介護報酬と診療報酬の告示、給付調整通知などの原文にあたって書いています。褥瘡そのものの説明は、主治医意見書記入の手引きと、日本褥瘡学会の公開資料・「褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)」によります。

この記事の文例の並び方

第2表の欄ごとに章を分けています。

1章目:ニーズ(「〜したい」の形・主語はご本人)

2章目:長期目標

3章目:短期目標

4章目:サービス内容

各章の中は場面別に分かれているので、担当の方に近い場面から拾ってください。場面は、床ずれの入口(寝返り・夜・座る時間・おむつ・入浴)から、気づいたときの連絡、栄養、退院、医療との境目、最期の時期の順に並べています。後半に「書き方のコツ」と「運営指導で見られやすいポイント」があります。

ケアプラン第2表の様式図
この記事の文例は、第2表の①ニーズ ②長期目標 ③短期目標 ④サービス内容 の欄に入ります
    1. この記事の文例の並び方
  1. 文例の前に:褥瘡(床ずれ)の第2表で押さえること
    1. この記事の範囲:福祉用具・訪問看護・ターミナル期・神経難病の記事の「次」
    2. 褥瘡とは:主治医意見書記入の手引きの一文
    3. できやすい場所:寝ているか座っているかで見る場所が変わる
    4. 見つけ方:指で押しても白くならない赤み
    5. 介護職ができる範囲:2つの通知に「褥瘡の処置を除く」
    6. 「2時間ごと」の根拠:ガイドライン第4版の推奨は条件つき
    7. 床ずれ防止用具は2種類。車いすのクッションは「車いす付属品」
    8. 医療保険に切り替わる線:「真皮を越える褥瘡」は別表第八
    9. 介護報酬のどこに「褥瘡」が出てくるか
    10. 要介護認定:褥瘡が出てくる3か所と「じょくそうの処置」
    11. 退院直後:病院は褥瘡の危険因子を評価している
    12. 栄養:推奨には「疾患を考慮したうえで」が付いている
    13. 装具や機器が当たる場所も:医療関連機器褥瘡とスキン-テア
    14. 最期の時期:防ぎきれない褥瘡がある
    15. 目標に「床ずれが良くなる」「床ずれをつくらない」を書かない
  2. ニーズ(生活全般の解決すべき課題)の文例(50文例)
    1. 寝返りが打てなくなってきた(予防の入口)
    2. 夜の体位変換で家族が眠れない
    3. 車いすで過ごす時間が長い(座ったときの床ずれ)
    4. おむつで皮膚がふやける・赤くなる
    5. 入浴・清拭のたびに皮膚を見てもらう
    6. 赤みを見つけたときの連絡の順番
    7. 食べる量が減り、体重が落ちてきた
    8. 退院したら床ずれがあった(持ち込み)
    9. 深い床ずれになり、処置が増えた(医療との境目)
    10. ヘルパーに頼めること・頼めないこと
    11. 最期の時期の床ずれ
    12. コルセットや医療機器が当たる場所が赤い
  3. 長期目標の文例(16文例)
  4. 短期目標の文例(42文例)
    1. 寝返りが打てなくなってきた(予防の入口)
    2. 夜の体位変換で家族が眠れない
    3. 車いすで過ごす時間が長い(座ったときの床ずれ)
    4. おむつで皮膚がふやける・赤くなる
    5. 入浴・清拭のたびに皮膚を見てもらう
    6. 赤みを見つけたときの連絡の順番
    7. 食べる量が減り、体重が落ちてきた
    8. 退院したら床ずれがあった(持ち込み)
    9. 深い床ずれになり、処置が増えた(医療との境目)
    10. ヘルパーに頼めること・頼めないこと
    11. 最期の時期の床ずれ
    12. コルセットや医療機器が当たる場所が赤い
  5. サービス内容の文例(50文例)
    1. 主治医・医療機関との連携
    2. 訪問看護(介護保険/特別訪問看護指示の期間は医療保険)
    3. 訪問介護
    4. 福祉用具貸与
    5. 通所介護・通所リハ・短期入所
    6. 定期巡回・訪問入浴・居宅療養管理指導
    7. 本人・家族の取り組み
  6. 書き方のコツ(深めたい方向け)
    1. コツ1:ヘルパーの行に「褥瘡の処置」「軟膏塗布」と書かない。担当者会議で確かめた線を書く
    2. コツ2:間隔の欄は「主治医・訪問看護と決めた間隔」。家族の夜の分担は担い手ごとに書く
    3. コツ3:訪問看護は保険の区分で行を分ける
    4. コツ4:赤みの連絡の順番を1枚に。見る場所は寝る時間と座る時間で分ける
    5. 現場のひとこと
  7. 運営指導で見られやすいポイント
  8. よくある迷いどころ
    1. 要介護1で、寝返りができない日があります。床ずれ防止用具は借りられますか
    2. デイサービスで、床ずれのある方を受けてもらえますか
    3. 円座を使ってもいいですか
    4. 自動で向きを変えるマットにすれば、夜の体位変換はしなくてよいですか
    5. 深い床ずれがあると、訪問看護は医療保険になりますか
    6. ヘルパーに、市販の保護クリームを塗ってもらえますか
  9. まとめ
  10. あわせて読みたい
  11. 参考・出典

文例の前に:褥瘡(床ずれ)の第2表で押さえること

この記事の文例は、自宅で暮らす要介護の方で、寝ている時間や車いすに座っている時間が長く、床ずれができかけている、またはできやすい方の第2表を主軸にしています。その前に、言葉と制度の入口を15個。

この記事の範囲:福祉用具・訪問看護・ターミナル期・神経難病の記事の「次」

床ずれは、すでにいくつかの記事に場面として出てきます。福祉用具の記事には、床ずれ防止用具と体位変換器の基本の文例と、要介護1以下の方への例外給付(軽度者)の手続きがあります。訪問看護の記事には、褥瘡の処置が始まった場面の文例と、特別訪問看護指示書の基本、医療保険の期間の給付管理の扱いがあります。ターミナル期の記事には看取りの時期にベッドと床ずれ防止用具を急いで入れる場面、神経難病の記事には夜間の体位変換と人工呼吸器の位置の変更があります。この記事では繰り返しません。

【福祉用具貸与・販売/住宅改修】ケアプラン第2表の文例集

【訪問看護】ケアプラン第2表の文例集

【ターミナル期・看取り】ケアプラン第2表の文例集

【神経難病(ALS・脊髄小脳変性症・多系統萎縮症)】ケアプラン第2表の文例集

この記事が扱うのは、褥瘡という状態の側から見た論点です。定義と見つけ方。介護職ができる範囲の線。体位変換の間隔の根拠。医療保険に切り替わる線。そして、介護報酬のどこに褥瘡が出てくるかです。

褥瘡とは:主治医意見書記入の手引きの一文

厚生労働省の「主治医意見書記入の手引き」は、褥瘡を「廃用症候群の代表的な症状。持続的圧迫及びずれ応力による局所の循環障害によって生じる阻血性壊死。」と説明しています。体の重みで押され続けた場所やずれた場所の血の流れが悪くなり、皮膚やその下の組織が傷む状態です。一般に「床ずれ」と呼ばれ、日本褥瘡学会は、皮膚の表面だけでなく骨に近い組織が傷ついている場合もあると説明しています。

なりやすい人として、学会の一般向けページは次を挙げています。自分で体の向きを変えられず、長く寝たきりの人。栄養状態が悪い人。皮膚が弱い人(高齢、排泄物や汗によるふやけ、むくみなど)。圧迫に加えて摩擦やずれが繰り返されている人。注意したい病気には、うっ血性心不全・骨盤骨折・脊髄損傷・糖尿病・脳血管疾患・慢性閉塞性肺疾患が挙がっています。担当の方の病名に、この6つのどれかが入っていませんか。

できやすい場所:寝ているか座っているかで見る場所が変わる

学会は、骨が突き出した部位ほど強く圧迫されてできやすく、できやすい場所は寝ているときの向きや姿勢で違うと説明しています。日本褥瘡学会の全国調査(2016年10月実施)では、訪問看護ステーションの利用者の褥瘡で最も多い部位は仙骨部(お尻の中央)の30.0%、次いで坐骨結節部の10.2%でした。坐骨は、座ったときに体重がかかる骨です。

調査は寝ている方と座っている方を分けた数字ではありませんが、できやすい場所が姿勢で変わるという学会の説明とあわせて、寝ている時間が長い方はお尻の中央やかかと、車いすの時間が長い方は座面に当たる骨、と見る場所を分けて伝えます。同じ調査で、訪問看護ステーションの利用者の褥瘡の有病率は1.93%でした。どちらも2016年の調査の数字で、2021年度に行われた調査の部位や有病率は、この記事では使っていません。

見つけ方:指で押しても白くならない赤み

学会の一般向けページは、赤くなった部分を人差し指で3秒ほど軽く押す方法(指押し法)を紹介しています。押して白くなり、離すと赤みが戻るものは褥瘡ではない。押しても赤みが消えなければ、初期の褥瘡と考える。学会のガイドライン(第4版)も、赤みの見分けに指押し法を「行ってもよい」(推奨度C1)としています。

指押し法は観察で、処置ではありません。第2表に書くのは、家族やヘルパーが赤みに気づいて伝えるところまでです。褥瘡かどうかの判断は、訪問看護師か主治医に委ねます。学会は、褥瘡の可能性があれば医師か看護師に相談するよう書いています。ガイドラインも、褥瘡がすでにある方の家族への指導として、異常があったときの医療機関への連絡方法を伝えることを挙げています(推奨度C1)。

介護職ができる範囲:2つの通知に「褥瘡の処置を除く」

「ヘルパーさんに、お尻の薬を塗ってもらえませんか」。家族からこう頼まれたら、まず、その場所が褥瘡かどうかを訪問看護師か主治医に確かめます。

平成17年の通知(医政発第0726005号)は、容態が安定しているなど3つの条件を医師・歯科医師・看護職員が確認し、本人・家族への説明と事前の依頼があるなどの条件のもとで行う医薬品の使用の介助を、原則として医行為ではない行為に挙げています。その具体例が「皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く。)」です。令和4年の通知(医政発1201第4号)も、水虫や爪白癬の爪への軟膏又は外用液の塗布の介助に「(褥瘡の処置を除く。)」と付けています。厚生労働省のページには「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」(令和6年度老人保健健康増進等事業・2025年3月)が掲載されています。その本文は、「介護職員は、褥瘡への軟膏の塗布、湿布以外の薬剤(経皮吸収型薬剤など)の皮膚への貼付は行うことができません」と書いています。

令和7年12月26日の通知(医政発1226第12号)は、湿布の貼付の介助を整理しました。対象は「専門的な管理が必要無いことを医師若しくは看護職員が確認した皮膚」に限られ、ステロイド外用剤など専ら皮膚疾患に用いるものは除かれています。

3つの通知には、共通の注意書きがあります。病状が不安定であるなど専門的な管理が必要な場合は医行為とされる場合もあり、介護サービス事業者等がサービス担当者会議の開催時などに、必要に応じて医師や看護職員(令和7年の通知は薬剤師も)に確認することが考えられる、という内容です。確認の場として名前が挙がっているのは、ケアマネジャーが開くサービス担当者会議です。どこまでを介護職が行い、どこからを看護職が行うかを会議の場で医療職と事業所が確かめられるようにし、その結果を第2表の担い手の欄に書く。 ここがケアマネジャーの仕事です。

床ずれに関わる介護職の行に書くのは、たとえば老計第10号に沿った体位変換、おむつ交換と陰部・臀部の洗浄、清拭と入浴の介助、そのときの皮膚の観察と報告です。褥瘡への軟膏の塗布、褥瘡のガーゼやドレッシング材の交換、傷の洗浄は、担当者会議で確かめたうえで訪問看護か主治医の行に書きます。訪問看護の来ない日に家族が手当てをする場合は、訪問看護師から方法の説明を受けたうえで、家族の行に書きます。平成17年の通知にある「汚物で汚れたガーゼの交換」は、軽微な切り傷・擦り傷・やけどなどの処置の例で、褥瘡のガーゼの交換とは別の話です。

「2時間ごと」の根拠:ガイドライン第4版の推奨は条件つき

「床ずれ予防は2時間ごとの体位変換が決まりなんですよね」。日本褥瘡学会の「褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)」(2015年)は、ベッド上の体位変換を「基本的に2時間以内の間隔で」行うよう勧めています(推奨度B)。同じガイドラインは、粘弾性フォームマットレスを使う場合は4時間以内の間隔で行うよう勧め(推奨度B)、上敷二層式エアマットレスを使う場合は4時間以内の間隔で行ってもよい(推奨度C1)としています。推奨度はA=強く勧められる、B=勧められる、C1=行ってもよい、C2=根拠がないので勧められない、D=行わないよう勧められる、の5段階です。

解説には、頻度は皮膚の状態や全身状態などのアセスメントで決めるとする海外のガイドラインの考え方も紹介されています。国の様式例も時間を固定していません。施設や看多機の褥瘡マネジメント加算で使う「褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書」の体位変換の欄は、「( )時間ごと」と時間が空欄です。間隔は一人ひとり、主治医・訪問看護と決めて書く。 第2表には「2時間ごと」と固定で書かず、「主治医・訪問看護と決めた間隔で」と書きます。

夜の家族の負担を話し合うと出てくるのが、自動体位変換機能付きのエアマットレスです。ガイドラインは、在宅で介護する人の負担軽減に「使用してもよい」(推奨度C1)としたうえで、解説に「あくまでも体位変換を支援するものであり,定期的な介護者による体位変換が必要である」と書いています。「このマットにすれば夜は起きなくてよい」とは言えません。家族の夜の回数をどこまで減らせるかは、訪問看護・福祉用具専門相談員と相談して決めます。

ガイドラインには2022年発行の第5版があります。医療情報サービスMindsの掲載ページは第5版を「本文公開交渉中」としているため(2026年9月に編集部が確認)、この記事は全文を読める第4版で書き、第5版の推奨の中身は書いていません。

床ずれ防止用具は2種類。車いすのクッションは「車いす付属品」

福祉用具貸与の床ずれ防止用具は、告示で2種類に決まっています。送風装置か空気圧調整装置を備えた空気マットと、水・エア・ゲル・シリコン・ウレタンなどでできた全身用のマットです(老企第34号)。どちらも、体圧を分散して、押される場所の圧力を減らすことが目的です。水やウレタンなどのマットは「全身用」に限られている点が、選ぶときの目印になります。部分用のパッドを考えるときは、対象になるかを福祉用具専門相談員に確かめます。

体位変換器は、体の下に差し込んで向きを変えやすくするもので、専ら体位を保持するためのものは除かれます。車いすに長く座る方のクッションは、「車いす付属品」の扱いです。車いすと一体的に使うものに限られ、車いすの貸与とあわせて借りるか、すでに使っている車いすに付けて借りる形です。「すでに使っている車いす」に自費で買ったものが含まれるかは、保険者に確かめてください。

ガイドラインは、円座を「用いないように勧められる」(推奨度D)としています。家族が自分で用意しがちな用具なので、見かけたら訪問看護に相談します。要介護1以下の方は、床ずれ防止用具・体位変換器に加えて、車いすと車いす付属品も原則として貸与の対象外です。寝返りが難しい日がある場合などの例外給付は、福祉用具の記事にまとめています。

医療保険に切り替わる線:「真皮を越える褥瘡」は別表第八

「深い床ずれになったら、訪問看護は医療保険になるんですよね」。要介護の方の訪問看護は、原則として介護保険です(給付調整通知・令和8年6月1日適用)。医療保険の訪問看護になる例外は、通知に並んでいます。主治医が特別訪問看護指示書を出した期間の訪問看護と、特掲診療料の施設基準等の別表第七に掲げる疾病等(末期の悪性腫瘍など)の方の訪問看護などです。

「真皮を越える褥瘡の状態にある者」が載っているのは、別表第七ではなく別表第八です。通知を読む限り、褥瘡があることだけでは、要介護の方の訪問看護が医療保険に切り替わる仕組みになっていません。 別表第七の疾病等がほかにあるかどうかで変わるので、保険の区分は訪問看護事業所と主治医に確かめてください。

切り替わるのは、主治医が特別訪問看護指示書を出したときです。急な悪化などで、一時的に頻回の訪問看護が必要だと主治医が認めたときに出すもので、通常は月1回、真皮を越える褥瘡の方は月2回まで出せます(医科点数表 C007 注2・特掲診療料の施設基準等 四の三)。訪問は交付の日から14日以内が限度です。その期間は医療保険の訪問看護になるので、第2表では介護保険の訪問看護の行と分けて書きます。その月の給付管理の扱いは、訪問看護の記事にまとめています。

介護報酬のどこに「褥瘡」が出てくるか

「褥瘡のある方を、デイで受けてもらえるでしょうか」。答えを探す前に、介護報酬のどこに褥瘡が出てくるかを押さえておくと、事業所に何を聞けばよいかが決まります。

訪問看護:真皮を越える褥瘡の状態の方は、特別管理加算(Ⅱ)の対象です(告示94号)。介護保険の訪問看護には、令和6年6月1日に専門管理加算ができました。褥瘡ケアなどの専門の研修を受けた看護師が、主治医の指示書に基づいて計画的な管理を行った場合の加算です。対象は真皮を越える褥瘡の方で、在宅で重点的な褥瘡管理を行う必要が認められる方は真皮までの方も含みます。要件の細部と、研修を受けた看護師がいるかは、訪問看護事業所に確かめます。

看多機と施設:褥瘡マネジメント加算は、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・地域密着型介護老人福祉施設と、看多機にあります(告示95号・告示126号)。在宅で使うサービスのうち、この加算があるのは看多機です。利用開始時に褥瘡の有無を確かめて発生のリスクを評価し、少なくとも3か月に1回評価し直す。褥瘡ケア計画を作る職種には、医師・看護師・介護職員・管理栄養士と並んで介護支援専門員(施設や看多機の介護支援専門員)が挙がっています。

通所リハと短期入所生活介護:通所リハの重度療養管理加算(要介護3〜5)と、短期入所生活介護の医療連携強化加算は、対象の状態に「褥瘡に対する治療を実施している状態」を挙げています(告示94号)。治療中の方を受け入れる体制があるかは、事業所に確かめます。

通所介護:編集部が居宅サービスの報酬告示(告示19号)と、加算の要件を定める告示94号・95号を「褥瘡」で検索した範囲では、この語が出てくるのは訪問看護・通所リハ・短期入所生活介護・看多機・施設の箇所で、通所介護の加算の要件には出てきません。加算がないことは、受け入れができないという意味ではありません。 皮膚の観察や座る時間の区切りにどこまで対応できるかは、事業所の体制次第なので、利用の前に聞いておきます。

【看護小規模多機能型居宅介護(看多機)】ケアプラン第2表の文例集

要介護認定:褥瘡が出てくる3か所と「じょくそうの処置」

主治医意見書には、褥瘡の欄が3か所あります。特別な医療の「褥瘡の処置」、身体の状態の「褥瘡(部位・程度)」、現在あるかまたは今後発生の可能性の高い状態の「褥瘡」です。

認定調査の「過去14日間にうけた特別な医療」には「11. じょくそうの処置」があります。認定調査員テキストは、これを「医師の指示に基づき、過去14日以内に看護師等によって実施された行為のみ」としています。大きさや程度は問わず、家族や介護職が行う似た行為は含みません。「移乗」の項目にも、じょくそう予防などを目的とした体位交換で、でん部を動かす行為が含まれると書かれています。

褥瘡の処置が始まった、寝返りができなくなったときは、区分変更を検討する材料になります。ただし、区分がどう変わるかを決めるのは介護認定審査会です。見込みを家族に伝えるときは、「こうなります」と言い切らないでください。

退院直後:病院は褥瘡の危険因子を評価している

病院は入院基本料の施設基準で、日常生活の自立度が低い入院患者について、褥瘡の危険因子を評価することになっています(令和8年度の施設基準通知)。項目は、ベッド上の自力体位変換、イス上の座位姿勢の保持と除圧、病的骨突出、関節拘縮、栄養状態低下、皮膚湿潤(多汗・尿失禁・便失禁)、皮膚の脆弱性(浮腫・スキン-テア)です。

この7つは、退院前カンファレンスで聞くことの一覧にそのまま使えます。あわせて、褥瘡の有無と部位、病院での体位変換の間隔とマットレス、処置の内容と担い手を聞きます。評価の結果を書面でもらえるかは、病院に依頼してみてください。床ずれ防止用具は、退院日に届くよう福祉用具の搬入日を合わせます。入退院の連絡の文例は、主治医・医療機関との連携の記事にあります。

主治医・医療機関との連携文例集

栄養:推奨には「疾患を考慮したうえで」が付いている

「床ずれにはたんぱく質を増やすといいんですよね」。ガイドライン(第4版)は、低栄養状態の方に「疾患を考慮したうえで」高エネルギー・高蛋白質のサプリメントによる補給を勧め(推奨度B)、褥瘡のある方には「必要量に見合った蛋白質を補給すること」を勧めています(推奨度B)。

腎臓病・心不全・糖尿病などで、たんぱく質や水分、塩分に制限がある方がいます。第2表に「たんぱく質を増やす」「水分を1日○ml」とは書きません。 書くのは「主治医・管理栄養士の指示の範囲で、食事量と体重を記録して共有する」です。ガイドラインは、褥瘡のある方の栄養補給の評価に体重の増加を用いるのは「浮腫,脱水がなければ」としているので、むくみのある方は体重の見方を主治医に聞きます。

管理栄養士の居宅療養管理指導は、特別食が必要な方か、低栄養状態にあると医師が判断した方が対象です。制度のつなぎ方は居宅療養管理指導の記事、低栄養のサインは衰弱の記事、たんぱく質の制限がある方は腎不全の記事にあります。

【居宅療養管理指導】ケアプラン第2表の文例集

【高齢による衰弱(フレイル・廃用症候群)】ケアプラン第2表の文例集

【慢性腎不全・人工透析】ケアプラン第2表の文例集

装具や機器が当たる場所も:医療関連機器褥瘡とスキン-テア

日本褥瘡学会の用語集は、医療関連機器による圧迫で生じる皮膚や、その下の組織の損傷を「医療関連機器褥瘡」とし、広い意味では褥瘡の範疇としています(2023年に名称を変更)。コルセット、酸素のチューブ、弾性ストッキングなどが当たる場所も、観察の対象に入ります。当て方や機器の調整は、主治医や義肢装具士の領域です。コルセットの当たる場所の文例は、骨粗鬆症の記事にもあります。

【骨粗鬆症・脊椎圧迫骨折(骨折後の痛み・コルセット・臥床からの回復期)】ケアプラン第2表の文例集

用語集には「スキン-テア」もあります。高齢者などの弱い皮膚が、摩擦やずれで裂けてできる傷です。移乗や着替えの介助で起きやすいので、「腕や足を引っぱらない」を介助の行に書き添えます。

最期の時期:防ぎきれない褥瘡がある

日本褥瘡学会の実態調査委員会の報告(2024年)は、「防ぎきれない褥瘡」を扱い、米国の褥瘡の専門家団体の声明を引いて、おもに終末期に発生するとしています。看取りの時期の目標を「床ずれをつくらない」にすると、できたときに家族が自分を責めることがあります。

この時期の第2表は、「痛みを増やさない」「本人が楽な姿勢と、向きを変える間隔を相談して決める」「変化に早く気づいて主治医・訪問看護に伝える」の形で書きます。看取りの時期の用具の導入と医療保険の訪問看護への切り替えは、ターミナル期の記事にあります。

目標に「床ずれが良くなる」「床ずれをつくらない」を書かない

記載要領(老企第29号・令和3年3月31日改正後)は、第2表の目標を「実際に解決が可能と見込まれるもの」としています。「床ずれが良くなる」「床ずれをつくらない」「褥瘡の悪化を防ぐ」は、ケアチームが期日までに約束できる言葉ではありません。傷の深さの評価は、訪問看護と主治医の領域です。

書き換えの型を3つ。「床ずれをつくらない」→「消えない赤みに気づいた日に、家族が訪問看護に電話で伝えられる」。「2時間ごとに体位変換する」→「主治医・訪問看護と決めた間隔で向きを変え、体位変換表に記録できる」。「床ずれが良くなる」→「処置の日と担い手を、家族が訪問看護と確かめて予定表に書ける」。傷の状態を目標にせず、本人と家族が取り組める行動を目標にする。 目標の書き方の全体は、目標の文例の記事にまとめています。

ケアプラン第2表 目標の文例集

ニーズ(生活全般の解決すべき課題)の文例(50文例)

ケアプラン第2表の様式図
この章の文例は「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」欄に書きます

この章の文例は「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」欄に書きます。主語はご本人です。家族の困りごとは行頭に(家族)を付けて区別しています。「褥瘡リスクあり」「仙骨部発赤」と医療の言葉で書いて終わりにせず、本人がどう感じて何に困っているかを書けていますか。

寝返りが打てなくなってきた(予防の入口)

  • 自分で向きを変えられなくなっても、お尻や背中が痛くならずに眠りたい
  • ベッドで過ごす時間が長くなったので、床ずれができないように寝具を整えたい
  • 寝返りを打つと痛みがあるので、痛みの少ない姿勢で休める工夫を知りたい
  • ベッドの上でずり落ちて体がこすれるので、楽な姿勢で過ごしたい
  • かかとが布団に当たって痛むことがあるので、当たり方を見てもらいたい

夜の体位変換で家族が眠れない

  • 家族に無理をさせずに、自宅で過ごし続けたい
  • (家族)夜中に何度も起きて向きを変えているので、続けて眠れる日がほしい
  • (家族)夜の体位変換を一人で抱えているので、ほかの家族や支援者と分担したい
  • (家族)自動で向きを変えるマットがあると聞いたので、使えるかどうか相談したい
  • (家族)体の向きの変え方に自信がないので、やり方を専門職から教わりたい

車いすで過ごす時間が長い(座ったときの床ずれ)

  • 車いすで食事やデイサービスを楽しみながら、お尻を痛めずに過ごしたい
  • 車いすに座っているとお尻が痛くなるので、座る時間の区切りを決めたい
  • 自分で少しお尻を浮かせられるので、座っている間に姿勢を変える習慣をつけたい
  • 車いすのクッションが合っているか分からないので、見てもらいたい

おむつで皮膚がふやける・赤くなる

  • 陰部やお尻の皮膚を清潔に保ち、かゆみや痛みなく過ごしたい
  • おむつの中が蒸れて皮膚が赤くなりやすいので、交換の回数とやり方を見直したい
  • 下痢が続いて皮膚がただれそうで心配なので、早めに看護師に見てもらいたい
  • (家族)夜のおむつ交換の負担が大きいので、交換の時間と担い手を相談したい

入浴・清拭のたびに皮膚を見てもらう

  • お風呂で体をきれいにしながら、床ずれのなりかけに早く気づいてもらいたい
  • 自分では背中やお尻が見えないので、入浴のときに皮膚の様子を教えてもらいたい
  • 入浴できない日も体を拭いてさっぱりし、そのときに皮膚を見てもらいたい
  • 入浴で見つかった皮膚の変化を、家族にも知っておいてほしい

赤みを見つけたときの連絡の順番

  • 床ずれのなりかけに気づいたら、すぐに相談できるようにしたい
  • (家族)お尻の赤みが床ずれかどうか分からないので、見分け方と相談先を知っておきたい
  • (家族)赤みに気づいたときに誰に電話すればよいか迷うので、連絡の順番を決めておきたい
  • (家族)夜間や休日に皮膚の様子が変わったときの相談先を、前もって確かめておきたい

食べる量が減り、体重が落ちてきた

  • 床ずれを防ぐためにも、食べられる量を保ちたい
  • 食事の量が減って体重が落ちてきたので、食べやすい食事の工夫を相談したい
  • 持病で食事の制限があるので、制限を守りながら栄養のとり方を相談したい
  • (家族)どれくらい食べられているか分からないので、食事の量を記録して見てもらいたい

退院したら床ずれがあった(持ち込み)

  • 病院でしていた床ずれのケアを、家でも同じように続けたい
  • 退院した日から、病院と同じような寝具で休みたい
  • 入院中にできた床ずれの様子を、家での支援者にも知っておいてほしい
  • (家族)退院後に床ずれの手当てを誰がするのか分からず不安なので、退院前に確かめたい

深い床ずれになり、処置が増えた(医療との境目)

  • 傷の痛みが増えずに、家で治療を続けたい
  • 処置の回数が増えても、住み慣れた家で過ごしたい
  • (家族)処置の日が増えて保険や費用の仕組みが分からないので、説明を聞きたい
  • (家族)傷の手当てをどこまで家族がしてよいのか分からないので、看護師に確かめたい

ヘルパーに頼めること・頼めないこと

  • 介護の人にも、できる範囲で体の向きの交換やおむつ交換を手伝ってほしい
  • (家族)ヘルパーに薬を塗ってもらえるか分からないので、頼める範囲を知りたい
  • (家族)事業所ごとに言われることが違うので、皆が同じやり方で関わってほしい
  • (家族)看護師が来ない日の皮膚の様子を、ヘルパーにも見ておいてほしい

最期の時期の床ずれ

  • 残された時間を、体の痛みを増やさずに過ごしたい
  • 向きを変えられるのがつらい日があるので、自分が楽な姿勢を大事にしてほしい
  • (家族)床ずれができてしまったら自分のせいだと思ってしまうので、専門職と一緒に見守りたい
  • (家族)最期まで家で看たいので、床ずれの痛みへの対応を訪問看護と相談しておきたい

コルセットや医療機器が当たる場所が赤い

  • 装具や機器を使いながら、皮膚を傷めずに過ごしたい
  • コルセットが当たる場所が赤くなるので、当たり方を見直してもらいたい
  • 酸素のチューブが耳や鼻に当たって痛むので、相談したい
  • 着替えや移るときに腕の皮膚が裂けやすいので、やさしく介助してもらいたい

長期目標の文例(16文例)

ケアプラン第2表の様式図
この章の文例は「長期目標」欄に書きます

この章の文例は「長期目標」欄に書きます。床ずれがあるかないかではなく、床ずれに気をつけながらの暮らし方で書きます。 期間は認定の有効期間と主治医の見立てを見て設定します。担当の方の長期目標に、「褥瘡の治癒」「発赤の消失」の言葉が入っていませんか。

  • 自分に合った寝具と姿勢の工夫を続け、お尻や背中が痛いときは伝えながら、自宅での生活を続けられる
  • 家族と支援者で体位変換を分担し、家族が休息をとりながら自宅での介護を続けられる
  • 座る時間の区切りを守りながら、車いすで食事や外出を続けられる
  • おむつ交換と皮膚の清潔を続け、皮膚の変化に早めに気づいてもらいながら過ごせる
  • 入浴や清拭を続け、そのたびに皮膚の様子を家族と支援者で共有できる
  • 皮膚の赤みや痛みに早めに気づき、決めた順番で相談しながら自宅での生活を続けられる
  • 主治医・管理栄養士の指示の範囲で、食事と体重の記録を続け、食べる楽しみを持ち続けられる
  • 退院後も病院と同じ考え方のケアを続け、自宅での生活に慣れることができる
  • 処置の担い手と保険の仕組みを家族が理解し、自宅で治療を続けられる
  • 介護職と看護職の役割分担が決まり、同じやり方の関わりを受けながら自宅での生活を続けられる
  • 装具や機器の当たる場所に気をつけながら、装具や機器を使い続けられる
  • 本人が楽な姿勢と過ごし方を尊重され、痛みを増やさずに残された時間を自宅で過ごせる
  • 床ずれへの不安を相談できる相手を持ち、安心して自宅での生活を続けられる
  • 自分の希望(どこで、どう過ごしたいか)を伝え、ケアの内容を支援者と一緒に決められる
  • (家族)体の向きの変え方と皮膚の見方を身につけ、無理のない方法で介護を続けられる
  • (家族)夜に続けて眠れる日を週に何日か持ちながら、介護を続けられる

短期目標の文例(42文例)

ケアプラン第2表の様式図
この章の文例は「短期目標」欄に書きます

この章の文例は「短期目標」欄に書きます。誰が見ても達成できたかどうかが分かる形にします。回数・曜日・道具まで入れて、「床ずれが治まる」「発赤がなくなる」という言葉は入れません。体位変換の間隔は「2時間ごと」と固定せず、「主治医・訪問看護と決めた間隔」と書きます。担当の方の短期目標、家族と訪問介護員と訪問看護師が同じ物差しで確かめられますか。

寝返りが打てなくなってきた(予防の入口)

  • 床ずれ防止用具を使い始め、使い心地を1週間後に福祉用具専門相談員に伝えられる
  • 主治医・訪問看護と決めた間隔で向きを変え、体位変換表に記録できる日が週○日ある
  • ずり落ちたときに姿勢を直す方法を、家族が訪問看護師から教わり、自分でできる
  • かかとの当たり方を、訪問看護師と一緒に週1回確かめられる

夜の体位変換で家族が眠れない

  • 夜間の体位変換を、家族○回と支援者の訪問で分担し、主な介護者が続けて眠れる日が週○日ある
  • 自動体位変換機能付きのエアマットレスを使うかどうかを、訪問看護師・福祉用具専門相談員と○週間以内に話し合って決められる
  • ほかの家族が夜の体位変換を担う日を、月○日決められる
  • 月○日の短期入所の日を、主な介護者の休息にあてられる

車いすで過ごす時間が長い(座ったときの床ずれ)

  • 座る時間の区切り(○時間ごとに横になる・姿勢を変える)を、本人・家族・通所の事業所で同じに守れる日が週○日ある
  • 車いすに座っている間、声かけを受けてお尻を浮かせる・体を傾けることを、決めた回数できる
  • 車いすのクッションの使い方と空気の具合を、福祉用具専門相談員と月1回確かめられる

おむつで皮膚がふやける・赤くなる

  • おむつ交換のたびに皮膚の状態を見てもらい、赤みがあった日はその日のうちに訪問看護へ連絡してもらえる
  • おむつ交換の時間と担い手(家族・訪問介護)を決めた表を作り、表どおりに交換できる日が週○日ある
  • 下痢や皮膚のただれがあったとき、家族がその日のうちに訪問看護師に電話で伝えられる

入浴・清拭のたびに皮膚を見てもらう

  • 入浴か清拭のたびに皮膚の様子が連絡帳に書かれ、家族が週1回読んで確かめられる
  • 入浴できない日に清拭を受け、背中とお尻の皮膚を見てもらえる日が週○日ある
  • 通所や訪問入浴で見つかった皮膚の変化を、その日のうちにケアマネジャーへ知らせてもらえる

赤みを見つけたときの連絡の順番

  • 赤みを見つけたときの連絡先と順番を書いた紙を、本人・家族・各事業所が同じものを持てる
  • 家族が訪問看護師から指押し法を教わり、押しても白くならない赤みに気づいた日に電話で伝えられる
  • 夜間・休日の相談先(訪問看護の緊急連絡先など)を、家族が電話のそばに貼っておける
  • 赤みに気づいた日と場所を、家族がメモに書いて次の訪問のときに見せられる

食べる量が減り、体重が落ちてきた

  • 食事の量(主食・おかずを何割食べたか)を、家族か訪問介護員が週○日記録できる
  • 月1回、同じ条件で体重を測り、受診のときに主治医に見せられる
  • 管理栄養士の訪問を受けるかどうかを、主治医と○か月以内に相談できる
  • 食べやすい形や量の工夫を、主治医・管理栄養士の指示の範囲で1つ試せる

退院したら床ずれがあった(持ち込み)

  • 退院前カンファレンスに家族とケアマネジャーが出席し、病院での体位変換の間隔とマットレスを聞ける
  • 退院日までに床ずれ防止用具が届き、退院した日から使える
  • 退院後1週間以内に訪問看護の初回訪問があり、床ずれの様子と手当ての担い手を家族が確かめられる
  • 病院で受けていたケアの内容を書いた紙を、家族と各事業所が共有できる

深い床ずれになり、処置が増えた(医療との境目)

  • 処置の日と担い手(訪問看護)を、家族が訪問看護と確かめて予定表に書ける
  • 主治医の特別訪問看護指示が出た期間と、その間の訪問の予定を、家族が説明を受けて把握できる
  • 傷の痛みが強くなったとき、家族がその日のうちに訪問看護師に伝えられる
  • 処置のない日の体位変換とおむつ交換の担い手を、担当者会議で決められる

ヘルパーに頼めること・頼めないこと

  • 介護職が行うこと(体位変換・清潔・観察と報告)と看護職が行うこと(処置)を、担当者会議で確かめ、全員が同じ紙を持てる
  • 家族がヘルパーに頼みたいことを書き出し、頼める範囲を次の担当者会議で確かめられる
  • 看護師が来ない日の皮膚の様子を、ヘルパーが記録に書き、家族と訪問看護が読める

最期の時期の床ずれ

  • 本人が楽な姿勢と、向きを変える間隔を、家族と訪問看護師で相談して決められる
  • 痛みが強そうな様子(顔をしかめる・声が出るなど)に気づいたとき、家族が訪問看護師に伝えられる
  • マットレスを見直すかどうかを、訪問看護師・福祉用具専門相談員と相談して決められる

コルセットや医療機器が当たる場所が赤い

  • コルセットや機器が当たる場所を、着け外しのたびに家族か訪問介護員が見て、赤みがあれば訪問看護に伝えられる
  • コルセットの当たり方が気になるとき、次の受診で主治医に伝えられる
  • 着替えや移乗の介助で腕や足を引っぱらない方法を、家族と訪問介護員が同じにできる

サービス内容の文例(50文例)

ケアプラン第2表の様式図
この章の文例は「サービス内容」欄に書きます

この章の文例は「サービス内容」欄に書きます。褥瘡の方のサービス内容は、「何をするか」に加えて「何を見て、誰に伝えるか」をそろえて書きます。 介護職の行には処置を書かず、処置は訪問看護・主治医の行に書きます。特別訪問看護指示の期間の訪問看護は「医療保険」と明記して、介護保険の訪問看護と行を分けます。担当の方の第2表、ヘルパーの行に「軟膏塗布」と書いていませんか。

主治医・医療機関との連携

  • 主治医:褥瘡の診断と治療、訪問看護指示書の交付、急な悪化のときの特別訪問看護指示書の交付、主治医意見書
  • ケアマネジャー:介護職が行うことと看護職が行うことの範囲を、担当者会議で主治医・訪問看護師に確かめ、第2表の担い手に反映する
  • ケアマネジャー:体位変換の間隔を主治医・訪問看護と決め、家族と各事業所に同じ内容で伝える
  • ケアマネジャー:赤みを見つけたときの連絡先と順番を1枚にまとめ、本人の同意を得て家族と全事業所に配る
  • ケアマネジャー:訪問看護から届く褥瘡の評価(DESIGN-R®2020など)の報告を受け取り、月1回の訪問で生活の変化とあわせて確かめる
  • ケアマネジャー:退院前カンファレンスに出席し、病院での危険因子の評価・体位変換の間隔・マットレス・処置の担い手を確かめ、退院日に福祉用具と訪問看護が間に合うよう調整する
  • ケアマネジャー:特別訪問看護指示が出た場合、指示の期間と訪問の予定を訪問看護事業所と確かめ、家族に説明する
  • ケアマネジャー:寝返りや褥瘡の処置の状況が変わったとき、区分変更を検討するかを本人・家族と相談する
  • ケアマネジャー:訪問介護員や通所の記録で見つかった皮膚の変化を、本人の同意を得て主治医・訪問看護に伝える

訪問看護(介護保険/特別訪問看護指示の期間は医療保険)

  • 訪問看護:皮膚の状態の観察と評価、褥瘡の処置(主治医の指示に基づく)、主治医への報告
  • 訪問看護:体位変換の方法と、主治医と決めた間隔についての家族への説明と助言
  • 訪問看護:床ずれ防止用具の使い方と、底づき(体がマットの下の硬い面に当たる状態)がないかの確認
  • 訪問看護:おむつの当て方と、失禁による皮膚のふやけを防ぐスキンケアの方法の助言
  • 訪問看護:食事量・体重の変化の確認と、主治医への報告(栄養の指示は主治医・管理栄養士)
  • 訪問看護:コルセット・酸素のチューブなど機器の当たる場所の観察と、主治医への報告
  • 訪問看護:家族への指押し法の説明と、赤みに気づいたときの連絡方法の確認
  • 訪問看護:最期の時期の楽な姿勢と向きを変える間隔の相談、痛みの様子の観察と主治医への報告
  • 訪問看護(医療保険・主治医が特別訪問看護指示書を出した期間):指示の期間(交付の日から14日以内)の頻回の訪問と、主治医への報告

訪問介護

  • 訪問介護(身体介護):体位変換(仰向けから横向き、横向きから仰向け)と、あて物での楽な姿勢の保持。主治医・訪問看護と決めた間隔に合わせた時間に訪問する
  • 訪問介護(身体介護):おむつ交換と陰部・臀部の洗浄。そのときに皮膚の状態を観察し、赤みがあれば訪問看護とケアマネジャーに連絡する
  • 訪問介護(身体介護):清拭と着替え。背中・お尻・かかとの皮膚を観察し、記録に残す
  • 訪問介護(身体介護):入浴介助。脱衣のときに皮膚の状態を観察し、変化を家族とケアマネジャーに伝える
  • 訪問介護(身体介護):移乗と着替えの介助は、腕や足を引っぱらず、体をこすらないように行う
  • 訪問介護(身体介護):食事の介助と、食べた量の記録
  • 訪問介護:褥瘡への軟膏の塗布やガーゼの交換など処置にあたる行為は訪問看護が担い、訪問介護は担当者会議で確かめた範囲(体位変換・清潔・観察と報告)で関わる

福祉用具貸与

  • 福祉用具貸与(床ずれ防止用具):寝返りの状態と体格に合わせたマットの選定と、空気圧の具合の定期的な確認
  • 福祉用具貸与(特殊寝台・特殊寝台付属品):背上げのときに体がずれにくい高さと角度の調整、マットレスの選定
  • 福祉用具貸与(体位変換器):体の下に差し込んで向きを変えやすくする用具の選定と、家族への使い方の説明
  • 福祉用具貸与(車いす・車いす付属品):体に合う車いすとクッションの選定、座り心地と空気の具合の確認
  • 福祉用具貸与:自動体位変換機能付きのエアマットレスを検討する場合、訪問看護師と相談のうえで試用し、使い心地と家族の負担の変化を確かめる

通所介護・通所リハ・短期入所

  • 通所介護(地域密着型通所介護を含む):座る時間の区切りを守り、決めた時間に静養室で横になる時間をとる
  • 通所介護:入浴のときに皮膚の状態を観察し、連絡帳で家族に伝える。変化があればその日のうちにケアマネジャーに伝える
  • 通所介護:排泄の介助のときにおむつの中の皮膚を観察し、記録に残す
  • 通所介護:自宅で使っている車いすとクッションで過ごし、ほかの椅子に移るときも座る時間の区切りを守る
  • 通所リハビリテーション:座る姿勢と、自分でお尻を浮かせる・体を傾ける動きの練習
  • 短期入所生活介護:月○日、家族の休息のため。自宅と同じ体位変換の間隔とおむつ交換の方法で過ごし、皮膚の様子を帰宅時に家族とケアマネジャーに報告する
  • 通所・短期入所:利用の前に、褥瘡のある方・治療中の方を受け入れる体制と、皮膚の観察の方法を事業所と確かめる

定期巡回・訪問入浴・居宅療養管理指導

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護:夜間を含む決めた時間の体位変換とおむつ交換、皮膚の観察
  • 訪問入浴介護:入浴の前後に看護職員が皮膚の状態を観察し、変化を家族とケアマネジャーに伝える
  • 居宅療養管理指導(管理栄養士・医師の指示に基づく):食事量と体重の変化の確認と、持病の制限の範囲での食事の工夫の助言
  • 居宅療養管理指導(医師):療養上の管理と、ケアマネジャーへの情報提供

本人・家族の取り組み

  • 本人:お尻や背中が痛いとき、しびれるときは、我慢せずに家族や支援者に伝える
  • 本人:車いすに座っているときは、声かけに合わせてお尻を浮かせる・体を傾ける
  • 家族(長男の妻):夜間の体位変換を決めた回数行い、体位変換表に記録する
  • 家族:おむつ交換と着替えのときに、お尻・背中・かかとの赤みを見る
  • 家族:押しても白くならない赤みに気づいたら、連絡の順番を書いた紙のとおりに訪問看護に電話する
  • 家族:食べた量と体重をメモし、受診と訪問看護の日に見せる
  • 家族:退院前カンファレンスで聞いた病院での体位変換の間隔とマットレスをメモし、各事業所と共有する
  • 家族:円座などの用具を自分で用意する前に、訪問看護師か福祉用具専門相談員に相談する
  • 家族:月○日の短期入所の日は、自分の用事と休息にあてる

書き方のコツ(深めたい方向け)

すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。褥瘡の方の第2表ならではの書き分けのコツをまとめました。

コツ1:ヘルパーの行に「褥瘡の処置」「軟膏塗布」と書かない。担当者会議で確かめた線を書く

平成17年と令和4年の通知は「褥瘡の処置を除く」と書き、厚生労働省掲載のガイドラインは褥瘡への軟膏の塗布を介護職員が「行うことができません」としています。ヘルパーの行に書くのは、体位変換・おむつ交換と洗浄・清拭・入浴介助・皮膚の観察と報告です。

線を引くのはケアマネジャーではなく、担当者会議で確かめた医療職の判断です。3つの通知は、介護サービス事業者等が担当者会議の開催時などに必要に応じて医療職へ確認することが考えられる、と書いています。会議で確かめた内容は、支援経過と第4表に残します。家族に「ヘルパーさんは塗れないんです」とだけ伝えると、家族は訪問看護の来ない日に困ります。誰が、いつ、何をするかまでを第2表に並べてください。

【訪問介護(ホームヘルプ)】ケアプラン第2表の文例集

コツ2:間隔の欄は「主治医・訪問看護と決めた間隔」。家族の夜の分担は担い手ごとに書く

ガイドライン(第4版)の「基本的に2時間以内」は推奨度Bで、粘弾性フォームマットレス・上敷二層式エアマットレスという特定のマットレスを使う場合に限って4時間以内の推奨もあります。国の様式例も時間は空欄です。第2表には決めた間隔を書き、決めた相手(主治医・訪問看護)も書きます。

記載要領は、サービス種別の欄に家族が担う部分も誰が行うかを明記し、頻度は一定期間内の回数や曜日で書くとしています。夜の体位変換なら、「家族(長男の妻):夜間○回」「定期巡回:○時の訪問」と担い手ごとに分けて書くと、家族の負担が紙の上で見えます。夜間の訪問の担い手は、定期巡回の記事と、家族の休息はショートステイの記事にあります。

【定期巡回・随時対応型訪問介護看護】ケアプラン第2表の文例集

【ショートステイ(短期入所生活介護)】ケアプラン第2表の文例集

コツ3:訪問看護は保険の区分で行を分ける

真皮を越える褥瘡の方でも、要介護の方の訪問看護は原則として介護保険です。医療保険になるのは、主治医の特別訪問看護指示の期間(真皮を越える褥瘡の方は月2回まで・交付の日から14日以内)か、別表第七の疾病等がある場合などです。第2表では「訪問看護(介護保険)」と「訪問看護(医療保険・特別訪問看護指示の期間)」を別の行にします。

指示が出るかどうかを決めるのは主治医です。ケアマネジャーは、指示が出たら期間と訪問の予定を訪問看護事業所と確かめ、家族に説明します。

コツ4:赤みの連絡の順番を1枚に。見る場所は寝る時間と座る時間で分ける

1枚の紙に3つを並べます。見る場所(寝ている時間が長い方はお尻の中央・かかと、車いすの時間が長い方は座面に当たる骨、装具や機器の当たる場所)。見分け方(指で3秒押して白くならない赤み)。連絡先と順番(日中=訪問看護・主治医・ケアマネジャー/夜間・休日=訪問看護の緊急連絡先など)。

この紙を本人の同意を得て全事業所に配り、サービス内容の各行に「赤みがあれば訪問看護とケアマネジャーに連絡する」と書き添えます。赤みに気づくのは、おむつ交換や入浴をしている家族とヘルパーであることが多い。その気づきが訪問看護に届くまでの時間を短くするのが、この1枚の役目です。入浴のときの皮膚の観察を訪問入浴で組む場合の文例は、訪問入浴の記事にあります。

【訪問入浴介護】ケアプラン第2表の文例集

現場のひとこと

床ずれの第2表は、処置の文例を探し始めると、看護の計画を写したような紙になりがちです。ケアマネジャーが書けるのは、処置の周りにある暮らしのほうです。夜に何回、誰が向きを変えているか。赤みに最初に気づくのは誰か。その人が迷わず電話できるか。担当の方の家で、夜中に向きを変えている人の名前が第2表に書いてありますか。

運営指導で見られやすいポイント

1. 訪問看護・居宅療養管理指導などの医療サービスを位置づけるにあたり、利用者の同意を得て主治医の意見を求め、作成した計画を主治医等へ交付した記録があるか(平成11年厚生省令第38号 第13条第19号・第19号の2・第20号)

2. 主治医から医学的観点からの留意事項(体位変換の間隔・座る時間・栄養など)が示されている場合、それを尊重したサービス内容になっているか(同 第13条第20号)

3. サービス担当者会議で、原案の担い手ごとの役割(体位変換・清潔・観察と報告・処置など)について担当者から専門的な見地からの意見を求め、その内容が第4表や支援経過に残っているか(同 第13条第9号)

4. 特別訪問看護指示の期間の訪問看護が、医療保険として介護保険の訪問看護と区別して書かれ、給付管理の扱いを訪問看護事業所と確かめた経過があるか

5. 家族が担う部分(夜間の体位変換・おむつ交換など)について、誰が行うかと回数が書かれているか(記載要領 第2表⑥⑦)

6. 福祉用具貸与(床ずれ防止用具・体位変換器・車いす付属品など)を位置づける場合、第2表に必要な理由が書かれ、継続の必要性を検証しているか(同 第13条第22号)

7. 目標が、抽象的な言葉ではなく誰にもわかりやすい具体的な内容で、実際に解決が可能と見込まれるものになっているか(記載要領 第2表)

8. 短期入所を位置づけている場合、心身の状況等から特に必要と認められる場合を除き、利用日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えていないか(同 第13条第21号)

よくある迷いどころ

要介護1で、寝返りができない日があります。床ずれ防止用具は借りられますか

要介護1以下の方は、床ずれ防止用具と体位変換器が原則として貸与の対象外です。例外として借りられる場合の条件と手続き(認定調査の寝返りの結果による場合と、医師の医学的な所見にもとづき担当者会議を経て市町村が確認する場合)は、福祉用具の記事にまとめています。まず主治医に、寝返りの状態と皮膚の様子を伝えるところから始めてください。

デイサービスで、床ずれのある方を受けてもらえますか

編集部が居宅サービスの報酬告示と、加算の要件を定める告示を「褥瘡」で検索した範囲では、通所介護の加算の要件にこの語は出てきません。ただ、加算がないことは受け入れができないという意味ではありません。座る時間の区切り、横になれる場所、入浴時の皮膚の観察にどこまで対応できるかを、利用の前に事業所に聞いてください。通所リハと短期入所生活介護には、褥瘡の治療中の方を対象の状態に含む加算があるので、体制を確かめる手がかりになります。

円座を使ってもいいですか

学会のガイドライン(第4版)は、円座を「用いないように勧められる」(推奨度D)としています。学会の用語集は、周りに体圧がかかり、ずれの力も強く働くと説明しています。家族が用意していたら、使う前に訪問看護師か福祉用具専門相談員に相談するよう伝えます。

自動で向きを変えるマットにすれば、夜の体位変換はしなくてよいですか

ガイドラインは、在宅で介護する人の負担軽減に自動体位変換機能付きのエアマットレスを「使用してもよい」(推奨度C1)としています。同時に、解説で「定期的な介護者による体位変換が必要である」と書いています。夜の回数をどこまで減らせるかは、訪問看護師・福祉用具専門相談員と相談して決め、第2表には決めた回数と担い手を書きます。

深い床ずれがあると、訪問看護は医療保険になりますか

褥瘡があることだけでは、要介護の方の訪問看護は原則として介護保険のままです。「真皮を越える褥瘡」は別表第八に載っていて、医療保険の例外になる別表第七には入っていません。医療保険になるのは、主治医が特別訪問看護指示書を出した期間(真皮を越える褥瘡の方は月2回まで・交付の日から14日以内)などです。ほかの病気で別表第七に当たる方もいるので、保険の区分は訪問看護事業所と主治医に確かめてください。

ヘルパーに、市販の保護クリームを塗ってもらえますか

学会の一般向けページは、失禁によるふやけの予防に、洗ったあと皮膚を保護するクリームなどを使う方法を紹介しています。ただ、塗るものが処方された薬か市販の保護用品か、塗る場所に褥瘡があるかどうかで、扱いが変わりえます。褥瘡の部位への塗布は処置にあたるので、担当者会議で訪問看護師か主治医に確かめ、ヘルパーが行う範囲を第2表に書いてください。

まとめ

✓ 褥瘡は「持続的圧迫及びずれ応力による局所の循環障害によって生じる阻血性壊死」(主治医意見書記入の手引き)。できやすい場所は寝ているときの向きや姿勢で違う(学会の一般向けページ)。在宅では仙骨部(お尻の中央)、次いで坐骨結節部が多かった(学会の全国調査・2016年)。寝ている方はお尻の中央やかかと、車いすの方は座面に当たる骨を見る

✓ 赤みの見分けは指押し法(押しても白くならない赤み)。判断は訪問看護師か主治医。第2表に書くのは、気づいて伝えるところまで

✓ 平成17年・令和4年の通知は「褥瘡の処置を除く」。厚生労働省掲載のガイドラインは褥瘡への軟膏の塗布を介護職員が「行うことができません」とする。範囲は担当者会議で医療職に確かめて第2表の担い手に書く

✓ 「2時間ごと」はガイドライン第4版で「基本的に2時間以内」(推奨度B)。粘弾性フォームマットレスなど特定のマットレスを使う場合は4時間以内の推奨もあり、国の様式例も時間は空欄。間隔は主治医・訪問看護と決めて書く

✓ 自動体位変換機能付きのエアマットレスは家族の負担軽減に「使用してもよい」(C1)が、体位変換は続ける前提

✓ 床ずれ防止用具は空気マットと全身用のマットの2種類。車いすのクッションは「車いす付属品」。円座は勧められていない(推奨度D)

✓ 「真皮を越える褥瘡」は別表第八。褥瘡だけでは要介護の方の訪問看護は医療保険にならないのが原則。特別訪問看護指示は月2回まで・交付の日から14日以内。第2表は保険の区分で行を分ける

✓ 在宅で褥瘡マネジメント加算があるのは看多機。通所リハ・短期入所生活介護には褥瘡の治療中の方を含む加算がある。通所介護は加算がなくても受け入れは体制次第

✓ 栄養の推奨は「疾患を考慮したうえで」。たんぱく質や水分の量は第2表に書かない

✓ 目標に「床ずれをつくらない」を書かない。最期の時期には防ぎきれない褥瘡がある。傷の状態ではなく、本人と家族が取り組める行動を目標にする

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参考・出典

1. 厚生労働省「主治医意見書記入の手引き」(介護保険最新情報Vol.1003・令和3年8月16日所収)「褥瘡」の説明・栄養状態・(3)現在あるかまたは今後発生の可能性の高い状態 https://www.mhlw.go.jp/content/000819403.pdf

2. 厚生労働省「介護情報の各様式」(主治医意見書・褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書) https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/001043220.pdf

3. 厚生労働省「認定調査員テキスト2009改訂版」(令和6年4月改訂)「移乗」「11. じょくそうの処置」 https://www.mhlw.go.jp/content/001249525.pdf

4. 日本褥瘡学会「褥瘡について」(一般向け) https://www.jspu.org/general/about/

5. 日本褥瘡学会「褥瘡の予防について」(一般向け) https://www.jspu.org/general/prevention/

6. 日本褥瘡学会「床ずれ予防の日」 https://www.jspu.org/general/prevention_day/

7. 日本褥瘡学会「用語集」(医療関連機器褥瘡・スキン-テア・底づき・円座) https://www.jspu.org/medical/glossary/

8. 日本褥瘡学会「褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)」(2015年)CQ4.2・4.9・4.12・5.7・7.2・9.1・9.2・10.6・11.2/Minds掲載全文 https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00350.pdf

9. Minds「褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)」掲載ページ(2026年9月時点で本文公開交渉中の表示) https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00726/

10. 日本褥瘡学会「DESIGN-R®2020 コンセンサス・ドキュメント」 https://jspu.org/medical/books/docs/design-r2020_doc.pdf

11. 日本褥瘡学会 実態調査委員会「第4回(平成28年度)日本褥瘡学会実態調査委員会報告1」(褥瘡会誌2018) https://www.jspu.org/medical/investigation/docs/survey4-1.pdf

12. 日本褥瘡学会 実態調査委員会「第5回日本褥瘡学会実態調査委員会報告4」(褥瘡会誌26(1)・2024) https://www.jspu.org/medical/investigation/docs/survey5-4.pdf

13. 厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日 医政発第0726005号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2895&dataType=1&pageNo=1

14. 厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)」(令和4年12月1日 医政発1201第4号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7179&dataType=1&pageNo=1

15. 厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その3)」(令和7年12月26日 医政発1226第12号) https://www.mhlw.go.jp/content/001624372.pdf ・掲載元「原則として医行為ではない行為について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/gensoku_ikoui.html

16. 「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」(令和6年度老人保健健康増進等事業・2025年3月)本文p.101 https://www.mhlw.go.jp/content/001489487.pdf

17. 厚生労働大臣が定める福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与に係る福祉用具の種目(平成11年厚生省告示第93号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999420&dataType=0&pageNo=1

18. 厚生省老人保健福祉局企画課長通知 老企第34号「介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4381&dataType=1&pageNo=1

19. 厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)第6号・第7号・第18号・第20号・第31号 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab4583&dataType=0&pageNo=1

20. 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第71号の2 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab4584&dataType=0&pageNo=3

21. 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)訪問看護費・居宅療養管理指導費・通所介護費・通所リハビリテーション費・短期入所生活介護費 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0253&dataType=0&pageNo=1 ・ https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0253&dataType=0&pageNo=2

22. 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)複合型サービス費 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa7862&dataType=0&pageNo=2 ・ https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa7862&dataType=0&pageNo=3

23. 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1213(令和6年3月15日・留意事項通知の一部改正=専門管理加算・別紙様式5) https://www.mhlw.go.jp/content/001227724.pdf

24. 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の施行時期について(主な事項)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230619.pdf

25. 診療報酬の算定方法 別表第一 医科診療報酬点数表 C007 訪問看護指示料(令和8年6月1日適用)/厚生労働省法令等データベース https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9729&dataType=0&pageNo=7

26. 特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)第四の三・別表第七・別表第八 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9733&dataType=0&pageNo=2 ・ https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9733&dataType=0&pageNo=5

27. 訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等(平成18年厚生労働省告示第103号)第二の一 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa7834&dataType=0&pageNo=1

28. 厚生労働省「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」(最終改正 令和8年3月27日 老老発0327第2号・保医発0327第4号・令和8年6月1日適用)8(1) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001697767.pdf

29. 近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」(令和8年6月1日〜適用分) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/000486114.pdf

30. 厚生労働省 保険局医療課長通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第7号)褥瘡対策の基準・別添6の別紙3 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732097.pdf ・掲載元 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

31. 厚生労働省 老計第10号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成30年3月30日改正後全文・介護保険最新情報Vol.637)1-1-1-3 おむつ交換・1-2-1 清拭・入浴・1-3-1 体位変換 https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2018/0402095345456/ksVol637.pdf

32. 厚生労働省 老企第29号「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」別紙1 記載要領(令和3年3月31日改正後全文・介護保険最新情報Vol.958)第2表 https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0401101809839/ksvol.958.pdf

33. 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第9号・第19号・第19号の2・第20号・第21号・第22号/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038

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