「特に病気はないが、だんだん弱ってきた」という方の第2表で、ニーズ欄に「体力の低下」とだけ書いて手が止まっていませんか。書けないのは当然で、「衰弱」は病名ではなく、食べる・動く・出かける・人と会うの4つが同時に細っていく状態の呼び名です。どこから細り始めたかが分からないと、目標もサービスも決まりません。
第2表に書くのは「衰弱」ではなく、どの輪が最初に細ったかと、そこを戻す手順です。1日3食を2食に減らしたのはいつからか。ベッドから離れる時間が何時間あるか。最後に近所の人と話したのは何日前か。この3つを聞き取ると、文例を選ぶ場所が決まります。
この記事では、高齢による衰弱(フレイル・サルコペニア・廃用症候群)の方の第2表で使える文例を、場面ごとに182本まとめました。食事と体重、活動量と運動、閉じこもりと社会参加、入院後の廃用、意欲低下、転倒予防、排泄・入浴などの日常生活動作、家族の負担まで並べています。気になる行をコピーして、ご本人の状態に合わせて言葉を入れ替えて使ってください。制度の部分は、国民生活基礎調査、厚生労働省の介護予防マニュアルと総合事業のガイドライン、老計第10号、日本老年医学会のステートメントの原文にあたって書いています。
この記事の文例の並び方
第2表の欄ごとに章を分けています。
1章目:ニーズ(「〜したい」の形・主語はご本人)
2章目:長期目標
3章目:短期目標
4章目:サービス内容
各章の中は場面別に分かれているので、担当の方に近い場面から拾ってください。後半に「書き方のコツ」と「運営指導で見られやすいポイント」があります。

文例の前に:高齢による衰弱の第2表で押さえること
この記事の文例は要介護1〜2の方の第2表を主軸にしています。要支援の方は様式そのものが違うので、後で述べる予防プランの記事へ進んでください。その前に、言葉と制度の入口を6つ整理します。
「高齢による衰弱」は病名ではなく、調査の分類名です
2022(令和4)年の国民生活基礎調査 表17で、介護が必要となった主な原因を現在の要介護度別に見ると、こうなっています。
– 要支援1:1位 高齢による衰弱 19.5%/2位 関節疾患 18.7%/3位 骨折・転倒 12.2%
– 要支援2:1位 関節疾患 19.8%/2位 骨折・転倒 19.6%/3位 高齢による衰弱 15.5%
– 要支援者:1位 関節疾患 19.3%/2位 高齢による衰弱 17.4%/3位 骨折・転倒 16.1%
– 総数:1位 認知症 16.6%/2位 脳血管疾患(脳卒中)16.1%/3位 骨折・転倒 13.9%
要支援1では1位です。 一方、総数と要介護者の上位3位には入っていません。つまり「高齢による衰弱」は要支援の入口で最も多く出会う原因で、要介護になると別の病名が前に出てきます。調査の対象は「要支援又は要介護と認定された者のうち、在宅の者」で、施設に入っている方は含まれていません。
この「高齢による衰弱」は調査票の選択肢の名前で、医学の診断名ではありません。主治医意見書の記入の手引きは、診断名欄に「生活機能低下の直接の原因となっている傷病名」を書くよう求めています。意見書に「廃用症候群」「低栄養」「老衰」と書かれることもあれば、心不全や骨粗鬆症など別の病名が主体で、衰弱はその結果として書かれることもあります。第2表を書く前に、意見書の診断名欄と「生活機能低下の直接の原因となっている傷病または特定疾病の経過」欄を読み直してください。 衰弱の出発点がそこに書いてあります。
なお、介護保険法施行令第2条が定める16の特定疾病に「衰弱」「フレイル」という名前の疾病は入っていません。この記事は65歳以上(第1号被保険者)の方の第2表を前提に書いています。
フレイル・サルコペニア・廃用症候群、3つの言葉の使い分け
第2表に書くときに混ざりやすい3つの言葉です。出どころが違います。
フレイル。 日本老年医学会は2014(平成26)年のステートメントで、Frailtyを「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態」と説明しています。身体的な問題だけでなく、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念です。それまでの「虚弱」に代わって「フレイル」を使うことを決めたのも、このステートメントです。理由は「虚弱」「衰弱」という訳語が「加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態」という印象を与えてきたためで、学会は「しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという可逆性が包含されている」と書いています。
評価の物差しとしてよく使われるのが、Friedが提唱した5項目です。健康長寿ネットの解説では、体重減少・疲れやすい・歩行速度の低下・握力の低下・身体活動量の低下の5つのうち、3項目以上でフレイル、1〜2項目でプレフレイルとされています。日本人向けに修正したJ-CHS基準(2020年改定)を国立長寿医療研究センターが公開していて、同センターのサイトは基本チェックリスト(25項目のうち8項目以上該当)による評価も並べて載せています。評価の物差しは1つではありません。第2表に「フレイル」と書くなら、誰がどの基準で評価したかまで残してください。 5項目のうち、私たちが訪問で確かめられるのは体重と活動量と歩き方です。
サルコペニア。 加齢に伴う筋肉量と筋力の低下を指す言葉で、同センターのテキストはフレイルサイクルの中心的な病態として「低栄養とサルコペニア」を置いています。食べる量が減る→筋肉が減る→動くのがつらい→食欲が落ちる、という輪です。第2表では「筋力」と書くより、立ち上がりに何回かかるか、ペットボトルの蓋が開くかのほうが、訪問介護員が確かめられます。
廃用症候群。 厚生労働省の介護予防マニュアル(改訂版)は、廃用症候群を「『廃用(使わないこと)』、すなわち不活発な生活や安静でおきる、全身のあらゆる器官・機能に生じる“心身機能の低下”」と定義しています。診療報酬では、廃用症候群リハビリテーション料の対象が「急性疾患等に伴う安静(治療の有無を問わない)による廃用症候群」とされていて、入院や発熱でベッドに寝ていた期間の後に起きるものを指しています。フレイルが「じわじわ」なら、廃用症候群は多くの場合「きっかけがあって急に」です。第2表には、そのきっかけ(入院・骨折・家族の死去・猛暑で外に出なかった夏)を書いてください。 きっかけが分かると、戻す期間の目安が立ちます。
目標欄に「回復する」「改善する」と書かない
老年医学会が可逆性を強調しているのは事実です。だからといって、第2表の目標欄に「体力が回復する」と書くと、達成したかどうかを誰も判定できません。
書くのは行為と回数です。「体力が回復する」ではなく「朝食後に自分で洗面台まで歩いて歯を磨く日が週5日になる」。「食欲が改善する」ではなく「主食を毎食茶碗半分以上食べられる」。効果は「維持」「保つ」「〜を目指す」の形で書き、戻る・戻らないの断定は書きません。逆に「もう戻らない」とも書かないでください。学会の説明と食い違います。目標の測り方そのものは、ケアプラン第2表 目標の文例集も参考にしてください。
要支援1・2の方は、この記事の第2表ではありません
ここが最初の分岐です。要支援の方の訪問介護・通所介護に当たるサービスは、予防給付ではなく介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の訪問型サービス・通所型サービスとして市町村が実施しています。厚生労働省のガイドライン(最終改正 令和8年8月20日)は、この部分を「サービス・活動事業」と呼び、訪問型サービス・通所型サービス・その他生活支援サービス・介護予防ケアマネジメントの4つで構成しています。一方、介護予防訪問看護や介護予防福祉用具貸与は予防給付のままで、要支援認定が必要です。
計画の様式も違います。要支援の方は「介護予防サービス・支援計画書」で、居宅サービス計画の第2表ではありません。欄の名前は「総合的課題」「課題に対する目標と具体策の提案」「目標」「支援計画」で、この記事の「ニーズ」「長期目標」「短期目標」「サービス内容」とは対応しません。
要支援の方を担当している場合は、次の3本を使ってください。
飲み込みや口の機能が絡む場合は、次も参考にしてください。
要支援から要介護になった方:通いの場は続けられます
要支援1で総合事業の通所型サービスに通っていた方が、要介護1になる。このとき「もう総合事業は使えないので通所介護に切り替えます」と説明していませんか。
ガイドラインの第6は「継続利用要介護者」を定めています。要介護認定を受ける日以前から継続的にサービス・活動事業(従前相当サービスとサービス・活動Cを除く)を利用していて、市町村が必要と認める方は、要介護になった後も引き続き利用できる、という定めです。ガイドラインは、介護支援専門員等が「介護給付を受けながら、引き続き継続利用要介護者対象サービス・活動を利用できる旨を説明するなど、必ず対応いただきたい」と書いています。介護給付を使う方については、居宅サービス計画に位置づけるのは私たちです。
ただし対象は従前相当サービスと短期集中のサービス・活動C以外(住民主体の通いの場など)で、実施者側が対応できるかどうかは実施者と本人の間で決まります。市町村の要件も確認が要ります。この記事のサービス内容の章に「総合事業のサービス・活動(継続利用)」の文例を入れてあるので、担当者会議で確認した経過とセットで使ってください。
入院後の廃用:医療のリハと介護のリハを120日で見る
肺炎で2週間入院して、歩けなくなって帰ってきた。この場面で使うのが「廃用症候群」の文例です。
診療報酬の廃用症候群リハビリテーション料は、対象を「急性疾患等に伴う安静(治療の有無を問わない)による廃用症候群であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力及び日常生活能力の低下を来しているもの」としています。目安は「治療開始時において、FIM115以下、BI85以下の状態等」です。標準的算定日数は廃用症候群の診断又は急性増悪から120日です。運動器疾患の150日より短いので、退院してからの介護保険リハビリテーションへの切り替えが早く来ます。
留意事項通知は、介護保険のリハビリテーションが必要と思われる場合には「必要に応じて介護支援専門員と協力して」訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションの事業所を紹介し、見学、体験を提案するよう医療機関に求めています。退院前カンファレンスで、120日の起算日がいつかを聞いておいてください。 算定要件は施設基準の届出が前提なので、病院ごとに扱いが違う点も頭に置いておくと、説明で外れません。
低栄養は、体重が最初のサインです
衰弱の輪のうち、体の側から最も確実に数字で追えるのは体重です。主治医意見書の記入の手引きは、体重について「過去6ヶ月程度における体重の変化について、3%程度の増減を目途に」記入するよう求めています。後期高齢者の質問票(厚生労働省 保健事業ガイドライン第2版)でも、質問6が「6カ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか」です。月1回、同じ服・同じ時間帯で体重を測って第5表に残す。 これが低栄養の文例の土台です。
体重が落ちているときの制度の接続は2つあります。ひとつは居宅療養管理指導(管理栄養士)です。対象は「厚生労働大臣が定める特別食の必要性や低栄養状態にあると医師が判断した通院が困難な在宅の利用者」(東京都の集団指導資料が告示第19号と老企第36号を引いて整理した表現)です。医師の判断が入口なので、体重の記録を持って主治医に相談するところから始まります。もうひとつは通所介護の栄養改善に関する加算で、事業所が届け出ていることが前提です。対象になるかどうかの判断は事業所(管理栄養士)に確認してください。居宅療養管理指導は医師の判断が入口、加算は事業所の評価が入口、と覚えると混同しません。居宅療養管理指導の書き方は、居宅療養管理指導のケアプラン文例集にあります。
「一緒にやる」は身体介護に書けます
衰弱の方の訪問介護で、調理や洗濯を訪問介護員が代わりにやってしまうと、ご本人の動く機会がひとつ減ります。老計第10号(平成30年4月1日適用の改正)は、身体介護の中に「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」を置いています。例として挙がっているのは「利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う調理、配膳、後片付け」「洗濯物を一緒に干したりたたんだりする」「移動時、転倒しないように側について歩く」「ベッドの出入り時など自立を促すための声かけ」「車イス等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助」です。
条件は、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものであって、ADL・IADL・QOL向上の観点から自立支援・重度化防止に資するものとしてケアプランに位置付けられたものであることです。位置づけるのは私たちなので、サービス内容欄に「一緒に行う」と、その狙いまで書きます。訪問介護の書き分け全体は【訪問介護】ケアプラン第2表の文例集にまとめています。
ニーズ(生活全般の解決すべき課題)の文例(62文例)

この章の文例は「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」欄に書きます。主語はご本人です。「体力をつけたい」で止まらず、何のために体力が要るのかまで書けていますか。
食事・栄養
- 食欲がなく1日2食になっているので、1日3回食べる形に戻したい
- 体重が半年で3kg減ったので、これ以上減らないようにしたい
- 一人で食べると味気なくて量が減るので、誰かと一緒に食べる機会がほしい
- 固いものが食べにくくなってきたので、食べやすい形で栄養をとりたい
- 買い物に行けず同じものばかり食べているので、食事の中身を整えたい
- お茶でむせることが増えたので、安全に食べたり飲んだりしたい
- 水分を忘れがちなので、脱水にならないように飲む習慣をつけたい
活動量・運動
- 1日のほとんどをベッドで過ごしているので、起きている時間を増やしたい
- 足の力が落ちて立ち上がりに時間がかかるので、自分で立てる力を保ちたい
- 主治医から運動を勧められているので、自分に合った動き方を教わりたい
- 歩くのが遅くなって信号を渡りきれないので、歩く力を保ちたい
- 家の中でできる体操を覚えて、毎日続けられるようになりたい
- 疲れやすくてすぐ座ってしまうので、少しずつ動ける時間を延ばしたい
閉じこもり・社会参加
- 外に出るのが億劫で1週間家から出ないことがあるので、週に1回は外出したい
- 友人が亡くなってから人と話す機会が減ったので、話し相手がほしい
- 通っていた集まりに行けなくなったので、また参加できるようになりたい
- 近所の人と会わなくなったので、顔を合わせる場をつくりたい
- 家の中で役割がなくなり張り合いがないので、何か役目を持ちたい
入院後の廃用
- 肺炎で入院してから足腰が弱ったので、入院前の生活に近づけたい
- 退院してからトイレまで歩くのが精一杯なので、家の中を自分で移動できるようになりたい
- 入院中に食が細くなったので、退院後も食べる量を戻したい
- 退院後に外に出るのが怖くなったので、まず玄関先まで出られるようになりたい
- 病院のリハビリが終わった後も、自宅で体を動かす機会を続けたい
- 退院してから昼夜が逆転してしまったので、生活のリズムを戻したい
意欲低下・気持ち
- 何をするのも面倒に感じる日が増えたので、楽しみにできることを取り戻したい
- できないことが増えて気持ちが沈むので、できることを続けて自信を持ちたい
- 配偶者を亡くしてから何もする気になれないが、少しずつ生活を立て直したい
- 自分が弱っていくことが不安なので、見通しを持って暮らしたい
- 気分の落ち込みが続くので、主治医に相談して対応を決めたい
転倒予防
- ふらつきが増えて転びそうになるので、転ばずに家の中を動きたい
- この1年で2回転んだので、同じ場所で転ばないようにしたい
- 夜中のトイレで転びそうで怖いので、安全に往復したい
- 転ぶのが怖くて動かなくなっているので、安心して動ける方法を知りたい
- 立ちくらみがあるので、原因を主治医に確認して対策を決めたい
排泄
- トイレまで間に合わないことが増えたので、失敗せずに用を足したい
- 夜間のトイレの回数が多く眠れないので、夜間の対応を整えたい
- 便秘がちで食欲にも影響しているので、排便のリズムを整えたい
- 下着の交換が一人では難しくなってきたので、手伝ってもらいながら清潔を保ちたい
入浴・清潔
- 浴槽をまたぐのが怖くなったので、安全に入浴したい
- 疲れて入浴を週1回に減らしているので、週2回は入りたい
- 入浴後にぐったりしてしまうので、負担の少ない入り方を教わりたい
- 髪を洗うのが大変なので、手伝ってもらいながら身ぎれいにしていたい
起居・移動・日常動作
- ベッドから起き上がるのに時間がかかるので、楽に起きられるようにしたい
- 着替えに時間がかかり疲れるので、自分でできる範囲を保ちたい
- 階段の上り下りができなくなったので、1階で生活を完結させたい
- つかまる場所がなく壁を伝って歩いているので、安全に移動できるようにしたい
口腔・飲み込み
- 入れ歯が合わなくなり食べにくいので、歯科で診てもらって食べられるようにしたい
- 口の中が乾いて食べにくいので、口の手入れを続けたい
- むせが増えたので、飲み込みの状態を確認してもらいたい
服薬・受診・体調管理
- 薬の種類が多く飲み忘れるので、確実に飲めるようにしたい
- 体重や血圧の変化を主治医に伝えられるよう、記録を続けたい
- 定期受診を続けたいので、通院の手段を確保したい
- 持病の管理と体力づくりの両方を、主治医と相談しながら進めたい
一人暮らし
- 一人暮らしなので、体調が急に悪くなったときに気づいてもらえるようにしたい
- 食事の支度がつらい日に、食べる手段を確保したい
- 重い荷物が運べないので、買い物を続けられる形にしたい
- 誰とも話さない日をなくして、毎日誰かと言葉を交わしたい
家族が介護している
- (家族)本人が動かなくなってきたが、どこまで手伝ってよいか分からないので目安を知りたい
- (家族)食べる量が減っているのが心配なので、何を食べさせればよいか相談したい
- (家族)転倒が心配で目が離せないので、安心して離れられる時間を持ちたい
- (家族)本人のやる気を引き出す声のかけ方を知りたい
- (家族)遠方に住んでいるので、本人の様子を定期的に知る手段がほしい
長期目標の文例(16文例)

この章の文例は「長期目標」欄に書きます。回復や改善の断定ではなく、暮らしの形で書きます。 期間は認定の有効期間に合わせて設定してください。
- 1日3回の食事と水分をとる習慣を保ち、体重を維持して自宅での生活を続けられる
- 日中はベッドから離れて過ごし、家の中の移動を自分で行える
- 主治医と相談して決めた運動を続け、今の歩く力を保てる
- 週1回以上外出し、人と会う機会を持ちながら暮らせる
- 入院前に近い生活動作を取り戻し、自宅での生活を続けられる
- 楽しみにしていることを再開し、張り合いのある1日を過ごせる
- 転倒せずに家の中を移動し、安心して日常生活を送れる
- トイレでの排泄を続け、清潔を保って過ごせる
- 週2回の入浴を続け、身ぎれいに過ごせる
- 自分で食べられる形の食事を続け、むせや誤嚥のない食生活を送れる
- 服薬と定期受診を続け、体調の変化を主治医に伝えられる
- 地域の通いの場への参加を続け、地域とのつながりを保てる
- 見守りと支援の体制のもとで、一人暮らしを続けられる
- (家族)本人にできることを任せる関わり方を身につけ、負担を分け合いながら在宅での生活を続けられる
- 気持ちの落ち込みを一人で抱えず、支援者に相談しながら暮らせる
- 体重・活動量・外出回数の記録を支援者と共有し、変化に早く対応できる
短期目標の文例(50文例)

この章の文例は「短期目標」欄に書きます。誰が見ても達成できたかどうかが分かる形にします。回数・曜日・場所まで入れて、「体力」「意欲」という言葉は入れません。今の担当の方の短期目標、訪問介護員が確かめられる形になっていますか。
食事・栄養
- 朝食を抜かずに、1日3回食べる日が週5日以上になる
- 主食を毎食茶碗半分以上食べられる
- 月1回、同じ時間帯に体重を測って記録し、支援者と共有できる
- 配食サービスを週◯回利用し、夕食を欠かさず食べられる
- 1日にコップ◯杯の水分をとり、飲んだ回数を記録できる
- 通所先で他の利用者と一緒に昼食を食べ、提供量の8割以上を食べられる
活動量・運動
- 午前と午後にそれぞれ1時間以上、ベッドから離れていすで過ごせる
- 訪問リハビリテーションで決めた体操を、週◯回自宅で行える
- いすからの立ち上がりを、手すりを使って自分で行える
- 廊下の往復を1日◯回行い、回数を家族が記録できる
- 通所リハビリテーションに週◯回通い、休まず参加できる
- テレビを見ながらできる足の運動を、毎日◯分行える
閉じこもり・社会参加
- 週1回、通所先または地域の集まりに出かけられる
- 週◯回、近所の◯◯まで歩いて出かけられる
- 月◯回、友人または家族と電話や訪問で話す機会を持てる
- 地域の通いの場に、支援者の付き添いで1回参加できる
- 郵便物を取りに玄関の外まで毎日出られる
入院後の廃用
- 退院後◯週間で、寝室からトイレまで歩行器で移動できる
- 退院後、病院で決めたリハビリテーションの計画を通所リハビリテーションに引き継ぎ、週◯回通える
- 退院後1か月で、入院前の体重に対して減少を止められる
- 退院後、日中は着替えをして居間で過ごす日が週5日になる
- 玄関先まで支援者と一緒に出て、外の空気に触れる日が週◯日になる
意欲低下・気持ち
- 以前していた◯◯(趣味)を、週◯回再開できる
- 1日の予定を朝に支援者と確認し、その日にやることを1つ決められる
- 通所先で役割(◯◯の準備など)を1つ持ち、毎回行える
- 気分の落ち込みが続くときに、訪問看護またはケアマネジャーに伝えられる
転倒予防
- 家の中の敷物とコード類を片づけ、つまずかずに移動できる
- 立ち上がる前に一呼吸おいて、めまいがないことを確かめてから歩き出せる
- 夜間のトイレを、足元灯と手すりを使って安全に往復できる
- 転倒やヒヤリとした場面があったら、日付と場所を家族が記録して支援者に伝えられる
- 転倒に備えて、緊急通報装置の使い方を覚えて押せる
排泄
- 日中はトイレで排泄できる
- 夜間はポータブルトイレを使い、転倒せずに用を足せる
- 排便の記録をつけ、3日出ない日に訪問看護へ相談できる
- 下着の交換を、訪問介護員の見守りのもとで自分で行える
入浴・清潔
- 週2回、通所先または訪問介護の見守りのもとで入浴できる
- 入浴前に血圧を測り、事前に決めた基準で体調に応じてシャワー浴に切り替えられる
- 洗身は自分で行い、背中と洗髪だけ手伝ってもらう形で入浴できる
起居・移動・日常動作
- ベッドの高さを調整し、起き上がりと立ち上がりを自分で行える
- 着替えを、時間がかかっても自分で行える日が週5日になる
- 1階の居間と寝室で生活が完結する形に、生活の場を整えられる
口腔・飲み込み
- 毎食後に口の手入れを行い、通所先で口の状態を確認してもらえる
- 歯科の受診(通院が難しければ歯科訪問診療)で入れ歯の調整を受け、居宅療養管理指導で口の手入れの指導を受けられる
- 食事の形(刻み・とろみなど)を、飲み込みの状態に合わせて整えられる
服薬・受診
- 服薬カレンダーを使い、飲み忘れが週0回になる
- 定期受診に月◯回、送迎または付き添いを使って通える
- 体重と血圧の記録を受診時に持参し、主治医に見せられる
一人暮らし・家族
- 平日は毎日、誰かの訪問または電話がある形で1週間を過ごせる
- (家族)「手を出さずに待つ」場面を3つ決め、実際にできる
- (家族)週◯日、介護から離れて自分の時間を持てる
サービス内容の文例(54文例)

この章の文例は「サービス内容」欄に書きます。医療サービスは、主治医の指示にもとづくことが読み取れる形にします。運動の可否と量、食事の制限の有無、主治医に聞けていますか。
主治医・医療機関との連携
- 主治医:衰弱の原因となっている疾患の治療、運動の可否と量、食事の内容と制限、気分の落ち込みへの対応の指示
- ケアマネジャー:医療サービスの利用にあたり本人の同意を得て主治医の意見を求め、作成した居宅サービス計画を主治医へ交付する
- ケアマネジャー:本人の同意を得て、主治医から運動の可否・食事の制限・入浴の可否を聞き取り、各事業所へ共有する
- ケアマネジャー:退院前カンファレンスに出席し、廃用症候群リハビリテーションの起算日と介護保険リハビリテーションへの移行時期を医療機関と確認する
- ケアマネジャー:各事業所が把握した食事量・体重・活動時間・外出回数の変化を、本人の同意を得て主治医へ伝える
- ケアマネジャー:月1回の訪問で体重・外出回数・転倒の有無を確認し、変化があれば計画の見直しを検討する
訪問看護(主治医の指示に基づく)
- 訪問看護:体重・血圧・食事量・水分量・排便の観察と、変化があった場合の主治医への連絡
- 訪問看護:服薬の管理と、薬の効き方・気になる体調の変化の確認
- 訪問看護:脱水・低栄養の兆候(口の渇き・皮膚の状態・尿量)の観察と助言
- 訪問看護:気分の落ち込みや意欲の低下の観察と、本人・家族の相談対応、必要時の主治医への報告
- 訪問看護:入浴の可否と手順を主治医に確認し、訪問介護へ伝える
- 訪問看護:飲み込みの状態の観察と、食事の形の調整についての助言
訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション(主治医の指示に基づく)
- 訪問リハビリテーション:自宅の環境に合わせた起き上がり・立ち上がり・歩行の練習と、動作手順の設定
- 訪問リハビリテーション:自宅で毎日行える運動の設定と、本人・家族への指導
- 訪問リハビリテーション:家の中の動線、手すりの位置、つまずきやすい場所の助言
- 通所リハビリテーション:歩く力と筋力の維持を目的とした運動と、体調に合わせた運動量の調整
- 通所リハビリテーション:退院後のリハビリテーション計画の引き継ぎと、生活動作への戻し方の指導
- 理学療法士・作業療法士:本人が楽しみにしていた活動(趣味・家事)を再開するための動作の練習と道具の提案
訪問介護
- 訪問介護(身体介護):起床時の起き上がり・立ち上がりの見守りと声かけ(本人ができる部分は待って行ってもらう)
- 訪問介護(身体介護):利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りをしながら行う調理・配膳・後片付け(動く機会と食べる量を保つため)
- 訪問介護(身体介護):洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることによる自立支援と、転倒予防のための見守り・声かけ
- 訪問介護(身体介護):移動時に転倒しないように側について歩く見守り(介助は必要なときだけ)
- 訪問介護(身体介護):入浴の見守りと介助(洗身は本人が行い、背中と洗髪を手伝う。主治医・訪問看護と事前に決めた基準で、血圧や体調によりシャワー浴に切り替える)
- 訪問介護(身体介護):車いす等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるようにする援助
- 訪問介護(生活援助):食材の買い物と、日持ちする副菜の作り置き(本人が調理できない日の食事を確保する)
- 訪問介護員:訪問時に食事量・水分量・起きていた時間・体調を確認し、変化があればケアマネジャーへ報告する
通所介護
- 通所介護:他の利用者と一緒に食事をとる機会の確保と、食事量の記録
- 通所介護:体を動かす機会と、他の利用者との交流による生活リズムづくり
- 通所介護:入浴の機会の確保(浴槽の出入りの介助と、手すり・入浴台を使った動作の確認)
- 通所介護:本人が役割を持てる活動(配膳の手伝い・レクリエーションの準備など)への参加の支援
- 通所介護:栄養状態と口の機能の確認(届出のある加算の対象となるかは事業所〔管理栄養士〕に確認する)
- 通所介護:送迎時の乗降介助と、玄関から車までの移動の見守り
- 通所介護:活動中の疲れやすさ・歩き方・食事量の変化を記録し、ケアマネジャーへ報告する
居宅療養管理指導
- 居宅療養管理指導(管理栄養士):主治医の指示に基づく食事内容と食事の形の助言(対象は主治医が低栄養状態と判断した通院困難な方。位置づけの要件は主治医に確認する)
- 居宅療養管理指導(薬剤師):飲み合わせと残薬の確認、一包化や服薬カレンダーの提案
- 居宅療養管理指導(歯科医師・歯科衛生士):歯科訪問診療にあわせた口の状態の確認、口腔ケアと入れ歯の手入れの指導、ケアマネジャーへの情報提供(入れ歯の調整そのものは歯科訪問診療=医療保険)
- 居宅療養管理指導(医師):療養上の指導と、事業所への情報提供
福祉用具貸与・特定福祉用具販売・住宅改修
- 福祉用具貸与:据置型手すり(工事を伴わないもの)の設置と、立ち上がる位置に合わせた調整
- 福祉用具貸与:歩行器の選定と、体格に合わせた高さの調整、定期的な点検
- 福祉用具貸与:特殊寝台の検討(起き上がりの負担を減らすもの。要介護1の方は例外給付の要否を保険者に確認する)
- 特定福祉用具販売:入浴用いす・浴槽用手すり・浴槽内いすなど、浴槽の出入りを支える用具の購入
- 特定福祉用具販売:ポータブルトイレの購入(夜間の転倒を避けるため寝室に設置する)
- 住宅改修:廊下・トイレ・浴室への手すりの取付けと、寝室から居間までの段差の解消
総合事業・地域・保険外の支援
- 総合事業のサービス・活動(継続利用):要支援のときから通っていた住民主体の通いの場への参加の継続(市町村の要件と実施者の受け入れを確認し、担当者会議で協議した経過を記録する)
- 配食サービス:調理ができない日の食事の確保と、手渡し時の安否確認(介護保険外)
- 買い物代行・移動販売・宅配:重い荷物を運ばずに買い物を続けられる手段の確保(介護保険外)
- 緊急通報装置:転倒や急な体調の悪化時に外部へ連絡できる体制の確保(自治体サービスなど)
- 別居家族・近隣・民生委員:定期的な電話連絡と訪問、ゴミ出しなどの手伝い
- 地域包括支援センター:地域の通いの場・介護予防の教室の情報提供と、参加につなぐ調整
本人・家族の取り組み
- 本人:1日3回の食事と水分をとり、食べた量を家族または訪問介護員に伝えること
- 本人:主治医と相談して決めた運動を続け、体調の悪い日は無理をせず休むこと
- 本人:週1回は外に出る予定を入れ、出かけた日をカレンダーに印をつけること
- 家族:本人ができることは手を出さずに待ち、危ないときだけ手を貸すこと
- 家族:食事量・体重・外出回数の変化に気づいたら、ケアマネジャーまたは訪問看護へ連絡すること
書き方のコツ(深めたい方向け)
すぐ使いたい方は、ここから先は読まなくて大丈夫です。衰弱の方の第2表ならではの書き分けのコツをまとめました。
コツ1:「衰弱」を4つの輪に分解してから書く
「体力低下」「全身の衰え」と書いたプランは、次の一手が決まりません。介護予防マニュアルの閉じこもり予防の章は、閉じこもり・認知症・うつ状態・運動器の機能低下・低栄養・口腔機能の低下が「因果関係というより相互に関連した状態」だと説明しています。輪になっているので、どこか1か所を切ると全体が回り始める構造です。
第2表では、この輪を食べる・動く・出かける・人と会うの4つに分けて、最初に細った輪を特定します。聞くのは3つです。1日3食を2食に減らしたのはいつからか。ベッドから離れている時間は1日何時間か。最後に家族以外の人と話したのはいつか。最初に細った輪のニーズを一番上に書き、残りの輪は短期目標とサービス内容で支える形にすると、担当者会議で「どこから手をつけるか」の議論が要らなくなります。担当の方の4つの輪、どれが最初でしたか。
コツ2:きっかけを第2表に書く
同じマニュアルの第1章には「水際作戦」という考え方が書かれています。何らかのきっかけで生活機能が低下したときに、速やかに把握して介護予防の取り組みを一定期間に集中的に行うことで、生活機能を元のレベルに戻そうとする、という意味です。
裏返すと、きっかけが分からないプランには集中する期間が設定できません。 入院、骨折、配偶者の死去、猛暑で外に出なかった夏、通っていた集まりの解散。ニーズ欄に「肺炎で入院してから足腰が弱ったので」「友人が亡くなってから人と話す機会が減ったので」と、きっかけごと書きます。廃用症候群であれば、診療報酬の廃用症候群リハビリテーション料が「診断又は急性増悪から120日」を標準的算定日数としているので、短期目標の期間もそこに合わせて置くと、医療機関との話がかみ合います。
コツ3:「意欲」は書かず、「予定」と「役割」を書く
意欲低下の方のプランで、目標欄に「意欲が向上する」と書きたくなります。ただし意欲そのものを第2表で判定できる形にするのは難しいところです。
書くのは予定と役割です。介護予防マニュアルは、閉じこもり予防について「外出頻度自体を増加させることが目的ではなく、屋外、社会における役割を担う結果として、外出頻度が増え、生活全般を活性化させることが本来の目的」と書いています。「週1回外出できる」だけでは、外に出る理由がありません。「通所先で◯◯の準備という役割を持ち、毎回行える」「郵便物を取りに玄関の外まで毎日出られる」。役割と予定が先にあって、外出は結果としてついてきます。気分の落ち込みが続くときは、うつ状態の可能性もあるので、主治医への相談をサービス内容に入れておいてください。
コツ4:訪問介護は「代わりにやる」を「一緒にやる」に書き換える
衰弱の方の生活援助を組むとき、調理・洗濯・買い物を全部訪問介護員が代わりにやる形にしていませんか。それで動く機会が減っては、プランが衰弱を進めてしまいます。
老計第10号の「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」は身体介護です。「利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う調理、配膳、後片付け」「洗濯物を一緒に干したりたたんだりする」「車イス等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助」が例示されています。条件は、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うことと、ケアプランに位置付けられていること。訪問介護員が別室で待つ形は該当しません。だから第2表のサービス内容に「一緒に行う」と、その狙い(動く機会と食べる量を保つ)まで書きます。訪問介護事業所のサービス提供責任者が訪問介護計画に落とすときの根拠になります。ただし、疲れやすさが強い時期に何でも一緒にやらせると逆効果なので、主治医と訪問リハビリテーションに「どこまで動かしてよいか」を確認してから書いてください。
コツ5:体重は「測る人・場所・頻度」まで書く
低栄養のプランで一番多い抜けは、体重を誰がいつ測るかが書かれていないことです。「体重を維持できる」という長期目標があっても、測っていなければ判定できません。
書き方は「月1回、通所介護で入浴前に体重を測り、記録をケアマネジャーへ報告する」「訪問看護が月2回、同じ時間帯に体重を測る」。主治医意見書の手引きが6か月で3%程度の増減を目途にしているので、50kgの方なら1.5kgが目安になります。後期高齢者の質問票は6か月で2〜3kg以上の減少を聞いています。減っていたら、記録を持って主治医へ。居宅療養管理指導(管理栄養士)の入口は「低栄養状態にあると医師が判断した」ことなので、記録がそのまま相談の材料になります。
現場のひとこと
衰弱の方のプランで最初に確かめたいのは、病名ではなく「最後に外で誰かと話したのはいつか」です。食べる・動く・出かける・人と会うの4つのうち、人と会う輪が最初に細っている方が多く、そこが細ると残りの3つが後を追います。逆に、通いの場や配食の手渡しで週2回誰かと話す形ができると、食事と活動量の目標が動き始めることがあります。
もうひとつ。ご本人の口から出る言葉は「弱った」ではなく、「仏壇の花を替えられなくなった」「孫の誕生日に出かけられなかった」のほうです。これをそのままニーズ欄に置くと、目標とサービス内容が自然に決まっていきます。
運営指導で見られやすいポイント
1. 訪問看護・訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションなど医療サービスについて、主治医の指示を確認した経過が記録に残っているか(平成11年厚生省令第38号 第13条第20号)
2. 医療サービスの利用にあたり利用者の同意を得て主治医の意見を求め、作成した計画を主治医へ交付した記録があるか(同 第13条第19号・第19号の2)
3. 目標が「体力が回復する」「意欲が向上する」など測れない表現ではなく、本人が取り組める行為と回数になっているか
4. 見守り的援助を身体介護として位置づけている場合、自立支援・重度化防止の観点からの狙いが第2表に書かれ、訪問介護計画と整合しているか
5. 居宅療養管理指導(管理栄養士)を位置づけている場合、主治医の判断(低栄養状態・特別食の必要性)と通院が困難であることの確認が記録に残っているか
6. 要介護1の方に特殊寝台などの原則給付対象外の種目を位置づけている場合、医師の所見と担当者会議の記録、市町村への確認の経過が残っているか
7. 総合事業のサービス・活動を継続利用として位置づけている場合、市町村の要件と実施者の受け入れを確認した経過が担当者会議の記録に残っているか
8. モニタリングで体重・食事量・外出回数など、計画の目標に対応した項目を継続的に把握しているか(同 第13条第13号・第14号)
よくある迷いどころ
要支援1の方の「高齢による衰弱」のプランは、この記事の文例で書けますか
様式が違うので、そのままは使えません。要支援の方の訪問介護・通所介護に当たるサービスは、総合事業の訪問型サービス・通所型サービスとして市町村が実施していて、計画の様式は「介護予防サービス・支援計画書」です。欄の名前は「総合的課題」「課題に対する目標と具体策の提案」「目標」「支援計画」で、第2表の「ニーズ」「長期目標」「短期目標」「サービス内容」とは対応しません。
要支援の方は、ケアプラン予防プラン「運動器の機能向上」の文例集、予防プラン文例|栄養改善、予防プラン文例|閉じこもり予防・社会参加を使ってください。この記事のニーズの言い回しは、予防プランの「本人・家族の意欲・意向」欄の参考にはなります。
主治医意見書の診断名が「老衰」だけです。第2表に何と書けばよいですか
診断名をそのまま第2表に書く必要はありません。第2表に書くのは診断名ではなく、生活の困りごとと目標です。ニーズ欄には「食欲がなく1日2食になっているので」「1日のほとんどをベッドで過ごしているので」と、衰弱の中身のほうを書きます。
ただし、意見書の「生活機能低下の直接の原因となっている傷病または特定疾病の経過」欄と「特記すべき事項」は読んでください。心不全や貧血、薬の影響など、衰弱の背景にある事情が書かれていることがあります。運動の可否や食事の制限は、そこを踏まえて主治医に確認します。
「フレイル」と第2表に書いてよいですか
書くこと自体は問題ありませんが、誰がどの基準で評価したかを添えてください。フレイルの評価法は、国立長寿医療研究センターのサイトがJ-CHS基準と基本チェックリストの2つを並べて載せているように、複数あります。「主治医がフレイルと評価」「通所リハビリテーションがJ-CHS基準で評価」と根拠を残せば、更新時に同じ物差しで比べられます。
第2表で役に立つのは「フレイル」の一語より、体重・活動時間・外出回数・立ち上がりの回数など、誰でも確かめられる項目のほうです。フレイルという言葉は、ご本人と家族に「戻る余地がある状態」だと説明するときに使うと伝わりやすくなります。
退院直後で、病院のリハビリはいつまで続きますか
廃用症候群リハビリテーション料の標準的算定日数は「廃用症候群の診断又は急性増悪から120日」です。運動器疾患の150日より短いので、退院後に介護保険の通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションへ移る時期が早く来ます。状態の改善が期待できると医学的に判断される場合等は120日を超えて算定できる定めもあり、施設基準の届出状況によっても扱いが変わるので、切り替えの時期は医療機関に確認してください。
留意事項通知は、介護保険のリハビリテーションが必要と思われる場合には、必要に応じて介護支援専門員と協力して事業所を紹介し、見学、体験を提案するよう医療機関に求めています。退院前カンファレンスで起算日を聞き、そこから逆算して通所リハビリテーションの見学を組んでおくと、空白期間ができません。訪問リハビリテーションの文例は【訪問リハ】ケアプラン第2表の文例集、通所リハビリテーションの文例は【通所リハ】ケアプラン第2表の文例集にあります。
要支援のときに通っていた住民主体の通いの場を、要介護1になっても続けられますか
続けられる場合があります。総合事業のガイドラインは、要介護認定を受ける日以前から継続的にサービス・活動事業(従前相当サービスとサービス・活動Cを除く)を利用していて市町村が必要と認める方を「継続利用要介護者」と呼んでいます。要介護になった後も引き続き利用できる、という位置づけです。介護給付を受けることも変わりません。
ただし、実際に受け入れられるかどうかは実施者(住民団体など)と本人の間で決まり、市町村の要件もあります。介護給付を使う方の場合、居宅サービス計画に位置づけるのはケアマネジャーです。担当者会議で実施者と市町村の確認をとった経過を記録に残しておいてください。通所介護の文例と組み合わせるなら、デイサービスのケアプラン文例集も参考になります。
一人暮らしで食べる量が減っています。配食だけで足りますか
配食は「食事を届ける」手段で、「食べたかどうか」を確かめる手段ではありません。手渡し時の安否確認は多くの配食サービスが行っていますが、残した量までは分からないことがあります。
短期目標に「配食サービスを週◯回利用し、夕食を欠かさず食べられる」と書くなら、サービス内容に「訪問介護員が訪問時に食事量を確認して報告する」「通所先で提供量の8割以上を食べられているか記録する」を組み合わせて、食べた量を誰かが見る形にしてください。体重が半年で3%程度減っていたら、記録を持って主治医に相談し、居宅療養管理指導(管理栄養士)の位置づけを検討します。一人暮らしの見守りの組み立ては、独居高齢者のケアプラン第2表 文例集にまとめています。転倒のリスクが重なる方は、転倒・骨折リスクのケアプラン第2表 文例集もあわせて使ってください。
まとめ
✓ 「高齢による衰弱」は国民生活基礎調査の分類名で、病名ではない。要支援1では1位(19.5%)だが、総数と要介護者の上位3位には入っていない
✓ 主治医意見書の診断名欄には「生活機能低下の直接の原因となっている傷病名」が書かれる。第2表を書く前に、意見書の経過欄を読み直す
✓ フレイルは「可逆性を包含した概念」(日本老年医学会)。ただし目標欄に「回復する」「改善する」とは書かず、行為と回数で書く。「戻らない」とも書かない
✓ 廃用症候群は「不活発な生活や安静でおきる心身機能の低下」(介護予防マニュアル)。きっかけを第2表に書く
✓ 要支援1・2の方は総合事業+「介護予防サービス・支援計画書」で、この記事の第2表ではない。予防プランの3記事へ
✓ 要支援のときから通っていた通いの場は、継続利用要介護者として要介護後も続けられる場合がある。位置づけるのはケアマネジャー
✓ 廃用症候群リハビリテーション料の標準的算定日数は診断又は急性増悪から120日。退院前カンファレンスで起算日を聞く
✓ 低栄養は体重が最初のサイン。月1回、同じ時間帯に測って記録するところから。居宅療養管理指導(管理栄養士)の入口は医師の判断
✓ 「一緒に行う」調理・洗濯・買い物は、老計第10号の見守り的援助として身体介護に位置づけられる。ただし前提は側について常時介助できる状態。狙いまで第2表に書く
あわせて読みたい
ケアプラン第2表 目標の文例集|測定可能な長期目標・短期目標
参考・出典
厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」Ⅳ 介護の状況 表17 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/05.pdf
一般社団法人 日本老年医学会「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」(平成26年5月) https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20140513_01_01.pdf
厚生労働省「介護予防マニュアル(改訂版:平成24年3月)」 https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html ・第1章 介護予防について https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_01.pdf ・第3章 運動器の機能向上マニュアル https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_03.pdf ・第4章 栄養改善マニュアル https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_05.pdf ・第6章 閉じこもり予防・支援マニュアル https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_07.pdf
厚生労働省 老健局長通知「介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて」(平成27年6月5日 老発0605第5号・最終改正 令和8年8月20日 老発0820第2号)改正後全文 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001741382.pdf
厚生労働省 老健局振興課長通知「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」(平成27年6月5日 老振発0605第1号・最終改正 令和8年3月13日 老認発0313第3号)改正後全文 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001741387.pdf
厚生労働省 老健局振興課長通知「『訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について』の一部改正について」(平成30年3月30日 老振発0330第2号。老計第10号の改正・平成30年4月1日適用) https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000201799.pdf
厚生労働省 老健局老人保健課長通知「要介護認定における『認定調査票記入の手引き』、『主治医意見書記入の手引き』及び『特定疾病にかかる診断基準』について」(平成21年9月30日 老老発0930第2号)別添2 主治医意見書記入の手引き/厚生労働省法令等データベース https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb6469&dataType=1&pageNo=4 (2026年9月時点で現行として掲載されている版)
診療報酬の算定方法 別表第一 医科診療報酬点数表 H001-2 廃用症候群リハビリテーション料(告示) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
同 留意事項通知(H001-2 廃用症候群リハビリテーション料) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第13号・第14号・第19号・第19号の2・第20号/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100038
介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第2条/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410CO0000000412
厚生労働省「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」別添2「後期高齢者の質問票の解説と留意事項」 https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000557576.pdf
国立長寿医療研究センター フレイル研究部(J-CHS基準の掲載元) https://www.ncgg.go.jp/ri/lab/cgss/department/frailty/ ・同センター・東浦町「健康長寿教室テキスト第2版」(2020) https://www.ncgg.go.jp/ri/lab/cgss/department/frailty/documents/chojutext_2020.pdf
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「フレイルとは」 https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html
東京都福祉局「令和7年度 集団指導資料 介護保険法の居宅療養管理指導(管理栄養士が行う場合)」 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/r7shuudanshidou-kyotakuika-kanrieiyoushi-pdf
※文例はあくまで参考です。運動の可否と量、食事の内容と制限、入浴の可否と手順、服薬は、必ず主治医と訪問看護・リハビリテーション職・管理栄養士の指示にもとづいて個別に決めてください。診断は医師が行うものです。基本チェックリストやJ-CHS基準による評価は診断ではないので、第2表には評価者と基準を添えてください。総合事業の訪問型・通所型サービスの内容と継続利用要介護者の要件、福祉用具の例外給付の可否、居宅療養管理指導の対象となるかどうかは、市町村(保険者)・主治医・事業所によって案内が異なる場合があります。実際の取り扱いについては、主治医およびお住まいの市町村(保険者)にご確認ください。


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